易経文字数 9618読了時間25

易経 · No.08 · 水地比

水地比(第8卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

本卦

六親納甲水地比
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄

本卦原文

比は吉。原筮(げんぜい)するに元永(げんえい)貞(てい)にして、咎(とが)なし。寧(やす)からざるものまさに来る。後夫(こうふ)は凶。
師とは衆なり。衆なれば必ず比(した)しむところあり。故にこれを受くるに比(ひ)をもってす。

本卦の現代語訳

比の卦。吉利。同時に再び卜筮するも、なお大吉大利なり。長期の吉凶を卜問するに、また災禍なし。臣服せざる邦国も来朝し、遅れて来る者は難あり。《象辞》に曰く:下卦は坤、上卦は坎、坤は地、坎は水、地に水有るは比なり。先王はこの卦象を観て、水の地に附し、地の江河を納むるに法(のっと)り、万国を封建し、諸侯に親しむ。

邵雍の解釈

水が地の上を行き、親比して和楽す。人情は親しみ順(したが)い、百事憂いなし。吉:この卦を得る者は、朋友の助け、衆人の力を得て、事を謀りて成るを得、栄顕の極みに達す。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 衆人相賀し、栄顕の極みなり。
  • 財運: 善人相扶け、大いに利市を発す。
  • 家宅: 百年好合なり。
  • 健康: 心腹の水腫あり、早く治療を求めるべし。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 爻象を玩味するに、その軍威の盛んなるは、水が下に向かうが如く、沛然として御しがたき勢いあり。一戦して平定せば、即ち土地を分かちて封じ、屏藩を建立すべし。
  • 商業: 水が地上に在れば通ぜざる所なし、営商もまた流通をもって利とす。《比》は親比なり、親比の人を得て共に事をなせば、営商は永遠に垂(つた)うべし。
  • 功名: 国を建て侯を封ずるは、士の栄顕の極品なり。《比》は《師》に反す。《師》の上六に「大君命あり、国を開き家を承ぐ」とあるは、これを謂うなり。
  • 家宅: この宅は必ずや低窪で水に近く、また貴人の宅に比近す。宅基は大吉なり。
  • 婚姻: 《比》は比好なり。地と水は、本来相親比す。婚を占ってこれを得れば、必ずや百年好合を卜し、かつ貴を主(つかさど)る。
  • 病気: 坤は地であり、また腹でもある。《坎》は水であり、また心でもある。恐らくは心腹水腫の症ならん。諸侯が国を治めるは、なお医が病を治すごとし、近くに求めて治療すべし。吉。
  • 妊娠: 女児が生まれる。貴を主る。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坤上坎)が重なり、坤は地、坎は水。水は大地に附し、地は河海を納め、相互に依存して親密無間なり。この卦は師卦と完全に相反し、互いに綜卦となる。相親しみ相助け、寛大無私にして精誠団結するの道理を明らかにする。

  • 大象: 一陽が五陰を統べ、比隣相親しみ相扶く、和楽の象なり。
  • 運勢: 平順にして貴人の提抜を得るべし。万事速戦即決が宜しく、過度に遅疑すべからず。
  • 事業: 順調に成功を得て前進発展す。他人の助力と輔佐を得て、誠実と信頼の態度をもって事を行うべし。人に寛厚かつ正直に接し、能動的・情熱的であり、徳高き人士に学び、建言を聴き入れるべし。
  • 商売: 志望は達成され、比較的厚い利益を得るが、他人と密接に協力し、真摯に交わり、商業道徳を重んじ、信義を守る必要がある。唯利是図(ただ利をのみ図る)で貪欲にすぎ、あるいは自画自賛すれば、深刻な損失を招く。
  • 名声: 成功の希望あり。個人の努力に頼るのみならず、より重要なのは他人の賞識と栽培(引き立て)である。
  • 婚姻: 素晴らしい縁に恵まれ、愛し合い、互いに忠実で、白頭偕老(共に白髪になるまで添い遂げること)となるでしょう。
  • 判断: 心が優しく、人に対して忠実で温厚であり、進んで人を助けるため、自らも報いを得られます。勤勉に働き、自分に厳しくすることで理想を実現できますが、頭を使い、よく思考し、是非を判断する力を養う必要があります。特に友人選びには注意が必要で、もし品行の悪い者と交われば禍いとなります。自分より優れた人物と友人になり、助けを得ることができれば、生涯の益となるでしょう。

二・爻辞

初六

本卦と変卦

六親納甲水地比六親納甲水雷屯
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応兄弟Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄官鬼Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄  応
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄父母Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世官鬼Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄子孫Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄  世
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄  × →兄弟Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

初六
孚(まこと)ありてこれに比(ひ)す。咎(とが)なし。孚ありて缶(ほとぎ)に盈(み)つれば、終(つい)に来(きた)りて他の吉あり。

爻辞の現代語訳

初六:捕虜を獲得し、彼らをいたわることで災いはない。捕虜を獲得し、器に満ちた酒食でもてなす。不測の災難があるかもしれないが、最終的には吉となる。《象辞》に曰く、占いにおいて初六に遭うは、不測の災難があるといえども、最終的には吉となる。

邵雍の解釈

吉。この爻を得た者は、知己(理解者)に出会い、計り事が思い通りに進みます。官職にある者は、思いがけない喜びがあるでしょう。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 誠実な交際により、名声が日に日に高まります。
  • 財運: 信用が極めて高く、利益は自然ともたらされます。
  • 家宅: 地域社会は和睦し、婚礼の縁談も調います。
  • 健康: 無事平穏です。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 大禹が有苗を征伐し、干羽(盾と羽の舞)によって心服させた象(かたち)があり、ゆえに「孚(まこと)ありてこれに比す、咎なし」と言います。
  • 商業: 商売においては誠実と信用を第一とすれば、遠近の商客が親しみ集まり、取引が広がり、利益も厚くなります。吉です。
  • 功名: 「孚(まこと)ありてこれに比す」とは、中孚の卦で言う「信、豚魚に及ぶ」を指します。『中孚』九二に「我に好爵あり、吾爾とこれに靡(とも)にせん」とあり、靡は共にするという意味で、私とあなたが親しみ合い、共に栄進することを望むと言っています。ゆえに「これに比する初六、他吉あり」と言います。
  • 婚姻: 爻辞を味わうに、互いに信頼し合い(相孚)、さらに親しみ合う(相比)ことは、親密の極みです。これをもって婚約すれば、吉にして咎なしです。
  • 家宅: 『比』は比隣(隣り合うこと)なり。近い者は信義をもって互いに親密に行き来し、遠い者もその風評を聞いて集まり隣り合うことを願います。ゆえに「終に来たりて他吉あり」と言います。
  • 妊娠: 女の子が生まれます。

変卦原文

屯は元(おお)いに亨る。貞(ただ)しきに利あり。用(もっ)て往くところあるなかれ。侯(きみ)を建つるに利あり。
天地の間に盈(み)つる者はただ万物なり。故にこれを受くるに屯(ちゅん)をもってす。屯とは盈つるなり。屯とは物の始めて生ずるなり。

変卦の現代語訳

屯の卦。大吉大利、吉なる占。出かけるのには不利。国を建てて侯を封じるには有利。《象辞》に言う:屯の上卦は坎、坎は雲であり、下卦は震、震は雷である。雲が上を行き、雷が下に動くのが、屯卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、雲雷を法とし、雲の恩沢と雷の威厳をもって国事を治める。

邵雍の解釈

万物の始生であり、初めは困難である。先労後逸、苦しみが尽きて甘みが来る。凶:この卦を得る者は、困境に身を置き、守るに宜しく進むに宜しからず。大いに苦労して努力し、困難を排除して初めて通達する。初めは難しく後に解ける象がある。

伝統的解卦

この卦は異卦(下震上坎)が重なったもので、震は雷で「動」をたとえ、坎は雨で「険」をたとえる。雷雨が交加し、険象が次々と生じ、環境は悪劣である。「屯」は本来、植物が大地に芽吹くことを指す。万物の始生は、困難と険阻に満ちているが、時に順い運に応じれば、必ずや生き生きと栄える。

二六

本卦と変卦

六親納甲水地比六親納甲坎為水
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応兄弟Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  世
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄官鬼Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄父母Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  応
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄  × →官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

六二
これに比(ひ)すること内よりす。貞(てい)にして吉なり。

爻辞の現代語訳

六二:内部が和睦し団結すること。占えば吉兆を得る。《象辞》に曰く、自ら内よりこれに比する(内部が和睦し団結する)ことは、民心を失わないからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得た者は、貴人の助けを得て、計画や仕事が思い通りに進みます。官職にある者は過失なく、安泰で吉慶を得ます。学問を志す者は名声を成すでしょう。女性であれば、賢良な夫を得られます。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 実力が伴って名声が従い、自然と吉祥が訪れます。
  • 財運: 心を合わせて協力すれば、利益が期待できます。
  • 家宅: 親戚同士がさらに婚姻を重ねて親密さを増す(親上加親)兆しです。
  • 健康: 心平穏に気を和らげれば、病気は癒える。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 兵士と将校が心を一つにし、上下が一体となって戦えば勝てないものはない。ゆえに「これに内自(より)す、貞吉」と言う。
  • 功名: 「内」とは自己のことである。自分に確かな学びがあり、人を深く感化させるに十分であり、いわゆる実至りて名帰す(実力があれば名声は自然と従う)ことである。吉。
  • 商業: 店の仲間たちが互いに気心が合い、自然とあらゆることに順従する。これをもって商売に出れば、人々は皆信服し、利益を得られないことはない。ゆえに《象》に「人の内自(より)するは、自ら失わざるなり」と言う。
  • 病気: 「内」とは心腹(臓腑)を指す。およそ病は常に心平穏に気を和らげるのが良い。内に滞りがなく通じれば、外邪は自然と消滅する。ゆえに吉。
  • 妊娠: 女子を産む。
  • 婚姻: 必ずや内親(親族)と重ねて婚姻を結ぶことになり、吉。

変卦原文

習坎(しゅうかん)は、孚(まこと)あり。維(こ)れ心亨(とお)る。行けば尚(たっと)ぶことあり。
物もって過ぐるに終るべからず。故にこれを受くるに坎(かん)をもってす。

変卦の現代語訳

習坎。孚ありて、心亨る。行けば崇ばるるあり。『象辞』に曰く:水は重ね至るは、習坎なり。君子以て徳行を常とし、教事を行う。

邵雍の解釈

困難と危険、重なる険難に陥る。物事に阻害が多く、慎重に行動すべき。凶:この卦を得る者は、運気が優れず、多難で危険が多く、物事が滞りやすい。言葉と行動を慎み、退守して身を保つのがよい。

伝統的解卦

この卦は同卦(下坎上坎)が相重なる。坎は水であり、険であり、二つの坎が重なることで険の上に険が加わり、険阻重々なり。一陽が二陰に陥る。幸いにも陰虚陽実にして、誠信あれば豁然として貫通す。険難重々といえども、まさに人性の光彩を顕すべし。

三六

本卦と変卦

六親納甲水地比六親納甲水山蹇
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応子孫Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄父母Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄兄弟Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄  世
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世 × →兄弟Bing Shen 丙申▄▄▄▄▄▄▄
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄官鬼Bing Wu 丙午▄▄           ▄▄
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄父母Bing Chen 丙辰▄▄           ▄▄  応

爻辞原文

六三
これに比(ひ)する、人にあらず。

爻辞の現代語訳

六三:良からぬ者たちと結託して悪事を働く。《象辞》に言う:良からぬ者たちと結託して悪事を働くとは、なんと悲しいことではないか。

邵雍の解釈

凶。この爻を得る者は、友人の選択を誤るか、あるいは争い訴訟があり、財を破り刑傷を受ける。官にある者は、同僚との不和による不調に厳重に警戒すべきである。女性の場合は、嫁ぐ相手が良人ではなく、家を破り身を喪う兆しであり、さもなければ争い訴訟となって財を失う。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 交友が正しからず、名声を損なう。
  • 財運: 託す人を誤り、損失は免れ難い。
  • 家宅: 後悔なきよう、結婚には慎重であるべきだ。
  • 健康: 良医に改め求めるべし。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 軍を観るに宦官を任用し、参謀するに佞人の意見を偏聴する。爻辞に言う「これに非人にす」とはこのことであり、どうして敗れずにいられようか。
  • 商業: 商売の盛衰はただその人にあり、日々市場の無頼の輩と交わり、付き合っている。非人を日々親しめ、正人を日々遠ざければ、その業がたちまち破れるだけでなく、その人自身も目も当てられぬ有様となる。
  • 功名: 交わりが正しからず、士品が日々低下し、名声が破裂するだけでなく、災いもまた付き従う。
  • 婚姻: 女は貞潔を尊び、男は才良に倣うのが人倫の正道である。もしその配偶者でなければ、生涯を誤ることになり、なんと痛ましいことか。

変卦原文

蹇は、西南に利あり、東北に利あらず。大人(たいじん)を見るに利あり、貞(ただ)しくして吉。
睽(けい)とは乖(そむ)くなり。乖(そむ)けば必ず難あり。故にこれを受くるに蹇(けん)をもってす。

変卦の現代語訳

蹇卦。これに卜して出会えば、西南に行くに利あり、東北に行くに利あらず。貴族王公に見(まみ)ゆるに利あり、吉祥の兆しを得る。『象辞』に言う:上卦は坎、坎は水なり;下卦は艮、艮は山なり。山石は険しく、水流は曲折する、これが蹇卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、道を行うことの難しさを悟り、それによって自らを反省し、徳行を修める。

邵雍の解釈

足取りが難しく、艱難辛苦す。進退極まり、容認して時を待つ。凶:この卦を得る者は、心身ともに憂い苦しみ、一歩を進めるのも困難である。正道を守るべきであり、妄動してはならない。危険な場所に立ち入る者は災難に遭う。

伝統的解卦

この卦は異卦(下艮上坎)が重なったものです。坎は水、艮は山を表します。山が高く水が深く、困難が重なり、人生の険路に直面して立ち止まることは、明哲保身であり智慧と言えます。蹇は、歩行が困難であることを意味します。

四六

本卦と変卦

六親納甲水地比六親納甲沢地萃
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応父母Ding Wei 丁未▄▄           ▄▄
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ding You 丁酉▄▄▄▄▄▄▄  応
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄  × →子孫Ding Hai 丁亥▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世妻財Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄官鬼Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄  世
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄父母Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄

爻辞原文

六四
外(ほか)これに比(ひ)す、貞吉(ていきち)。

爻辞の現代語訳

六四:外邦と同盟を結んで親善し、占って吉兆を得る。《象辞》に言う:外部が賢明な君主に親しんで付き従うのは、臣下が君上に服従するようなものである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、外出に利があり、知己の力を多く得て、事ごとが順調に進む。官にある者は昇進の喜びがある。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 人に認められ、功名が期待できる。
  • 財運: 貨物が流通し、利益は自然ともたらされる。
  • 家宅: 一家和睦する。他郷にて縁組みが決まり、吉。
  • 健康: 戸外での運動を多くするとよい。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 爻に「外これに比す」とあり、外夷が帰服する象を得る。ゆえに「貞吉」と言う。
  • 商業: 海外での営業を考え、貨物が流通し、遠方であっても居つかないところはない象である。ゆえに「外これに比す、貞吉」と言う。
  • 功名: 四は外に比し五に接する。五は尊位にあり、帝心に留まる象がある。功名の顕赫たるべきことが知られる。
  • 家宅: 二は内卦に居り、四は外卦に居り、ともに「貞吉」と言う。自然と内外が親しみ比し、一家が和睦する。
  • 婚姻: 爻辞を味わうに、他郷にて縁組みをすると思われる。吉。
  • 妊娠: 男子を産む。

変卦原文

萃(すい)は、王有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大人を見るに利あり。亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。大牲(たいせい)を用うるに吉。往くところあるに利あり。
姤(こう)とは遇(ぐう)なり。物相い遇いて後に聚(あつま)る。故にこれを受くるに萃(すい)をもってす。

変卦の現代語訳

萃卦。通達して盛んなるなり。王は宗廟に至りて祭祀を行う。この卦を占うに、貴族や王公に会うに利あり、亨通なり、これは吉なる貞兆なり。大牲(牛)を用いて祭るは極めて吉にして、往くところあるに利あり。『象辞』に曰く:本卦の上卦は兌、兌は沢となり、下卦は坤、坤は地となる。沢の水が地に溢れるは萃の卦象なり。君子はこの卦象を観て、洪水が横溢し禍乱が集まることを戒め、もって兵器を修め、不測の事態に備える。

邵雍の解釈

物産が豊富で、豊かに集まる。目上の引き立てを得て、何事もうまくいかないことはない。吉:この卦を得る者は運気が絶好調であり、貴人の助けを得て厚い利益を上げ、万事順調である。

伝統的解卦

この卦は異卦が重なり合ったものです(下坤上兌)。坤は地であり、順。兌は沢であり、水。沢が氾濫して大地を埋め尽くし、人が多く集まって互いに争うため、危機が至る所に潜んでいます。必ず天に従い賢人を任用し、未雨の備え(事前準備)をし、しなやかで和悦をもって接すれば、互いに相乗効果を生み、安らかに暮らして生業を楽しむことができます。萃は、集まること、団結することを意味します。

五九

本卦と変卦

六親納甲水地比六親納甲坤為地
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  世
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄  ○ →妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  応
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄

爻辞原文

九五
比を顕(あき)らかにす。王用(も)って三駆(さんく)して前禽(ぜんきん)を失す。邑人(ゆうじん)誡(いまし)めず。吉。

爻辞の現代語訳

九五:あまねく和合する。君王は三方から包囲する「三駆の礼」をもって狩りをし、一方を開けて逃げ去る獲物は追わない。領民は君王の狩猟に驚き恐れることはない。占ってこの爻に遭えば吉。《象辞》に言う:あまねく和合するとは吉である。九五の爻が上卦の中位にあり、人が中正の道を守るようだからである。前へ走り去るものは逃がし、向かってくるものを獲る、これが「前禽を失う」の理由である。領民が君王の狩猟に驚き恐れないのは、君王が平素から行うことが正しいからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、先には逆境であっても後には順調となり、企ては成就し、どこへ行っても不利なことはない。官にある者は大きな栄誉を得る。学問をする者は佳き成績を収める。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 他人に善意をもって接すれば、のちに吉あり。
  • 財運: 小利を貪らなければ、のちに余剰あり。
  • 家宅: 和順をもって宜しとする。
  • 健康: 服薬は効を奏す、過度に憂慮する必要はない。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 降伏する者は殺さず、逃げる者は追わないという恩威がある。ゆえに「王用て三駆し、前禽を失う」と言う。耕す者はその業を変えず、市に集まる者は立ち去らないという徳化がある。ゆえに「邑人戒めず、吉」と言う。
  • 商業: 爻辞を玩味するに、目前の小利を貪らず、思いがけない財を求めず、逆境を捨てて順境を取れば、前もって消耗はあっても、後には自然と余りある利益を得るでしょう。
  • 病気: 病状はすでに現れていますが、先に邪気を払う薬を服用しており、邪気はすでに失われたかのようです。警戒する必要はなく、病は自然と癒えるでしょう。吉。
  • 功名: 奔走して事を生じますが、これまでの功績を一時的に失うとしても、後の成果は必ずや顕著になります。吉。
  • 六四: 男子を産む。

変卦原文

坤は元(おお)いに亨る。牝馬の貞(てい)に利あり。君子往くところあり。先んずれば迷い、後るれば主を得て、利あり。西南に朋(とも)を得、東北には朋を喪(うしな)う。貞に安んずれば吉なり。
天地ありて然る後に万物生ず。

変卦の現代語訳

元吉にして利あり。牝馬の貞に利あり。君子行くところあれば、先んずれば迷い、後るれば主を得て利あり。西南に友を得、東北に友を失う。貞に安んずれば吉。《象辞》に曰く:地勢は坤なり。君子もって厚徳にして物を載す。

邵雍の解釈

柔順で穏やか、万物を厚く載せる功徳。静かに安順を守り、妄動すれば損を招く。吉:この卦を得た者は、運勢に順従し、静を以て動を制するのがよい。単独で事を図るべきではなく、他人に従い、協力して事に当たれば、大業を成し遂げることができる。

伝統的解卦

この卦は同じ卦(下坤上坤)が重なり合ったもので、陰性に属する。地(乾卦と対照的)を象徴し、天に従う。万物をのせ、無限に広がる。坤卦は牝馬を象徴とし、地の道が万物を生み育て、天に従って時に順じ、その性質が温順であることを示す。「先に迷い、後に得る」ことで、坤が乾に従い、乾に付き随うことによって、初めて正しい方向を把握し、正道を守り、吉を得られることを証明している。

上六

本卦と変卦

六親納甲水地比六親納甲風地観
妻財Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄  応 × →妻財Xin Mao 辛卯▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄官鬼Xin Si 辛巳▄▄▄▄▄▄▄
子孫Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄父母Xin Wei 辛未▄▄           ▄▄  世
官鬼Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄  世妻財Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄
父母Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄官鬼Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄
兄弟Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄父母Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄  応

爻辞原文

上六
これに比(ひ)する、首(しゅ)たることなし、凶。

爻辞の現代語訳

上六:小人は徒党を組んで悪だくみをし、互いに腹を探り合って、団結した中心を形成することができない。これは非常に危険なことである。《象辞》に言う:小人は徒党を組んで悪だくみをし、互いに腹を探り合う。当然、良い結末は得られない。

邵雍の解釈

凶。この爻を得る者は、刑克や災いがあり、人情が薄く、甚だしくは命の危険すら恐れがあります。官職にある者は部下の支持を失い、境遇は危難に陥るでしょう。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 心神喪失し、凶禍の恐れがあります。
  • 財運: 無駄骨を折り、得るものは何もありません。
  • 家宅: 一家の主を失う恐れがあります。婚礼の出所が不明瞭です。
  • 健康: 頭部の病気に注意してください。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 「首」とは軍中の首領、すなわち元帥を謂う。「無首」とは、その主帥を失うことである。凶。
  • 商業: 五は卦主であり、上はこれと比(親しむ)せず。あたかも商売のパートナーが店主と親しまないようなもので、これが「無首」である。およそ謀る所があっても、必ず終わりを全うすることはない。凶。
  • 功名: およそ名を求める者は高等なるものを首とし、これを榜首、魁首と曰う。「無首」であれば、名はいずこに有らんや。凶。
  • 家宅: 一家の主を失う恐れあり。凶。
  • 婚姻: 何ゆえに主婚の人がいないのか分からない。婚家の素性がはっきりしない。凶。
  • 妊娠: 女子を産む。奇病の恐れあり。

変卦原文

観は、盥(かん)して薦せず、孚(まこと)あって顒若(ぎょうじゃく)たり。
臨とは大なり。物大にして然る後に観(み)るべし。故にこれを受くるに観(かん)をもってす。

変卦の現代語訳

観卦。祭祀において神を降ろすために酒を注ぐも、生贄を捧げず。祭祀に用いる捕虜の頭部が腫れ、供物と成し得ざるがためなり。『象伝』に曰く、本卦の上卦は巽にして風、下卦は坤にして地、風の地を行き万物を吹き撫でるは、これ観の卦象なり。先王はこの卦象を観て八方に周流する風に法り、もって邦国を巡視し、民情を観察し、教化を推し進めたり。

邵雍の解釈

下を以て上を観、周遊して観覧す。心を平らかにし気を通わせ、持場を堅守すべし。小凶:この卦を得る者は、変化の中に身を置き、心神安らかならず。宜しく細部まで観察し、機を待ちて行動すべく、決して妄進することなかれ。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坤上巽)が重なり、風が地の上を行くもので、徳教があまねく施されることを象る。観卦と臨卦は互いに綜卦であり、交互に用いられる。上に立つ者は道義をもって天下を観、下にいる者は敬仰して上を仰ぎ見、人心は順服して従う。


三・卦例

このサイトの易経占いツールで卦を立て、この卦を実例の中で確認できます。梅花心易小六壬も利用できます。

Share

この記事を共有