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易経 · No.07 · 地水師

地水師(第7卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

本卦

六親納甲地水師
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

本卦原文

師は貞(てい)。丈人(じょうじん)なれば、吉、咎(とが)なし。
訟えには必ず衆の起(おこ)るある。故にこれを受くるに師(し)をもってす。

本卦の現代語訳

師卦。総指揮官の軍情を占うに、災いなし。『象辞』に曰く:下卦は坎、坎は水;上卦は坤、坤は地であり、「地中に水有り」の象、これが師卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、江河を容れる大地に法り、大衆を収容し育成する。

邵雍の解釈

労働を憂い衆を集め、変化は窮まりなし。公正無私にして、万難を排す。小凶:この卦を得る者は、困難重々にして心労多く衆を労す。他者を包容し、艱難辛苦に耐えて努力し、一切の困難を取り除くべし。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 人を包容し、修行して時を待つ。
  • 財運: 財あり庫あり、自ら善く珍惜すべし。
  • 家宅: 旧知との婚姻、慶賀すべし。
  • 健康: 腹脹の症、気を調えれば憂いなし。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 卦名は『師』であり、爻の義は甚だ明白なり。各爻に就いて推究すれば、吉凶は自ずから験あり。
  • 商業: 『坤』は財であり聚なり、『坎』は人であり納なり、自ずから容保の量あり。坎水地中に在りて、地に包容されるが如し。財源は水の如く流れ、息むことなし。営商の富を知るべし。吉。
  • 功名: 水地中に在るは、なお士の伏処して未だ顕達せざるがごとし。しかしてその徳量、自ずから民物を包容す。一たび進用されれば、水の海に朝宗するが如く、布き施すこと甚だ広し。「君子」とは、徳あり位ある者の称なり。吉。
  • 婚姻: 『坤』『坎』互いに用いるを按ずるに、地水相親しむ。これ必ず旧知との婚姻なり。大吉。
  • 病気: これ必ず水満腹脹の症なり。『坎』は心であり憂いなり。心を息め気を調え、憂いを解いて楽しむべし、自ずから癒ゆ。
  • 妊娠: 男児誕生。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坎上坤)が重なる。「師」は軍隊を指す。坎は水、険であり;坤は地、順であり、兵を農に寓するをたとえる。兵は凶にして戦は危うし。用兵は聖人の已むを得ざる行為なるも、情勢に順い、師出づるに名分あるが故に、矛盾を円滑に解決し、凶を転じて吉となす。

  • 大象: 兵を養い衆を集め、師を出して攻伐するの象。互いに傷つき、安寧を得がたし。
  • 運勢: 困難重々なり。万事正規の手続きで行うべし。独断専行や投機的行動を忌み、潜在的な敵を警戒せよ。
  • 事業: 阻力極めて大きく、困難多し。激しい競争状態にあり、他者と密接に協力し、慎重かつ果断に行動すべし。盲目的な妄動を避け、適度にとどめ、自己保全を図れ。機宜に適い、自らを厳しく律す。従容と沈着に一切に対処すれば、必ず成功す。
  • 商売: 一定の蓄えあり、大口の営業活動に携わるも可なるが、激しい商戦に巻き込まれる。剛毅不屈の精神と高潔な商業道徳を以て、柔軟な方法を補い、小利を貪らず、油断せず、他者との意思疎通を強化すれば、必ず窮地を脱して危うきを安きに変ず。
  • 名声: 優れた条件を備えるも、正しい指導を要す。必ず自己を厳しく律し、不利な因子の妨害を克服し、着実な努力を経て、必ずや名利双全を得ん。
  • 婚姻: 慎重かつ専一たれ。さもなくば「三角関係」の紛争に陥る。一途な追求により目的を達することを得ん。
  • 判断: 天資聡明、性格は柔軟、強固な意志を持ち、事業を執着して追求し、困難を迎えて進む。大業を成すべし。競争を好み、弁を尊び、冒険精神に富むも、免れずトラブルをもたらす。老成持重に努め、功を貪らず、中正を要とせよ。

二・爻辞

初六

本卦と変卦

六親納甲地水師六親納甲地沢臨
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  × →父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

初六
師(いくさ)出(い)ずるに律を以てす。臧(よ)からざれば凶。

爻辞の現代語訳

初六:軍を整えて出戦するのは規律がすべてであり、規律に従わなければ凶険を招く。《象辞》に曰く:軍を整えて出戦するのは規律がすべてであり、規律の縛りを失えば凶険をもたらす。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、経営が適切であれば財貨が日に日に増します。しかし妄動する者は、成功が少なく失敗が多いです。素行の良くない者は、多くの険難や刑傷があります。官にある者は慎んで正道を固守すれば、上司に評価されるでしょう。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 人の道に外れて求めれば、最後には恥をかくことになります。
  • 財運: 海運業務は、義に合致していれば吉です。
  • 家宅: 法をもって家を治めるべきであり、さもなければ必ず凶となります。
  • 健康: 悪寒が多く発熱は少ない状態です。早めに治療すべきです。

高島吞象の解釈

  • 功名: 初爻は、世に出たばかりで名を求める段階です。「出師するに律を以てす」るのを正とし、士が道を重んじるようなものです。その道を失えば、栄えても最後には辱めを受け、凶となります。
  • 商業: 初爻は新しく興した事業であることを示します。水が地中にあることは、海運や商業を意味します。要するに、義に基づいて利益を図れば吉であり、義を失えば凶となります。
  • 家宅: 《師》の卦は内が《坎》、外が《坤》であり、この邸宅は必ず子山丑兼、午向未向きです。宅内の人口が最も多いです。出師に律があるとは、家を治めるのにも法をもってすべきであることを言います。否は不(~でない)であり、善を減じることです。家をうまく治められなければ、家道は必ず凶となります。
  • 病気: 《師》の卦は一陽五陰であり、必ず寒が多く熱が少ない状態です。病の初期段階なので、速やかに良医を招いて治療すべきであり、さもなければ凶となります。

変卦原文

臨は、元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。八月に至りて凶あり。
蠱とは事なり。事ありて後に大なるべし。故にこれを受くるに臨(りん)をもってす。

変卦の現代語訳

臨卦。元亨利貞(大いに通りて正しきに利あり)。八月に至れば凶なることあらん。《象辞》に曰く:本卦の下卦は兌(沢)であり、上卦は坤(地)である。地が沢を見下ろし、沢が地に抱かれているのが臨の卦象である。君子はこの卦象を観て、天下に君臨し、万民を教化し、深い思いやりをもって万民を包容し、その徳行と功業は限りないものとなる。

邵雍の解釈

上が下を臨み、互いに助け合う。安居にあっても危うきを思い、常に慎み戒める。吉:この卦を得る者は、好運が訪れ、諸事意のままになり、人間関係も調和する。ただし、急進しすぎることは避けるべきである。

伝統的解卦

この卦は異卦(下兌上坤)が重なったものである。坤は地、兌は沢であり、地は沢より高く、沢は地に容れられる。君主が天下に親臨し、国を治め民を安んじ、上下が融和することを例えている。

二九

本卦と変卦

六親納甲地水師六親納甲坤為地
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  世
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  応
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄  ○ →父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄

爻辞原文

九二
師中(しちゅう)にあり。吉にして咎(とが)なし。王三たび命(めい)を錫(たま)う。

爻辞の現代語訳

九二:主帥が軍の中にあって指揮を執れば、吉にして災いなし。天子から三度にわたり褒賞の命令が下る。《象辞》に曰く:主帥が軍の中にあって指揮を執れば吉であるとは、天の寵愛を得ているからである。天子から三度にわたり褒賞の命令が下るとは、主帥が万国を懐柔し帰順させることができるからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得た者は、貴人に遭遇し、計画している事が成就します。官にある者は上司に認められ、昇進の機会があります。学問をする者は優秀な成績を収めます。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 傑出した人材であり、大いに高く評価されます。
  • 財運: 策略が群を抜いており、リーダーシップによって利益を得ます。
  • 家宅: 近隣から重んじられ、婚姻は吉祥です。
  • 健康: 気血が流れれば、病気はすぐに和らぎます。

高島吞象の解釈

  • 功名: 九二は一陽で五陰を統率し、爻に「師中に在りて吉」とあるのは、群鶏の一鶴であり、傑出した才能のことです。「王三たび命を賜う」とは、能力によって爵位を授けられ、王命を厳かに受けることを言います。
  • 商業: 九二は一卦の主であり、必ずその人の計略が衆より優れています。ビジネスにおいては老練で達達していると称され、商社の長に推挙される人物です。吉。
  • 家宅: 「師中に在りて吉」とあるのは、その家が必ず一郷の巨富であり、すなわち一郷の善士であることを意味します。
  • 婚姻: 九二が変ずると《坤》になります。坤は地の道であり、妻の道です。水と土の性質が相合するため吉です。
  • 病気: 水気が中宮に滞っている状態です。必ず水気を流動させ、中焦をのびのびと緩めれば、病は害になりません。吉。
  • 妊娠: 男児が生まれます。

変卦原文

坤は元(おお)いに亨る。牝馬の貞(てい)に利あり。君子往くところあり。先んずれば迷い、後るれば主を得て、利あり。西南に朋(とも)を得、東北には朋を喪(うしな)う。貞に安んずれば吉なり。
天地ありて然る後に万物生ず。

変卦の現代語訳

元吉にして利あり。牝馬の貞に利あり。君子行くところあれば、先んずれば迷い、後るれば主を得て利あり。西南に友を得、東北に友を失う。貞に安んずれば吉。《象辞》に曰く:地勢は坤なり。君子もって厚徳にして物を載す。

邵雍の解釈

柔順で穏やか、万物を厚く載せる功徳。静かに安順を守り、妄動すれば損を招く。吉:この卦を得た者は、運勢に順従し、静を以て動を制するのがよい。単独で事を図るべきではなく、他人に従い、協力して事に当たれば、大業を成し遂げることができる。

伝統的解卦

この卦は同じ卦(下坤上坤)が重なり合ったもので、陰性に属する。地(乾卦と対照的)を象徴し、天に従う。万物をのせ、無限に広がる。坤卦は牝馬を象徴とし、地の道が万物を生み育て、天に従って時に順じ、その性質が温順であることを示す。「先に迷い、後に得る」ことで、坤が乾に従い、乾に付き随うことによって、初めて正しい方向を把握し、正道を守り、吉を得られることを証明している。

三六

本卦と変卦

六親納甲地水師六親納甲地風升
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応官鬼Gui You 癸酉▄▄           ▄▄
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄父母Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄妻財Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄  世
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世 × →官鬼Xin You 辛酉▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄父母Xin Hai 辛亥▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄妻財Xin Chou 辛丑▄▄           ▄▄  応

爻辞原文

六三
師(いくさ)或いは尸(かばね)を輿(にな)う。凶なり。

爻辞の現代語訳

六三:軍が出征して、死体を載せて帰る者がある。これは凶険の兆しである。《象辞》に曰く:軍が出征して死体を載せて帰るとは、前線で敗戦したということである。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、悲しみや憂いが多く、または家中の親族が病死します。官にある者は、職を解かれ欠員を待つことになります。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 徳がないのに地位があり、凶を免れることは困難です。
  • 財運: 物品が消耗し財産を失い、この上なく凶険です。
  • 家宅: 安寧が得られません。慎重に行動することを第一としてください。
  • 健康: 帰天する(亡くなる)可能性があります。

高島吞象の解釈

  • 商業: 《坎》は輿(乗り物・車)であり、輿は貨物を載せるためのものです。《坎》にはまた陥る、壊れるという意味もあり、輿が険阻な場所に遭遇すれば、輿は壊れて貨物は覆ってしまいます。人が死ぬのを「尸(しかばね)」と言うのは、車が壊れて積載物が失われるようなものです。「或」とは未定の言葉であり、「大無功」とは大いに利を失うことです。行商が必ずしもこの凶険に遭遇するとは限りませんが、この凶険を防がないわけにはいきません。爻象はこのように戒めています。
  • 功名: 「君子得輿」の「得」は「徳」であり、輿は徳を載せて進むものです。君子とは徳と地位を兼ね備えた者の称です。あるいは、「輿尸(屍を載せる)」とは徳がなく屍のようにその位に座している者(尸位素餐)を指すため、凶であるとも言われます。
  • 家宅: 陰陽家は「堪輿(かんよ)」と称し、「堪」は天、「輿」は地を意味します。「輿尸」とは地(輿)に屍の気があることであり、どうして凶とならないことがありましょうか。
  • 婚姻: 三爻は《坎》の終わりに位置し、乾の気を得ています。《乾》の下に《巽》が載ると《小畜》となり、《小畜》の三爻には「輿脱輻、夫妻反目(車の車輪のスポークが外れ、夫婦が反目する)」とあり、《象》に「不能正室(室を正しくすることができない)」とあることから、その凶は明らかです。
  • 妊娠: 男児が生まれるとしても、凶です。

変卦原文

升(しょう)は、元(おお)いに亨(とお)る。用(もっ)て大人を見る。恤(うれ)うるなかれ。南征して吉。
萃(すい)とは聚なり。聚りて上るものはこれを升(のぼ)ると謂う。故にこれを受くるに升(しょう)をもってす。

変卦の現代語訳

升卦。非常に通りがよく、王公貴族に見えるに利あり、憂うることなかれ。この爻を占えば、南方に征伐して吉。《象辞》に曰く:本卦の外卦は坤、坤は地なり;内卦は巽、巽は木なり。木が地中に植わっているのが、升卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、徳義に従い、修養を積み、微細なるより歩みを起こし、一歩一歩高尚な品徳を育むのである。

邵雍の解釈

上昇して進み、その志を伸び伸びと行う。暗きを出て明きに向かい、徐々に昇進する。吉:この卦を得る者は、運気が上昇し、諸事すべて積極的に向上発展し、計りごとは成就し、名利ともに手に入る。

伝統的解卦

この卦は異卦が重なり合ったもの(下巽上坤)。坤は地であり、順なり;巽は木であり、遜(へりくだる)なり。大地が樹木を育て、段階的に成長し、日増しに大きく高く育って材木となることから、事業が着実に上昇し、前途が極めて遠大であることを例えて「升」と名付けられた。

四六

本卦と変卦

六親納甲地水師六親納甲雷水解
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応妻財Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄官鬼Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  応
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄  × →子孫Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世子孫Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄妻財Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄  世
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄兄弟Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

六四
師(いくさ)左りに次(やど)る。咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

六四:軍が左に駐屯する。災いなし。《象辞》に言う:軍が左に駐屯して災いがないのは、軍の駐屯が左か右かは地理的環境や敵我の情勢によって決定されるべきものであり、行軍の常道に背いていないからである。

邵雍の解釈

平。この爻を得た者は、安居楽業し、妄動による災いはありません。官職にある者は官運が振るわず、妄想を抱くべきではありません。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 官運が振るわず、妄想を抱くべきではありません。
  • 財運: 二流の貨物(次級品)であれば、まだ利益を上げることができます。
  • 家宅: 東に近く、南西に向かうのが吉です。婿入りすれば咎なし。
  • 健康: 春の気が来れば、疾病は快復します。

高島吞象の解釈

  • 家宅: 四爻は《坎》を出て《坤》を経ます。《坤》は南西であり、この邸宅は必ず南西を向いています。吉事は左を尊び、この邸宅は東(青龍が喜びを司る)に近接しているため、吉にして咎なしとなります。
  • 功名: およそ官職が下がることを「左」と称し、いわゆる「左遷」がこれに当たります。「左次(左に退いて駐屯する)」とあるのは、不吉です。
  • 商業: 高(上)に対して左(下)があり、「次(二流)」もまた下を意味します。この爻を占う場合、その貨財が決して高級品ではないことを知るべきです。しかし、品物は劣ってもなお利益を得ることができるため、「未失常也(常を失わざるなり)」と言います。
  • 婚姻: 男は右を尊び、女は左を尊びます。爻に「左次」とあるのは、女家に婿入りすることでしょうか。しかし、婿入りであっても咎はありません。
  • 病気: 春は左に生ずるとされ、その生気を得るため、病気は必ず平癒して咎なしとなります。
  • 妊娠: 女児が生まれます。

変卦原文

解は、西南に利あり、往くところなければ其(そ)れ来(きた)り復(かえ)って吉なり。往くところあれば、夙(はや)くして吉なり。
蹇とは難なり。物もって難に終るべからず。故にこれを受くるに解(かい)をもってす。

変卦の現代語訳

解の卦。西南に進むに利あり。ただし、もし行くべき目的地がないのであれば、引き返すのが吉である。もし行くべき目的地があるならば、速やかに行動するのが吉である。《象辞》に曰く:本卦の上卦は震であり、震は雷を表す。下卦は坎であり、坎は雨を表す。雷雨が共に起こり、万物を化育するのが解の卦象である。君子はこの卦象を観て、過失を赦し、罪人を寛大に許すのである。

邵雍の解釈

困難が解消し、紛争が解決する。時機を捉えて速やかに行動せよ。吉:この卦を得る者は、これまでの困難から解脱でき、良き好機を捉えて事業を求め、遠方へ出て仕事を求めるのがなお良い。

伝統的解卦

この卦は二つの卦(下坎・上震)が重なり合っている。震は雷、動きを表し、坎は水、険難を表す。険難が内にあり、動きが外にある。厳しい冬に天地が閉塞し、静極まって動く。万象が更新され、冬が去って春が訪れ、すべてが解消される、これが「解」である。

五六

本卦と変卦

六親納甲地水師六親納甲坎為水
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応兄弟Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  世
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  × →官鬼Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄父母Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  応
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

六五
田(かり)して禽(えもの)あり。執言(しつげん)に利あり。咎(とが)なし。長子(ちょうし)師(いくさ)を帥(ひき)ゆ。弟子(ていし)尸(かばね)を輿(にな)う。貞(てい)なるも凶。

爻辞の現代語訳

六五:田猟して獲物(禽)を得る。言葉(言)を執れば、咎なし。長子が軍を率い、弟子(次子)が屍を載せて帰る(戦死する)ようであれば、貞にして凶なり。《象辞》に言う:長子に軍を率いさせるのは、正道をもって行わせるためである。弟子が屍を載せて帰るのは、使役の仕方が不適当だからである。

邵雍の解釈

平。この爻を得た者は、富が日々増します。用人が適当であれば望みは叶いますが、小人の危険を厳重に防ぐ必要があります。官職にある者は実権を得るか、あるいは諫言によって地位が高まります。学問をする者は優秀な成績を収めます。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 徳が才能に勝っていれば吉、そうでなければ凶険です。
  • 財運: 老成して練達していれば、利益を得ることができます。
  • 家宅: 長子に利あり。仲人が入って婚姻がまとまります。
  • 健康: ランニングなどで体を鍛えると良いでしょう。

高島吞象の解釈

  • 商業: 爻に「田有禽(田に獲物あり)」とあるのは、農民に穀物があり、商人に利益があるようなものです。「執言」とは、契約や誓約の書面を指します。商売においては、すべて老成し練達した者を主とすべきであり、そうすれば利があり、そうでなければ凶となります。
  • 家宅: この邸宅は新しく契約して購入されたものと思われます。長房(本家・長男)には利がありますが、他の子らには不利です。
  • 功名: その人の才能が元来際立っており、一朝に十の獲物を得るほどの技術があることを示しますが、要はその徳が他者より優れているかどうかにあります。もし徳が物に劣るならば、正しくあっても凶となります。
  • 婚姻: 「有禽」とは婚礼の結納(奠雁の儀)を意味し、「執言」とは仲人の書状(媒的の書)を意味します。約束される婚姻は、長男と長女であれば吉となります。
  • 妊娠: 男児が生まれます。《震》の長男です。

変卦原文

習坎(しゅうかん)は、孚(まこと)あり。維(こ)れ心亨(とお)る。行けば尚(たっと)ぶことあり。
物もって過ぐるに終るべからず。故にこれを受くるに坎(かん)をもってす。

変卦の現代語訳

習坎。孚ありて、心亨る。行けば崇ばるるあり。『象辞』に曰く:水は重ね至るは、習坎なり。君子以て徳行を常とし、教事を行う。

邵雍の解釈

困難と危険、重なる険難に陥る。物事に阻害が多く、慎重に行動すべき。凶:この卦を得る者は、運気が優れず、多難で危険が多く、物事が滞りやすい。言葉と行動を慎み、退守して身を保つのがよい。

伝統的解卦

この卦は同卦(下坎上坎)が相重なる。坎は水であり、険であり、二つの坎が重なることで険の上に険が加わり、険阻重々なり。一陽が二陰に陥る。幸いにも陰虚陽実にして、誠信あれば豁然として貫通す。険難重々といえども、まさに人性の光彩を顕すべし。

上六

本卦と変卦

六親納甲地水師六親納甲山水蒙
父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応 × →父母Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄官鬼Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄子孫Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世
妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世兄弟Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄
官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄子孫Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄父母Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄  応

爻辞原文

上六
大君(たいくん)命(めい)あり。国を開き家を承(う)く。小人は用うるなかれ。

爻辞の現代語訳

上六:大君に命あり。国を開き家を承く。小人を用いるなかれ。《象辞》に言う:大君に命があるとは、功績を正しく評価することである。小人を用いるなかれとは、小人が必ず国を覆し国を乱すからである。

邵雍の解釈

平。この爻を得た者は、家計を立てるか、あるいは家業を継ぐことができますが、小人がその中で邪魔をするのを防ぐ必要があります。官職にある者は権力を握り功績を立てます。専門職の人は、技術によって名を成します。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 功を論じて賞を与えるべきであり、小人を用いてはなりません。
  • 財運: 富によって貴くなりますが、小人を防ぐ必要があります。
  • 家宅: 家道が興隆します。貴人が仲人となります。
  • 健康: 正常な運動。

高島吞象の解釈

  • 家宅: 爻に「大君命あり、国を開き家を承ぐ」とあり、この家が必ずや名門巨族であることが分かります。「小人は用いるなかれ」とは、その子孫への戒めです。
  • 商業: 上六の辰は巳にあり、《巽》の気を得ています。《巽》は商であり、「市に近ければ利三倍す」とあるように、この家は必ずや商業によって興るでしょう。《巽》はまた命でもあり、爻に「大君命あり」とあるため、富によって貴きに至り、家道は日々に隆盛します。しかし富によって驕りが生じ、小人に親しむことは戒めるべきです。
  • 功名: 上六は卦の終わりに位置し、功を論じて賞を与える時に当たり、まさに功名が顕著であることを示します。《震》の長男にあれば、自ずから家を治めることができますが、《坎》の中男は用いるべきではないため、「小人は用いるなかれ」と言います。
  • 婚姻: 《師》の三から六までは《坤》であり、《坤》は妻の道です。爻に「国を開き家を承ぐ」とあり、両家ともに名門巨族です。「大君命あり」とあり、仲人は必ずや貴人です。吉。
  • 妊娠: 男児誕生。主貴。

変卦原文

蒙は、亨る。我童蒙(どうもう)を求むるにあらず。童蒙来りて我に求む。初筮(しょぜい)は告ぐ。再三すれば瀆(けが)る。瀆るれば告げず。貞(ただ)しきに利あり。
物生ずれば必ず蒙(もう)なり。故にこれを受くるに蒙をもってす。蒙とは蒙(おろ)かなり。物のおさなきなり。

変卦の現代語訳

蒙卦。通泰。我から幼稚で愚昧な者に求めるのではなく、幼稚で愚昧な者が我に求めるのである。最初の占筮には、神霊はこれに告げる。軽慢で不敬に再三占えば、軽慢で不敬な占いには、神霊は告げない。しかし、なお吉なる占問である。『象辞』に曰く、上卦は艮で山を象徴し、下卦は坎で泉を象徴する。山の下に泉があり、泉水が湧き出る、これが蒙卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、一往無前の山泉に倣い、果敢で堅毅な行動をもって自らの品徳を養うのである。

邵雍の解釈

智慧が未だ開けず、蒙昧にして閉塞す。躊躇して決断を欠く。小凶:この卦を得る者は、智慧は童蒙の如く、是非を弁ぜず、方向を見失う。もし賢師や良友の教えに従い、その聡明さを啓くことができれば、亨通す。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坎上艮)が重なり合う。艮は山のイメージであり、止まることを諭す。坎は水のイメージであり、険しさを諭す。卦形は山の下に険難があり、なお進むことを止めないため、蒙昧とされ、故に蒙卦と称する。しかし、時機を捉え、行動が時宜に適うため、啓蒙と通達の卦象を具えている。


三・卦例

このサイトの易経占いツールで卦を立て、この卦を実例の中で確認できます。梅花心易小六壬も利用できます。

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