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易経 · No.01 · 乾為天

乾為天(第1卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

目次 · 77
  1. 本卦
  2. 本卦原文
  3. 本卦の現代語訳
  4. 邵雍の解釈
  5. 傅佩栄の解釈
  6. 高島吞象の解釈
  7. 伝統的解卦
  8. 二・爻辞
  9. 初九
  10. 本卦と変卦
  11. 爻辞原文
  12. 爻辞の現代語訳
  13. 邵雍の解釈
  14. 傅佩栄の解釈
  15. 高島吞象の解釈
  16. 変卦原文
  17. 変卦の現代語訳
  18. 邵雍の解釈
  19. 伝統的解卦
  20. 二九
  21. 本卦と変卦
  22. 爻辞原文
  23. 爻辞の現代語訳
  24. 邵雍の解釈
  25. 傅佩栄の解釈
  26. 高島吞象の解釈
  27. 変卦原文
  28. 変卦の現代語訳
  29. 邵雍の解釈
  30. 伝統的解卦
  31. 三九
  32. 本卦と変卦
  33. 爻辞原文
  34. 爻辞の現代語訳
  35. 邵雍の解釈
  36. 傅佩栄の解釈
  37. 高島吞象の解釈
  38. 変卦原文
  39. 変卦の現代語訳
  40. 邵雍の解釈
  41. 伝統的解卦
  42. 四九
  43. 本卦と変卦
  44. 爻辞原文
  45. 爻辞の現代語訳
  46. 邵雍の解釈
  47. 傅佩栄の解釈
  48. 高島吞象の解釈
  49. 変卦原文
  50. 変卦の現代語訳
  51. 邵雍の解釈
  52. 伝統的解卦
  53. 五九
  54. 本卦と変卦
  55. 爻辞原文
  56. 爻辞の現代語訳
  57. 邵雍の解釈
  58. 傅佩栄の解釈
  59. 高島吞象の解釈
  60. 変卦原文
  61. 変卦の現代語訳
  62. 邵雍の解釈
  63. 伝統的解卦
  64. 上九
  65. 本卦と変卦
  66. 爻辞原文
  67. 爻辞の現代語訳
  68. 邵雍の解釈
  69. 傅佩栄の解釈
  70. 高島吞象の解釈
  71. 変卦原文
  72. 変卦の現代語訳
  73. 邵雍の解釈
  74. 伝統的解卦
  75. 用九
  76. 爻辞原文
  77. 三・卦例

本卦

六親納甲乾為天
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄

本卦原文

乾は元(おお)いに亨る。貞(ただ)しきに利あり。
天地ありて然る後に万物生ず。

本卦の現代語訳

大いに吉、大いに利あり、吉なる貞卜。《象辞》に曰く:天道の運行は剛健にして止まず。君子はこの卦象を観て、天を法(のり)とし、自強して息(や)まず。

邵雍の解釈

剛健にして旺盛、万物を育む功あり。何事も順調に進むが、強すぎることを警戒せよ。吉:この卦を得る者は、天行剛健にして自強不息、名利双収の象であり、好機を捉えて成果を勝ち取るべきである。女性がこれを得る時は、剛直に過ぎる嫌いがある。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 事に臨んで剛健、自強して息まず。
  • 財運: 施すは受けるより福あり。買うには不利にして、売るに利あり。
  • 家宅: 善を積めば余慶あり。女子は強すぎるを慎むべし。
  • 健康: 健康維持には恒常性を持つべし。

高島吞象の解釈

  • 女性: この卦を占って得た場合、陰が陽の位に居り、剛強が中を過ぎる嫌いがある。慎重にするがよい。
  • 天候: 二・三・四・五の中にあり、変ずれば必ず晴天となる。
  • 売買: 買うに不利にして、売るに利あり。
  • 吉凶: 積善の家には必ず余慶あり、積不善の家には必ず余殃ありと言うが如く、恐らく当代にとどまらず後世に及ぶ。
  • 一般人: 身を高きに置いて卑近な事を知らぬ恐れあり。
  • 賢者: 天命を知って独りその道を行くも、群陰が潜伏し、小人たちが讒言(ざんげん)を構える恐れあり。

伝統的解卦

この卦は同じ卦(下乾上乾)が重なったものである。天を象徴し、龍(徳才ある君子)に喩え、また純粋な陽と健やかさを象徴し、興隆と強健を表す。乾卦は万物が変通する道理に基づき、「元・亨・利・貞」を卦辞として、吉祥如意を示し、人に天道の徳行を守るよう教える。

  • 大象: 天行は剛健なり、君子はもって自強して息まず。
  • 運勢: 飛龍天に在り、名利双収の象。好機を逃さず、成果を勝ち取るべし。
  • 事業: 大吉大利、万事如意、心願成就。天の助けありて春風に得意の秋、事業は日の出の勢いである。しかし陽気が頂点に達すれば、盛極まれば必ず衰える。警戒を怠らず慎重に行動すべし。驕りを戒め、冷静に世に対処し、心を平穏に保てば、才能を十分に発揮して事業を成功へと導くことができる。
  • 商売: 極めて順調であり、向上発展の好機に恵まれる。しかし焦りは禁物である。冷静に情勢を分析し、時機を捉え、商業道徳を守り、途中で生じる困難には冷静に対処すれば、必ず満足のいく結果が得られる。
  • 名声: 潜在能力がまだ十分に発揮されていない。さらなる努力を重ね、驕りや満心を克服し、学業・徳行を修め、博識と高潔な人格をもって君子の名を成すべし。
  • 婚姻: 陽盛んにして陰衰えるが、剛柔相済めば美しき結果となる。女性は従順にして柔和なるが吉。
  • 判断: 大業を成すことができる。この卦の剛健・正直・公明正大なる本質を堅持し、徳を修め、知識を蓄え、信念を固くして自強して息まねば、必ず困難を克服し、災難を消し去ることができる。

二・爻辞

初九

本卦と変卦

六親納甲乾為天六親納甲天風姤
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄  応
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応兄弟Xin You 辛酉▄▄▄▄▄▄▄
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄子孫Xin Hai 辛亥▄▄▄▄▄▄▄
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄  ○ →父母Xin Chou 辛丑▄▄           ▄▄  世

爻辞原文

初九
潜竜なり。用うるなかれ。

爻辞の現代語訳

初九:潜める龍、用うるなかれ。《象辞》に曰く:潜める龍、用うるなかれとは、初九の陽爻が卦の下位にあり、抑圧されて伸び悩んでいるからである。

邵雍の解釈

平。この爻を得た者は、落ち着いて好機を待つべきである。もし軽挙妄動すれば、すぐに災いや病が生じ、事を図るに不利となる。小人(しょうじん)を厳重に防ぐべし。官職にある者は障害が生じる。商売を行う者は滞る。女の運勢においては家業を興し、妊婦は男児を産む。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 実力を蓄え、機会を待つこと。
  • 財運: 守るに宜しく、攻めるべきではない。
  • 家宅: 妻を娶るには慎重にすること。
  • 健康: 保養に努めるのが宜しい。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 乾は武人であり、戦争の象(しょう)がある。初爻の陽気が黄泉より動き始めるのは、なお潜伏している状態であるため「潜龍」と言う。軍事においては、威令が下ったばかりで大軍がまだ集まっておらず、兵を留めて待機すべきである。吉。
  • 商業: 龍にして潜む。「用うるなかれ」と言う。これは良い取引ではあるものの、ただ堅く守るべきであり、急に動いてはならない。
  • 功名: 龍は本来、天に飛騰し発達するものであるが、初爻で「潜む」と言うのは、まだ風雲の機に出会っていないからである。ゆえに「位、下に在り」と言う。
  • 婚姻: 《乾》の初爻が変ずると《姤》となる。《姤》に「女壮なり、女を娶るに用うるなかれ」とあるのは、まさにこれを警戒すべきだからである。
  • 家宅: 震を龍とする。震は東方にあり、これは邸宅の東側に必ず深い水たまりがあり、閉塞して通じていないことを示す。これを浚渫して修繕すべきである。
  • 妊娠: 男児が生まれる。

変卦原文

姤(こう)は、女(じょ)壮(さか)んなり。用(もっ)て女(じょ)を取(めと)るなかれ。
夬(かい)とは決なり。決すれば必ず遇う所あり。故にこれを受くるに姤(こう)をもってす。

変卦の現代語訳

姤卦。夢に女子が傷つくを見る。占ってこの卦に遭えば、女を娶るに利ならず。《象辞》に曰く:本卦の上卦は乾にして、乾は天となり、下卦は巽にして、巽は風となる。天の下に風あるは、これ姤卦の卦象なり。君子はこの卦象を観て、風の万物を吹き払うに倣い、天下に教化を施し、四方に昭告す。

邵雍の解釈

陰長じ陽消え、鴻運は中途で衰える。滞り多し、慎みて防ぐべし。凶:この卦を得る者は、陰長じ陽衰え、諸事順調にいかず。慎重に行動すべく、さらに桃色トラブルに注意すべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下巽上乾)が相重なる。乾は天、巽は風。天の下に風あり、大地に吹き渡り、陰陽交わり合いて万物繁茂す。姤卦は夬卦と相反し、互いに「綜卦」となる。姤はすなわち媾にして、陰陽相遭うなり。ただし、五陽一陰なれば、長く相処るべからず。

二九

本卦と変卦

六親納甲乾為天六親納甲天火同人
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世子孫Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  応
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄妻財Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応官鬼Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄  世
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄  ○ →子孫Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄父母Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

九二
見竜(けんりょう)田(でん)にあり。大人(たいじん)を見るに利あり。

爻辞の現代語訳

九二:見(あらわ)るる龍、田にあり。大人(たいじん)を見るに利あり。《象辞》に曰く:見(あらわ)るる龍、田にありとは、君子が抑圧された低谷から脱し、広く徳沢を施すことのできる社会的地位を求め始めていることを喻えている。

邵雍の解釈

吉。この爻を得た者は、貴人の引き立てを得る。官職にある者は賢明な主君に出会い、要職に就く。学問をする者は試験で佳績を収める。商売を行う者は利益を得る。女の運勢においては、富貴を兼ね備える。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 貴人の助けを得て、発展の機会がある。
  • 財運: 価格が上がり始め、官公庁の買い付けが入る。
  • 家宅: 婚姻は大吉。
  • 健康: 運動して健康づくりをすること。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 龍は本来霊妙な生き物であり、初爻の「潜む」は伏兵を意味し、二爻の「現る」は姿を現して出ていくことを意味する。「田にあり」とは、必ずや広々とした野原に陣を敷くことである。《伝》に「徳の施し普(あまね)きなり」とあるのは、必ずや戦いに勝ち、恩賞を行うことである。
  • 商業: 爻に「見(あらわ)るる龍、田にあり」とあることから、その商品は米、麦、絹、綿の類であることがわかる。「現る」とは物価が上がり始めることを言い、「大人を見るに利あり」とは、官界が買い付けに出てくることを言う。
  • 功名: 田野に伏せていた者が、時に乗じて登用され、かつ貴人の助けを得ることを意味する。ゆえに「大人を見るに利あり」と言う。
  • 婚姻: 二と五が正応し、五は尊位に居るため、婿の家は必ずや貴位にある。「見(あらわ)るる龍」と言うからには、必ずや新進気鋭の若者である。大吉。
  • 妊娠: 男児が生まれる。かつ、その子は貴くなる。

変卦原文

人に同じうにするに野(や)に于(おい)てす。亨(とお)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。君子の貞(てい)に利あり。
物はもって否に終るべからず。故にこれを受くるに同人(どうじん)をもってす。

変卦の現代語訳

同人卦。野において人を同にする(志を同じくする者を野に集めて大業を行う)は、吉。大川を渡るに利あり、君子の貞に利あり。《象辞》に曰く:同人の卦は、上卦が乾・天・君主であり、下卦が離・火・臣民である。上乾下離は、君主の意志が下達し、臣民の情情が上達し、君臣の意志が和同することを象徴する。これが同人の卦象である。君子はこの卦象を観て、火の天を照らし出す性質に倣い、物類を分析し、情状を弁明する。

邵雍の解釈

人々が親しみ合い、志を同じくする。求めるものはすべて得られ、意にかなわぬことはない。吉:この卦を得れば、吉祥如意であり、他人と協力して事を進めるのが最も良く、上下心を一にして計りごとが成就する。

伝統的解卦

この卦は異卦(下離上乾)が重なったもので、乾は天、君主であり、離は火、臣民・民衆である。天の下に火があり、火の性質は燃え上がって天と同じになり、上下が和同し、同舟相救い、人間関係が調和して天下大同となる。

三九

本卦と変卦

六親納甲乾為天六親納甲天沢履
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世兄弟Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄子孫Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄  世
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄父母Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応 ○ →兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  応
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

九三
君子終日乾々、夕べまで惕若(てきじゃく)たり。厲(あやう)けれども咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

九三:君子、終日乾乾し、夕(ゆうべ)に惕若(てきじゃく)たり。厲(危う)けれども咎なし。《象辞》に曰く:君子、終日乾乾すとは、繰り返し道を歩み、怠ることなく堅守することを言う。

邵雍の解釈

平。この爻を得た者は、あわただしく行き来するばかりで財利を得がたい。物事を慎重に計画せず、軽挙妄動する者は損失を被る。官職にある者は重職を兼ね、かつ雑務が多く繁雑になるが、もし憂慮と慎重な態度を保ち続ければ過失はない。女の運勢においては、気性が激しく、賢い内助の功を発揮しにくい。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 功名は未だ顕れず、戒め慎めば咎なし。
  • 財運: 昼夜を問わず防備すれば、危険を脱して利益を得られる。
  • 家宅: 勤勉と倹約で家を保つべし。高貴な家柄との縁談は避けるのが良い。
  • 健康: 慎重に養生すること。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 危うき事なり。爻に「終日乾乾し、夕に惕若たり」とあり、これは事に臨んで畏れ敬うことができる者であるため、危うしといえども咎なし。
  • 功名: 九三は下卦の極に位置し、その位はなお卑しく、功名は未だ顕れざるなり。故に君子と称す。憂い危うき地に在るが故に、乾乾惕若とし、これによって咎を免れるべし。
  • 商業: 中ならぬ位に居り、剛の危険を履む。その交易を推し量るに必ず危地なり。昼夜の防備を要し、危険を脱して利益を得るべし。
  • 家宅: 爻象を観るに、必ずや身を慎み持ち、勤勉と倹約にて家を保てば、災害なからん。
  • 婚姻: 三は六を以て応とす。三の位は卑しく、六の位は尊し。尊ければ亢りて悔いを得るを免れず、これ高貴な家柄と結びつくに宜しからざるなり。
  • 妊娠: 男児を産む。出産の際に多少の危惧ありとも、終わりには咎なからん。

変卦原文

虎の尾を履(ふ)む、人を咥(くら)わず。亨(とお)る。
物畜えられて然る後に礼あり。故にこれを受くるに履(り)をもってす。

変卦の現代語訳

履卦。虎の尾を踏むような危うさがあっても、虎は人を噛まず、吉となります。『象辞』に言う:本卦の上卦は乾(天)、下卦は兌(沢)であり、上には天、下には沢があり、尊卑の別が明らかである。これが履卦の象である。君子はこの卦象を見て、上下の秩序や尊卑を弁え、人々に規律を守らせ、本分を尽くさせるのである。

邵雍の解釈

歩みが不安定で、困難や危険が伴います。謙虚に自らを重んじ、慎んで主人に仕えるべきです。小凶:この卦を得たときは困難な時期であり、多くの障害や不順があります。すべての事において急進は禁物で、順序を追って進み、慎重に行動しなければなりません。

伝統的解卦

この卦は異卦(下卦が兌、上卦が乾)が重なったものです。乾は天、兌は沢であり、天を君主、沢を庶民に例えています。原文には「虎の尾を踏むも、人を咥(か)まず」とあります。そのため、結果は吉となります。君主は上に、民は下にあり、それぞれがしかるべき位置にあります。兌の柔軟さが乾の剛強さに遭うため、踏むところは危険を伴います。「履」は実践を意味し、卦の義は地に足をつけ、着実に前進・向上することを意味します。

四九

本卦と変卦

六親納甲乾為天六親納甲風天小畜
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世兄弟Xin Mao 辛卯▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄子孫Xin Si 辛巳▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄  ○ →妻財Xin Wei 辛未▄▄           ▄▄  応
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応妻財Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄兄弟Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄父母Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄  世

爻辞原文

九四
或いは踊りて淵にあり。咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

九四:或いは躍りて淵に在り、咎なし。《象辞》に曰く:或いは躍りて淵に在りとは、進むも咎なきなり。

邵雍の解釈

平なり。この爻を得る者は、諸事ことごとく困難なり。官職にある者は職を退いて機会を待つ。女命これに遭えば、安楽にして富貴なり。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 一挙に名を成す。
  • 財運: 物価高騰す。咎なしと保つべし。
  • 家宅: 一時的に振興する兆しあり。
  • 健康: 引き続き養生に努めよ。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 爻象を観るに、軍を進めるに必ずや深淵の水の隔てあらん。船筏を設けるが宜し。または淵に臨んで敵軍の伏兵あらん。予め備えを設ければ、すなわち咎なきを得る。
  • 商業: 爻に「或いは躍りて淵に在り」とあり、もし海産物の交易であれば、波濤の危険に罹ることを恐る。あるいは物価の一時的騰貴あり。爻に「咎なし」とあれば、害なきを保つべし。
  • 功名: 一挙に名を成すの象あり、大吉。
  • 家宅: 淵とは水なり、躍るとは飛昇するなり。必ず家道の一時的振興の象あり。
  • 妊娠: 男児を産む。

変卦原文

小畜は亨(とお)る。蜜雲(みつうん)して雨ふらず、わが西郊(せいこう)よりす。
比とは比しむなり。比しめば必ず畜(たくわ)うるところあり。故にこれを受くるに小畜(しょうちく)をもってす。

変卦の現代語訳

小畜卦。吉。西の郊外に濃雲が立ち込めるが、まだ雨は降らない。《象辞》に曰く:上卦は巽、巽は風。下卦は乾、乾は天。和風が地を払い、草木がなびいて生き生きと繁茂する、これが小畜の卦象である。君子はこの卦象を観て、万物を促し育む和風に倣い、自らの徳行を励まし、徳教を推し進める。

邵雍の解釈

力量が薄弱で、前進が阻まれる。才能を隠して時を待ち、忍耐強く進めるべき。小凶:この卦を得る者は、力量が弱く、運勢が変転しやすいため、実力を蓄えて静かに時機を待つのが宜しい。急進すれば危険があり、何事も忍耐強く進める必要がある。

伝統的解卦

この卦は異卦(下乾上巽)が重なったもので、乾は天、巽は風を表す。風が和らぎ雨が順調で、穀物が育つことをたとえ、ゆえに卦名は小畜(蓄)となる。力量に限りがあるため、一定の段階まで発展するのを待ってから初めて大いに為すことができる。

五九

本卦と変卦

六親納甲乾為天六親納甲火天大有
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世官鬼Ji Si 己巳▄▄▄▄▄▄▄  応
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄  ○ →父母Ji Wei 己未▄▄           ▄▄
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ji You 己酉▄▄▄▄▄▄▄
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  世
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

九五
飛竜(ひりょう)天にあり、大人(たいじん)を見るに利あり。

爻辞の現代語訳

九五:飛龍天に在り、大人を見るに利あり。《象辞》に曰く:飛龍天に在りとは、大人の造作なり。

邵雍の解釈

吉なり。この爻を得る者は、貴人に遭い、志を得て思い通りになる。官職にある者は飛黄騰達す。女命なれば男権を兼ね、孤独を免れ難し。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 直ちに雲霄に上る。
  • 財運: 五穀などの交易は物価飛昇す。官府の支持あり。
  • 家宅: 富貴の家なり。
  • 健康: 天に召される兆しあり、不吉なり。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 九五は尊位にして、必ずや天子の親征、王師の罪を伐つなり。故に「大人造なり」と曰う。
  • 商業: 九五は辰の申に在り、上は畢に値し、星は咸池に附す。咸池は蒼龍の舎にして、咸池はまたの名を五車といい、稻・黍・豆・麦を主る。その貿易を推し量るに、必ず五穀の属に在り。「飛龍」と曰うは、物価の飛昇を知るなり。「大人を見るに利あり」と曰うは、その販運が政府の命に出ずるを知るなり。
  • 功名: 雲霄に直達する兆しあり。
  • 病気: 天の召しに応じる象あり、不吉なり。
  • 妊娠: 男児を産む。貴し。

変卦原文

大有は、元(おお)いに亨(とお)る。
人と同じくする者は物必ずこれに帰す。故にこれを受くるに大有(たいゆう)をもってす。

変卦の現代語訳

大有卦。昌隆通泰。《象辞》に曰く、本卦の下卦は乾(天)、上卦は離(火)であり、火が天上にありて四方を明るく照らす、これが大有の卦象である。君子はこの卦象を観て、火のあり方に法り、善悪を洞察し、悪を抑えて善を宣揚し、もって天命に従い、幸運を祈るのである。

邵雍の解釈

日は中天に輝き、万物をあまねく照らす。盛大にして富み、満ちたるを保ち安泰を維持する。吉:この卦を得る者は、まさに好運の時期にあり、万事吉祥にして大いなる収穫を得る。ただし、物極まれば必ず反り、盛極まれば衰えに転ずるを防ぐべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下乾上離)が重なったものである。上卦は離(火)、下卦は乾(天)である。火が天上にありて万物をあまねく照らし、万民が帰順し、天に従い時に順じて、大いなる成功を収める。

上九

本卦と変卦

六親納甲乾為天六親納甲沢天夬
父母Ren Xu 壬戌▄▄▄▄▄▄▄  世 ○ →兄弟Ding Wei 丁未▄▄           ▄▄
兄弟Ren Shen 壬申▄▄▄▄▄▄▄子孫Ding You 丁酉▄▄▄▄▄▄▄  世
官鬼Ren Wu 壬午▄▄▄▄▄▄▄妻財Ding Hai 丁亥▄▄▄▄▄▄▄
父母Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  応兄弟Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄
妻財Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄官鬼Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄  応
子孫Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄妻財Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

上九
亢竜(こうりょう)なり。悔いあり。

爻辞の現代語訳

上九:亢龍悔いあり。《象辞》に曰く:亢龍悔いありとは、満つるは久しかるべからざるなり。

邵雍の解釈

凶なり。この爻を得る者は、剛に過ぎて凶を取るの禍あり。五十歳以上の者は長寿ならず。官職にある者は退職し、あるいは左遷される。女命これに遭えば、その性質必ずや強悍にして、賢内助となり難し。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 満つれば欠けを招く。退いて自省すべし。
  • 財運: 満ち溢るれば必ず欠くるあり。
  • 家宅: 婚嫁に利あらず。
  • 健康: 命は旦夕にあり。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 上九は《乾》の極みに居り、陽が上に極まるがゆえに「亢(こう)」なり。亢なれば勝ちて驕るにより、ここにおいて「悔いあり」となる。ゆえに《伝》に「盈(えい)は久しかるべからず」と曰うは、持続すべからざるを知るなり。
  • 商業: 「亢」とは、度を過ぎることなり。およそ売買の道は、過剰に利益を求めるべからず。過盈なれば必ず欠くるところあり。ゆえに「久しかるべからず」と曰うなり。
  • 功名: 上九の位はすでに極まりたれば、かえりて自ら退くべし。しからざれば必ず満ちて損を被るに至る。
  • 家宅: これ必ず宅基が高きに過ぎ、高きに過ぎれば危うく、また恐るべきなり。
  • 病気: これ竜陽上昇の症なり。《伝》に「盈は久しかるべからず」と曰うは、命が旦夕の間にありと知るべし。危うむべし。
  • 婚姻: 利ならず。
  • 妊娠: 男児が生まれるも、育たぬ恐れあり。

変卦原文

夬(かい)は、王庭(おうてい)に揚(あ)ぐ。孚(まこと)あって号(さけ)ぶ、厲(あやう)きことあり。告(つ)ぐること邑(ゆう)よりす。戎(じゅう)に即(つ)くに利あらず。往くところあるに利あり。
益して止めなければ、かならず決(決壊)す。ゆえにこれを受けるに夬をもってする。

変卦の現代語訳

夬の卦。王庭にて音楽を奏でて舞っている。ある者が「敵の来襲あり」と大声で告げる。邑中から「出撃は不利、厳戒態勢を整えよ」と命令が伝わる。この爻を得れば、外への旅行は吉となる。《象辞》に言う:本卦の上卦は兌で、兌は沢;下卦は乾で、乾は天。すなわち沢の水が上昇して大地を潤すのが夬の卦象である。君子はこの卦象を見て、恵みを下に施し、自らの功績に傲ることなく、またこれを戒めとする。

邵雍の解釈

排除し決断するには、剛毅果断でなければならない。始めは吉なれど終わりは凶、慎んで自重せよ。凶:この卦を得た者は、大運が過ぎ去ろうとしており、困難が訪れる兆しがあるため、警戒を怠らず、言動を慎むべきである。

伝統的解卦

この卦は異卦(下乾上兌)が重なったものである。乾は天にして健、兌は沢にして悦。沢の気が上昇して雨となり、雨が大地に注いで万物を潤す。五陽が一陰を取り除くことは難しくなく、決(取り除く意)すればよいため、名づけて夬(かい)という。夬とは決のことである。

用九

爻辞原文

用九
群竜(ぐんりょう)首(かしら)なきを見る。吉なり。

三・卦例

このサイトの易経占いツールで卦を立て、この卦を実例の中で確認できます。梅花心易や小六壬も利用できます。

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