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易経 · No.04 · 山水蒙

山水蒙(第4卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

目次 · 75
  1. 本卦
  2. 本卦原文
  3. 本卦の現代語訳
  4. 邵雍の解釈
  5. 傅佩栄の解釈
  6. 高島吞象の解釈
  7. 伝統的解卦
  8. 二・爻辞
  9. 初六
  10. 本卦と変卦
  11. 爻辞原文
  12. 爻辞の現代語訳
  13. 邵雍の解釈
  14. 傅佩栄の解釈
  15. 高島吞象の解釈
  16. 変卦原文
  17. 変卦の現代語訳
  18. 邵雍の解釈
  19. 伝統的解卦
  20. 二九
  21. 本卦と変卦
  22. 爻辞原文
  23. 爻辞の現代語訳
  24. 邵雍の解釈
  25. 傅佩栄の解釈
  26. 高島吞象の解釈
  27. 変卦原文
  28. 変卦の現代語訳
  29. 邵雍の解釈
  30. 伝統的解卦
  31. 三六
  32. 本卦と変卦
  33. 爻辞原文
  34. 爻辞の現代語訳
  35. 邵雍の解釈
  36. 傅佩栄の解釈
  37. 高島吞象の解釈
  38. 変卦原文
  39. 変卦の現代語訳
  40. 邵雍の解釈
  41. 伝統的解卦
  42. 四六
  43. 本卦と変卦
  44. 爻辞原文
  45. 爻辞の現代語訳
  46. 邵雍の解釈
  47. 傅佩栄の解釈
  48. 高島吞象の解釈
  49. 変卦原文
  50. 変卦の現代語訳
  51. 邵雍の解釈
  52. 伝統的解卦
  53. 五六
  54. 本卦と変卦
  55. 爻辞原文
  56. 爻辞の現代語訳
  57. 邵雍の解釈
  58. 傅佩栄の解釈
  59. 高島吞象の解釈
  60. 変卦原文
  61. 変卦の現代語訳
  62. 邵雍の解釈
  63. 伝統的解卦
  64. 上九
  65. 本卦と変卦
  66. 爻辞原文
  67. 爻辞の現代語訳
  68. 邵雍の解釈
  69. 傅佩栄の解釈
  70. 高島吞象の解釈
  71. 変卦原文
  72. 変卦の現代語訳
  73. 邵雍の解釈
  74. 伝統的解卦
  75. 三・卦例

本卦

六親納甲山水蒙
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応

本卦原文

蒙は、亨る。我童蒙(どうもう)を求むるにあらず。童蒙来りて我に求む。初筮(しょぜい)は告ぐ。再三すれば瀆(けが)る。瀆るれば告げず。貞(ただ)しきに利あり。
物生ずれば必ず蒙(もう)なり。故にこれを受くるに蒙をもってす。蒙とは蒙(おろ)かなり。物のおさなきなり。

本卦の現代語訳

蒙卦。通泰。我から幼稚で愚昧な者に求めるのではなく、幼稚で愚昧な者が我に求めるのである。最初の占筮には、神霊はこれに告げる。軽慢で不敬に再三占えば、軽慢で不敬な占いには、神霊は告げない。しかし、なお吉なる占問である。『象辞』に曰く、上卦は艮で山を象徴し、下卦は坎で泉を象徴する。山の下に泉があり、泉水が湧き出る、これが蒙卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、一往無前の山泉に倣い、果敢で堅毅な行動をもって自らの品徳を養うのである。

邵雍の解釈

智慧が未だ開けず、蒙昧にして閉塞す。躊躇して決断を欠く。小凶:この卦を得る者は、智慧は童蒙の如く、是非を弁ぜず、方向を見失う。もし賢師や良友の教えに従い、その聡明さを啓くことができれば、亨通す。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 徳行を蓄積し、世に出て用いられるべし。
  • 財運: 鉱山ビジネスは、果決なれば吉。
  • 家宅: 君子居るに吉。婚姻の始まり。
  • 健康: 邪熱を駆逐すれば、平安を保つことができる。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 『象』に「山下出泉」と曰うは、潜伏の水なり。伏兵の象あり。君子とは軍中の将帥を謂うなり。「果行育德」の果とは果敢なり、育とは蓄養なり。その鋭勢を蓄え、果決をもって進むべきを謂うなり。
  • 商業: 『象』辞を玩味するに、鉱山を開鑿するビジネスの想定なり。果決に事に従うべし、吉。
  • 功名: 士が素より徳行を抱き、深山に伏処するの象なり。「山下出泉」と曰うは、終には出でて世に用いられるなり。
  • 家宅: 宅の坐向は坎艮なり。「山下」と曰うは、必ず山に近きなり。「出泉」と曰うは、必ずその下に泉流の出づるあるなり。君子これに居れば、その宅は必ず吉なり。
  • 婚姻: 坎の辰は子にあり、上は女に値す。『聖冷符』に曰く、「須女は嫁娶を主る」と。『艮』下『兌』上は『咸』となり、二気相感ず。故に「女を娶るに吉」と曰う。「山下出泉、蒙」は、婚姻の始まりなり。
  • 病気: 艮は止まり、坎は険なり。病勢は必ず熱邪が漸く内に陥る。初爻の発蒙を待ちて邪気外発すれば、憂いなきを保つべし。
  • 妊娠: 男児を出産する。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坎上艮)が重なり合う。艮は山のイメージであり、止まることを諭す。坎は水のイメージであり、険しさを諭す。卦形は山の下に険難があり、なお進むことを止めないため、蒙昧とされ、故に蒙卦と称する。しかし、時機を捉え、行動が時宜に適うため、啓蒙と通達の卦象を具えている。

  • 大象: 蒙とは、昏くして見る所なきなり。故に「啓蒙」に宜し。
  • 運勢: 初めは惑いて方向を知らず、忍耐して機を待ちて動くべし。万事において他人の意見を多く聴き入れれば、運は通ず。
  • 事業: 事業の開始時期、混乱して秩序がなく、危機が四伏するが、勇敢で堅毅な行動によって局面を打開できる。しかし、厳格な教育を受け、この奮発図強の精神を養う必要がある。必ず着実に実行し、高望みを最も忌むべきである。さもなくば孤立無援の境地に陥る。
  • 商売: 必ず用心深く慎重であるべきで、急功近利であってはならない。特に高尚な商業道徳を樹立し、良好な信用をもって競争力を高め、勝利を得るべきである。
  • 名声: 良好な基礎教育を受け、情操を陶冶しなければならない。かつ動機が純正であれば、目的を達することができる。
  • 婚姻: 相手の品徳を考察することに注意し、金銭を誘惑の道具にしてはならない。夫婦は相互に寛容と理解が必要である。
  • 判断: 時に迷惘と困頓の境地に陥り、加えて臆病で不果断であるため、往々にして事を誤る。もし目上の者の教誨、さらには厳酷な試練を受け入れ、疑懼の心を取り除いて適当な時機を待てば、必ずや順風満帆となる。

二・爻辞

初六

本卦と変卦

六親納甲山水蒙六親納甲山沢損
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄官鬼Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄  応
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄妻財Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世兄弟Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄  世
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応 × →父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

初六
蒙を発(ひら)く。用(もっ)て人を刑し、用(もっ)て桎梏(しつこく)を説くに利あり。以て往けば吝(りん)。

爻辞の現代語訳

初六:山を切り開き荒地を開墾する際、罪を免じられた受刑者を用いるとよい。彼らの桎梏(足かせ手かせ)を解いて向かわせるため、結果として災難を招く。《象辞》に言う:刑罰をもって罪人を懲らしめるのは利があり、これをもって法紀を粛正することができる。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、訴訟が多く、親戚や友人と不和になり、争い事が多いが、最終的には解決できる。官職にある者は、教育職または司法関係の職に就く。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 栄誉を求めてかえって辱めを受ける。自ら身を慎むべきである。
  • 財運: 訴訟を起こすのを避け、道理が通った時点で切り上げること。
  • 家宅: 慎重に家を維持すること。結婚が破談になる恐れがある。
  • 健康: 外傷を負う恐れがある。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 爻辞に「発蒙」とあるのは、暴を討ち罪を責める軍のことであり、大禹の有苗征伐のように、屈服すれば軍を退いて帰還することから、「正法をもってするなり」と言う。
  • 商業: 初爻は内卦の始まりに位置するため、必ず初めての企てや事業である。《坎》は困難であり、爻辞に「発蒙」「用刑」とあることから、商売には必ず障害があり、まもなく訴訟が起きることを知る。理が通ればすぐに止めるべきであり、もし窮めようとすれば害がある恐れがあるため、「往けば吝なり」と言う。
  • 功名: 行って栄誉を求めようとしても、かえって辱めを受ける恐れがある。自ら身を引くのがよい。
  • 婚姻: 初爻は始まりの位にあり、爻辞に「発蒙」とあるため、必ず少年の時に婚約する。変事が多いため、婚約を破棄するのも致し方ない。
  • 妊娠: 初爻は陰が陰位におり、女子が生まれる。また出産に難がある恐れがある。

変卦原文

損は、孚(まこと)あれば、元吉(げんきつ)にして、咎(とが)なし。貞(てい)にすべくして、往くところあるに利あり。曷(なに)をかこれ用いん。二簋(にき)用(もっ)て享(まつ)るべし。
解とは緩(かん)なり。緩(ゆる)くすれば必ず失うところあり。故にこれを受くるに損(そん)をもってす。

変卦の現代語訳

損卦。この卦を得れば、捕獲するものがあり、大吉にして有利であり、災いなく、心にかなう占いとなる。また、行くところ利益がある。人が二つの器の食べ物(簋)を送って寄こすので、口福を享受できる。『象辞』に言う:本卦の上卦は艮、艮は山;下卦は兌、兌は沢であり、山の下に沢があるのが損の卦象である。君子はこの卦象を観て、沢の水が山の麓を浸食するのを戒めとし、自らの憤怒を抑え、貪欲をふさぐ。

邵雍の解釈

下を損して上を益し、盈を損して虚を益す。先難後易、入るを量りて出ずるを制す。小吉:この卦を得る者は、己を損して人を利す。始めは滞りがあるものの、尽くしたことは必ず報われ、災い転じて福となす象である。

伝統的解卦

この卦は二つの単卦(下兌・上艮)が重なったものである。艮は山、兌は沢。山の下に沢があり、大沢が山の根元を浸食する。損と益は表裏一体であり、損の中に益があり、益の中に損がある。この二者の関係には慎重に対処しなければならない。下を損して上を益するやり方は、国を治める上で度を超せば国の根基を損なう。損ずべきは損ずべきだが、必ず力量を量り、適度にとどめる。少しく損じて益するのが最も良い。

二九

本卦と変卦

六親納甲山水蒙六親納甲山地剥
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄妻財Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄子孫Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄  世
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世父母Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄妻財Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄  ○ →官鬼Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄  応
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応父母Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄

爻辞原文

九二
蒙を包(か)ぬ、吉なり。婦(つま)を納(い)るるに、吉なり。子、家を克(よ)くす。

爻辞の現代語訳

九二:刈り取った荒草を束ねる。これは吉兆である。占ってこの爻を得れば、妻を迎えるのに吉である。男女がよく調和して一家を成す。《象辞》に言う:男女が配して一家を成すのは、九二と六三の二爻が隣り合い、陰陽剛柔が交わることを示しているからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得た者は、人情が和合し、万事が成就する。または結婚するか、子孫が生まれ、財と福を得る。官職にある者はその職を守ることができる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 財と福があり、子が家業を継ぐことができる。
  • 財運: 広く財物を受け入れ、他地方へ売り出す。
  • 家宅: 賢い妻と孝行な子に恵まれ、家業を興すことができる。
  • 健康: 柔軟な体操。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 二爻は陽が陰位におり、爻辞に「包蒙」とあるのは、多くの陰を包み込む象(かたち)である。《象》に「剛柔接するなり」とある。剛柔とは両軍のことであり、「接」とは交戦すること、「克家」とは敵に打ち勝つことを意味する。占例において、婦は財であり、子は福である。敵軍に勝ち、さらにその財を納めて福を受けるため、大吉である。
  • 商業: 二と上の二つの陽爻が三つの陰爻を包み、一陽が内に、一陽が外にある。財物を包み込んで他地方で行商する象であるため、「包蒙にして吉」と言う。「婦を納(い)る」とは、旅先で妻を迎えることであり、妻を得てさらに子を得る。「家を克(よ)くす」とは、その子が必ず父の業を継ぐことができるという意味である。
  • 功名: 思いはその身にではなく、その子にある。ゆえに「子、家を克くす」と言う。
  • 家宅: 「包蒙」と言い、《艮》が《坎》を包むのは、必ず山が巡り水が抱く(山紫水明の)地である。「婦を納る」「家を克くす」と言うのは、その家には必ず良き妻と良き子がおり、家業を盛んにすることを示しており、吉である。
  • 婚姻: 爻辞を玩味するに、二つの吉がある。妻があり子があることが明言されており、これ以上の吉はない。
  • 妊娠: 男子が生まれる。富貴を主(つかさど)る。

変卦原文

剥は、往くところあるに利あらず。
賁とは飾るなり。飾りを致して然る後に亨(とお)れば尽く。故にこれを受くるに剥(はく)をもってす。

変卦の現代語訳

剥の卦。往くところあれば不利なり。『象辞』に曰く:本卦は上卦が艮(山)、下卦が坤(地)であり、山が地の上にあって風雨に侵食される、これが剥の卦の象(かたち)である。君子はこの卦象を観て、山石の剥落や岩角の崩壊を戒めとし、それによって民心を厚く結びつけ、人民を安居楽業させる。

邵雍の解釈

剥削蝕爛、災情の憂いあり。進取は成し難く、時に順じて止まるべし。凶:この卦を得る者は、時運が振るわず、損失が多く、前進に阻害あり。時に順じて止まり、本分を守って自重するのがよい。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坤上艮)が重なったものである。五つの陰が下にあり、一つの陽が上にある。陰が盛んで陽が孤立している。高山が地に附いている。二者ともに剥落の象であるため、「剥の卦」とする。この卦は陰が盛んで陽が衰えており、小人が勢力を得て君子が困窮し、事業が崩壊することを例えている。

三六

本卦と変卦

六親納甲山水蒙六親納甲山風蠱
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄  応
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  × →官鬼Xin You 辛酉▄▄▄▄▄▄▄  世
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄父母Xin Hai 辛亥▄▄▄▄▄▄▄
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応妻財Xin Chou 辛丑▄▄           ▄▄

爻辞原文

六三
女を取(めと)るに用うるなかれ。金夫(きんぷ)を見て、躬(み)を有(たも)たず。利するところなし。

爻辞の現代語訳

六三:女を略奪して妻にしてはならない。武装した者の抵抗に遭い、命を落とすことになり、何も利益はない。《象辞》に言う:女を娶るべきではない。六三の爻が九二の上に居るのは、柔が剛に乗る象であり、女が男を虐げることを象徴している。これは道理に背き順ならぬことである。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、悶着が生じる。小さければ財を失い、大きければ身を傷つける。官職にある者は、貪欲さゆえに自ら辱めを招くことになる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 財を見て義を忘れ、名声を失う。
  • 財運: 小さければ財を失い、大きければ身を傷つける。
  • 家宅: 妻が強く夫が弱いため、不安が生じる恐れがあります。婚嫁には適しません。
  • 健康: 飲食に注意してください。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 爻に「女を娶るに用うるなかれ」とあります。女は陰の象であり、およそ占書において女の爻は財とされ、金もまた財です。軍を動かすには財を散じて衆を容れるべきであり、財を収めて怨みを買うべきではないと説いています。もし財物を略奪すれば、必ず軍は敗れ身は滅びます。「用うるなかれ」と言うのは、戒めが深いからです。
  • 商業: 六三は陰の身で陽の位に居り、陰が内にあって陽が外にあります。これは必ず商いをして外へ出かけることを意味します。行商において最も忌むべきは色情に溺れることです。男はその色を恋い、女はその財を狙います。ひとたび罠に落ちれば、小さければ財を失い、大きければ身を傷つけます。『象』に「行くに順ならざるなり」とあります。「順」と「慎」は音が通じ義も通じます。慎まないわけにはいかないでしょう。
  • 家宅: 爻辞を味わうに、いわゆる「牝鶏晨を司るは、これ家の索(尽きる)なり」であり、深く戒めるべきです。
  • 功名: 婦の道は臣の道に通じます。財を見て義を忘れるのは、必ず名声を失うことになります。女として不貞であることは、臣として不忠であることと同じです。
  • 妊娠: 男児が生まれます。

変卦原文

蠱は、元(おお)いに亨(とお)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。甲に先だつこと三日、甲に後るること三日。
喜びをもって人に随う者は必ず事(こと)あり。故にこれを受くるに蠱(こ)をもってす。

変卦の現代語訳

蠱卦。大吉にして利あり。大川を渡るに利あり、ただし甲の前三日たる辛の日、および甲の後三日たる丁の日に出発するが良い。《象辞》に曰く:本卦の上卦は艮(山)、下卦は巽(風)である。賢人が山のように上に居り、徳教を宣して下に施す、これが「山下に風あるは蠱」の卦象である。君子はこの卦象を観て、万物を吹き動かす風にならい、もって万民を救い振興し、徳教を施行する。

邵雍の解釈

器の中に三つの虫(蠱)があり、事物が損なわれ敗壊する。辛勤して戒め諭せば、危機を転じて安んずることができる。凶:この卦を得る時は、困難と惑いがあり、事ごとに意の如くならず。大胆に革新し、奮起して図り、艱苦して努力すれば、危機を転じて安泰とすることができる。

伝統的解卦

この卦は異卦(下巽上艮)が重なったもので、随卦と互いに綜卦(裏表の卦)となります。蛊(こ)の本来の意味は「事」であり、転じて「多事」「混乱」を意味します。器が久しく使われずに虫が湧くことを「蛊」と呼び、天下が久しく平穏であったために因循し、腐敗していることを例えています。革新と創造を行い、整備と改革を進めて危機を救い、事業を立て直す必要があります。

四六

本卦と変卦

六親納甲山水蒙六親納甲火水未済
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ji Si 己巳▄▄▄▄▄▄▄  応
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄子孫Ji Wei 己未▄▄           ▄▄
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世 × →妻財Ji You 己酉▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

六四
蒙に困(くる)しむ、吝(りん)なり。

爻辞の現代語訳

六四:山を切り開き荒地を開墾することに疲れ果て、険難に遭遇します。『象辞』にいう:無知蒙昧に悩まされるのは、群れから離れて孤立し、生活から遠ざかっているからです。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、人情が薄く、経営が滞ります。静かにしていれば災いはありませんが、動けば損失があります。官職にある者は、引き立ててくれる人がいないため昇進が難しいでしょう。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 遠くの水では近くの火を救えず、役に立ちません。
  • 財運: 資本が不足しており、困窮を免れがたいでしょう。
  • 家宅: 辺ぴな土地にあり、生活は困窮します。
  • 健康: 体質が虚弱で、陰寒の症です。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 軍を進めるには深く入り込みつつも抜け出せるようにすべきですが、「困蒙」とは陰険な地に入り込んで出られなくなることであり、ゆえに困します。困を救うに足るものは初爻の陽ですが、六四は初爻から二つの爻を隔てており、陽は実であるため「実に遠ざかる」となります。これは救いとなる兵が遠くにいて、間に合わないことを示しています。凶です。
  • 商業: 商売の道は、通じるべきであって困るべきではなく、円滑であるべきであって吝嗇であるべきではありません。「実」とは資本のことであり、「実に遠ざかる」ことはその資金を損なうことです。困蒙による吝嗇は、その道が窮まることを意味します。
  • 時運: 「蒙」とは暗昧であり、「困」とは厄窮です。蒙にして困すれば、その最後は困窮に終わります。
  • 家宅: 爻辞から見るに、家業は困窮し、住居もまた人里離れた場所にあります。『象』に「独り実に遠ざかるなり」とあるのは、必ず孤立した村で近隣がないことを示しています。
  • 妊娠: 女児が生まれます。この子は兄弟が少ないため、「独り」と言われます。

変卦原文

未済(びせい)は、亨(とお)る。小狐(しょうこ)汔(ほと)んど済(わた)る。其(そ)の尾を濡らす。利するところなし。
物は窮まるべからざるなり。故にこれを受くるに未済(びせい)をもってしてここに終る。

変卦の現代語訳

未済卦。亨る。小狐、殆んど渡らんとして、その尾を濡らす。征くところ利なし。『象辞』に曰く:本卦の上卦は離で、離は火。下卦は坎で、坎は水。火が水の上にあり、水が火を克すことができないのが未済卦の象である。君子はこの卦象を観て、水火が位置を異にして相克しないことに感じ入り、慎重な態度をもって事物の性質を見極め、それぞれの居所を正す。

邵雍の解釈

助けを得られず、時を待って動くべきである。小より大へ至るものであり、焦って進んではならない。小凶:この卦を得る者は、運勢が通ぜず、諸事思い通りにならない。小より始めて大に進み、着実に進取し、辛抱強く難関を突破すれば、最終的には成功する。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坎上離)が重なったものである。離は火、坎は水。火が上にあり水が下にあるため、火の勢いが水の勢いを圧倒し、消火の大功がまだ成就していない。ゆえに未済と称する。『周易』は乾坤の二卦をもって始まり、既済・未済の二卦をもって終わるが、これは変化と発展の思想を十分に反映している。

五六

本卦と変卦

六親納甲山水蒙六親納甲風水渙
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄父母Xin Mao 辛卯▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄  × →兄弟Xin Si 辛巳▄▄▄▄▄▄▄  世
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世子孫Xin Wei 辛未▄▄           ▄▄
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄  応
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

六五
童蒙、吉なり。

爻辞の現代語訳

六五:山木を伐採して吉。『象辞』にいう:幼く蒙昧な者が吉を得るのは、柔順にして従うからです。

邵雍の解釈

吉。この爻を得た者は、貴人や良師に付き従うことで万事が順調に進み、望むことを成し遂げられます。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 功名は未だ成りませんが、良師を得れば吉となります。
  • 財運: 独立することは難しく、人の助けを借りて経営する必要があります。
  • 家宅: 幼少期に婚約が定まります。
  • 健康: 人の指導に従って心身を鍛えるのがよいでしょう。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 五の互卦は『坤』であり、辰は未にあり、井宿に当たります。弧矢の九星は井宿の東南にあり、反乱を討つことを司ります。また東は子孫の星であり、「童蒙」と呼ばれます。これは子弟を率いて従軍することであり、ゆえに吉です。
  • 商業: 五は卦の主であり、爻に「童蒙」とあるのは、店の主がまだ年少であることを示しています。五は二に応じており、正義(古典の解釈)に「物を委ねるに能を以てす」とあるのは、物事を能力のある人に委ねることであり、これは二に委ねることを言います。五爻の主は自ら年少であることを知り、二爻に従ってこれを支配人とするため、「童蒙にして吉」と言います。
  • 功名: 年齢は「童蒙」にあり、功は未だ成らず名も未だ遂げていませんが、ただ二爻の師の教えに素直に従うことができれば、その成就は計り知れません。ゆえに「吉」と言います。
  • 婚姻: 『蒙』の上体は艮であり、艮は少男(若い男の子)です。これによって幼年期に婚姻が定まることを示しており、ゆえに「童蒙にして吉」と言います。
  • 妊娠: 男児が生まれます。

変卦原文

渙(かん)は、亨(とお)る。王有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。貞(ただ)しきに利あり。
兌とは説ぶなり。説びて後にこれを散らす。故にこれを受くるに渙(かん)をもってす。

変卦の現代語訳

渙卦。亨(通)る。王、宗廟に仮(いた)り、災いを祓い福を祈るためである。大川を渡るに利あり。これは吉なる貞卜である。『象辞』に曰く、本卦の上卦は巽(風)、下卦は坎(水)である。風が水の上を行くのが、渙の卦象である。先王はこの卦象を観て、天帝を祭り、宗廟を建て、天を尊び祖先に孝を尽くす「徳教」を推し進めた。

邵雍の解釈

離散や解消、災害の霧散。機に乗じて変化を観、威を養い鋭気を蓄える。小吉:この卦を得る者は、初めは順調にいかないが、最終的には困難を脱する。万事において慎重であれば百事亨る。我が儘や放縦は忌むべきである。

伝統的解卦

この卦は異卦(下が坎、上が巽)が重なり合う。風が水の上を行き、波を立てて四方に溢れ流れる。渙は、水が流れ散る意味。組織や人心の弛緩・散乱を象徴し、積極的な手段と方法によって克服し、弊害を打破して、危機を安泰へと変えなければならない。

上九

本卦と変卦

六親納甲山水蒙六親納甲地水師
父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄  ○ →父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応
官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世
子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

上九
蒙を撃つ。寇(あだ)をなすに利あらず、寇を禦(ふせ)ぐに利あり。

爻辞の現代語訳

上九:草を刈り木を伐る。占ってこの爻を得た場合、自ら盗賊となるには不利ですが、盗賊を防ぐには利があります。『象辞』にいう:盗賊を防ぐに利があるとは、上九の陽爻が一卦の首(最上位)に居り、臣下が従い擁護していることを示しています。盗賊を防ぐ行動は多くの人々の支持を得るため、必ず勝利します。

邵雍の解釈

平。この爻を得た者は、現状を維持すべきであり、争いごとや訴訟、盗賊の災いに厳重に警戒する必要があります。官職にある者は、司法を司る職に就くことがあります。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 守るのが良く、攻めるのは良くありません。他人と和睦することが肝要です。
  • 財運: 順当に取引を進めるのが良く、売買は互いに調和します。
  • 家宅: 婦人の道は従順であることを尊び、家庭は平和に保たれます。
  • 健康: 養生に努めるのが良いでしょう。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 上辰は戌に在り、上は奎に値(当)たる。奎は庫兵を主り、禁じて時に違わず。故に「寇(あだ)を防ぐに利あり」と言う。
  • 商業: 商売の道は、利用することに尽き、また順に従って取ることを貴ぶ。逆にして取るのは「寇(賊)」であり、順に従って取るのは「寇を防ぐ」ことである。「上下」とは売り手と買い手の両家であり、売買が調和すれば上下が順う。吉。
  • 婚姻: 「撃蒙」は、馬融・鄭玄の説では「繋蒙」とされ、月下氷人が紅い糸で足を繋ぐ(良縁を結ぶ)意に合致する。『屯』卦に二度「寇に匪ず、婚媾なり」とあるのは、良き配偶者は婚姻となり、怨むべき配偶者は仇となることを言う。寇を防ぐに利あれば、必ずや良き配偶者となる。婦人の道は順を貴ぶ。『象』に「上下順うなり」とあるのは、必ずや家内が平和であることを示す。吉。
  • 妊娠: 男児出産。この男児の幼少期は、必ず厳しく教育すべきである。

変卦原文

師は貞(てい)。丈人(じょうじん)なれば、吉、咎(とが)なし。
訟えには必ず衆の起(おこ)るある。故にこれを受くるに師(し)をもってす。

変卦の現代語訳

師卦。総指揮官の軍情を占うに、災いなし。『象辞』に曰く:下卦は坎、坎は水;上卦は坤、坤は地であり、「地中に水有り」の象、これが師卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、江河を容れる大地に法り、大衆を収容し育成する。

邵雍の解釈

労働を憂い衆を集め、変化は窮まりなし。公正無私にして、万難を排す。小凶:この卦を得る者は、困難重々にして心労多く衆を労す。他者を包容し、艱難辛苦に耐えて努力し、一切の困難を取り除くべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坎上坤)が重なる。「師」は軍隊を指す。坎は水、険であり;坤は地、順であり、兵を農に寓するをたとえる。兵は凶にして戦は危うし。用兵は聖人の已むを得ざる行為なるも、情勢に順い、師出づるに名分あるが故に、矛盾を円滑に解決し、凶を転じて吉となす。


三・卦例

このサイトの易経占いツールで卦を立て、この卦を実例の中で確認できます。梅花心易や小六壬も利用できます。

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