易経 · No.17 · 沢雷随
沢雷随(第17卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。
本卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 |
|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
本卦原文
随は、元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。咎(とが)なし。
豫べば必ず随(したが)うことあり。故にこれを受くるに随(ずい)をもってす。
本卦の現代語訳
随卦。大吉にして大利、貞に吉。災いなし。『象伝』に曰く:本卦の下卦は震にして震は雷、上卦は兌にして兌は沢。雷が沢の中にありて、大地は凍り万物は蟄伏するが随の象なり。君子はこの卦象を観て、天時に随って静まる雷に倣い、時に応じて息(いこ)い、日が暮るれば室に入りて休息す。
邵雍の解釈
随順和同し、貞固に自らを持す。機運に従うべきで、専横にしてはならない。小吉:この卦を得る者は、大勢に従うが宜しく、物事は成る。何事も他人と多くコミュニケーションを取れば、名利を共に得られる。決して我執を通すべからず、専横なる者は事成らず。
傅佩栄の解釈
- 時運: 来年より運が回り、五年を経てようやく発展する。
- 財運: 在庫を積み蓄えれば、来春に利益あり。
- 家宅: 驚懼を防ぐべし。
- 健康: 休養するが宜し。牢獄の災いあり。
高島吞象の解釈
- 時運: 現在の運気は平々凡々であり、一時的に身を潜めるべし。来年は遠行に利あり、五年目に至りて利益を得る。
- 戦争: 退守するが宜し。来年は小功あるべし。必ず六年を待てば、敵は皆捕らわれる。
- 商業: 貨物ありて一時的に売れ難いが、来春には利益を得るべし。
- 家宅: 伏怪(潜む怪異)あり、夜間に驚懼することが多くなるのを防ぐべし。
- 訴訟: 牢獄の災いある恐れあり。来年はまた征役や遠行を防ぐべし。凶。
- 遺失物: 枕席の間にこれを求めるべし。
- 妊娠: 女子を産む。
- 旅人: 即座に帰る。
- 旅行: 来年を利とする。
伝統的解卦
この卦は異卦(下震上兌)が重なったもので、震は雷、動くことを表し、兌は悦び、動いて悦ぶことが「随」である。「随」とは相互に従い合うことを指し、自己に従う物があり、物も自己に従うことができ、互いに疎通する。随は必ず時に従い勢いに順ずるものであり、原則と条件があり、堅貞(節操を固く守ること)を前提とする。
- 大象: 震木が兌澤の下にあり、木は必ず水に従って漂い流れる。随とは、順うことである。
- 運勢: 去旧迎新(旧きを去って新しきを迎える)の吉兆があり、人と協力するのに適しており、厚利を得ることができる。三心二意(心が定まらないこと)や、独断専行は避けるべきである。
- 事業: 社会や人生に対して正しい評価を持ち、人間関係を重視し、他者と協力することが得意であれば、事業は非常に順調に進む。さらなる成功を確実にするためには、小利を貪ってはならず、自分より優秀な人に学び、善に従い、誠実さを心に抱いて事業の開拓に努めるべきである。
- 商売: 順調である。他者との真摯な協力のもとで、予期の目的を達成できる。競争においては冷静な頭脳を保ち、大局的かつ長期的な視点から考え、商業道徳を守り、顧客や同業者に対して至誠の態度で接することで、競争優位を維持できる。
- 名声: 自己の刻苦研鑽を基礎とし、徳と才能のある師長に謙虚に学び、外部の力を借りることで、自己の成長を促し、個人の理想を実現できる。
- 婚姻: 双方が意気投合すれば成功し、家庭は和睦する。しかし、情愛に溺れると双方の事業に影響するため、必ず注意すること。
- 判断: 個人の成長への道のりは必ずしも順風満帆ではないが、謙虚で従順であり、人間関係が良好なため、特に目上の人から重んじられ、様々なことが他者の援助と配慮のもとで成功する。ただし、他人に追随するにあたっては、あるべき立場と原則を守り、権勢に阿ねって禍を招くことのないよう注意しなければならない。
二・爻辞
初九
本卦と変卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 | 六親 | 納甲 | 沢地萃 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 | 父母 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 兄弟 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ 応 |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 子孫 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 | 妻財 | Yi Mao 乙卯 | ▄▄ ▄▄ |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ | 官鬼 | Yi Si 乙巳 | ▄▄ ▄▄ 世 |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ ○ → | 父母 | Yi Wei 乙未 | ▄▄ ▄▄ |
爻辞原文
初九
官渝(かわ)ることあり。貞(てい)なれば吉。門を出でて交わるに功あり。
爻辞の現代語訳
初九:官舎で事故が発生し、占ってこの爻を得れば吉。門を出て同行すれば皆恩恵にあずかる。《象辞》に言う:官吏が仕事を損じたが、正道に帰すれば吉となる。門を出て同行すれば皆恩恵にあずかるのは、正道を失わないからである。
邵雍の解釈
吉。この爻を得る者は、多く利益を得る。官職にある者はちょうど運気が良く、昇進の機会がある。
傅佩栄の解釈
- 時運: 運気が交わる時であり、変動に有利である。
- 財運: 貨物を外で販売すれば、利益を得ることができる。
- 家宅: 改装や転居に良い。
- 健康: 薬を変えるか、遠方に医者を求めるべきである。
高島吞象の解釈
- 時運: 現在はちょうど運気の変わり目であり、新しい運気に入る。動けばすぐに良くなり、特に外出に有利である。
- 商業: 貨物を外部へ運んで販売すれば、利益が得られる。
- 家宅: 修造や模様替えを行うのが吉であり、転居や遠出をすればさらに利がある。
- 戦争: 東を撃つと見せて西を撃ち、南を撃つと見せて北を攻めるような臨機応変さがあれば吉。
- 病気: 薬が症状に合っていない恐れがあるため、処方を変えるのが吉。または遠方の医者に求めるとさらに利がある。
- 遺失物: 門の外を探せば、見つかる。
- 妊娠: 男児が生まれる。
変卦原文
萃(すい)は、王有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大人を見るに利あり。亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。大牲(たいせい)を用うるに吉。往くところあるに利あり。
姤(こう)とは遇(ぐう)なり。物相い遇いて後に聚(あつま)る。故にこれを受くるに萃(すい)をもってす。
変卦の現代語訳
萃卦。通達して盛んなるなり。王は宗廟に至りて祭祀を行う。この卦を占うに、貴族や王公に会うに利あり、亨通なり、これは吉なる貞兆なり。大牲(牛)を用いて祭るは極めて吉にして、往くところあるに利あり。『象辞』に曰く:本卦の上卦は兌、兌は沢となり、下卦は坤、坤は地となる。沢の水が地に溢れるは萃の卦象なり。君子はこの卦象を観て、洪水が横溢し禍乱が集まることを戒め、もって兵器を修め、不測の事態に備える。
邵雍の解釈
物産が豊富で、豊かに集まる。目上の引き立てを得て、何事もうまくいかないことはない。吉:この卦を得る者は運気が絶好調であり、貴人の助けを得て厚い利益を上げ、万事順調である。
伝統的解卦
この卦は異卦が重なり合ったものです(下坤上兌)。坤は地であり、順。兌は沢であり、水。沢が氾濫して大地を埋め尽くし、人が多く集まって互いに争うため、危機が至る所に潜んでいます。必ず天に従い賢人を任用し、未雨の備え(事前準備)をし、しなやかで和悦をもって接すれば、互いに相乗効果を生み、安らかに暮らして生業を楽しむことができます。萃は、集まること、団結することを意味します。
二六
本卦と変卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 | 六親 | 納甲 | 兌為沢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 | 父母 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 世 |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 兄弟 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 子孫 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 | 父母 | Ding Chou 丁丑 | ▄▄ ▄▄ 応 |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ × → | 妻財 | Ding Mao 丁卯 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 官鬼 | Ding Si 丁巳 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
爻辞原文
六二
小子(しょうし)係りて、丈夫(じょうふ)を失う。
爻辞の現代語訳
六二:年少の奴隷を捕らえ、大人の奴隷が逃げ去る。《象伝》に言う:小さきを得て大ききを失う、これは両者を得ることはできないという意味である。
邵雍の解釈
凶。この爻を得た者は、心が安まらず、あるいは小人の暗算に遭い、揉め事が絶えない。官職にある者は退守するのがよく、進取を望む者は己を知るべきである。
傅佩栄の解釈
- 時運: 形勢が逆転しており、慎重にするのが最も良い。
- 財運: 小を貪って大を失い、明らかに不利である。
- 家宅: 家主が巻き添えになり苦労する。婚礼は妥当ではない。
- 健康: あちらを立てればこちらが立たず。
高島吞象の解釈
- 時運: 目下、運気が乱れて逆転しているため、自ら慎重に行動すべきである。
- 商業: 小を貪って大を失う恐れがある。
- 家宅: 陰陽が逆転し、女子や小人が権勢を振るい、かえって家主が制御される象がある。
- 戦争: 敵兵を捕らえることはできるが、敵将の首を取り旗を奪うような大勝利は得られない。
- 妊娠: 女児が生まれる。
- 遺失物: 小さな品は得られるが、大きなものは必ず失う。
- 婚姻: 良縁ではない恐れがある。
変卦原文
兌(だ)は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。
巽とは入るなり。入りて後にこれを説(よろこ)ぶ。故にこれを受くるに兌(だ)もってす。
変卦の現代語訳
兌卦。亨る。吉なる貞卜。『象辞』に言う:本卦は両兌相重なり、兌は沢にして、両沢相連なり、両水交流するは兌卦の卦象なり。君子はこの卦象を観て、もって広く友を交わり、講習切磋し、見聞を広む。
邵雍の解釈
沢は万物を潤し、二重の喜びあり。群倫を和楽させ、正道を堅く守る。吉:この卦を得る者は、慶事多く、人情和合す。ただし正道を堅守すべし、さもなくば災いに遭う。
伝統的解卦
この卦は同卦(下沢上沢)相重なる。沢は水なり。両沢相連なり、両水交流し、上下相和し、一致団結し、友相助けて歓欣喜悦す。兌は説(悦)なり。ともに剛健の徳を執り、外に柔和の姿を抱き、正道を堅く行いて、民を向上に導く。
三六
本卦と変卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 | 六親 | 納甲 | 沢火革 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 | 官鬼 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 父母 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 兄弟 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ 世 |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 × → | 兄弟 | Ji Hai 己亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ | 官鬼 | Ji Chou 己丑 | ▄▄ ▄▄ |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 子孫 | Ji Mao 己卯 | ▄▄▄▄▄▄▄ 応 |
爻辞原文
六三
丈夫(じょうふ)に係りて、小子(しょうし)を失う。随って求むるあれば得。貞(てい)に居(お)るに利あり。
爻辞の現代語訳
六三:大人の奴隷を捕らえ、年少の奴隷が逃げ去る。失わないことを望むより、現に得る方がよい。この爻に遭遇し、居所を占うならば吉である。《象伝》に言う:大ききを捕らえ小さきを失う、その志は大ききを追い求め、小さきを捨てることにある。
邵雍の解釈
平。この爻を得た者は、計画や生業が意のままになるが、正しい道を行くことで初めて利益を得られる。官職にある者は推薦を受けて昇進の望みがある。
傅佩栄の解釈
- 時運: 財を求め名声を求めるのは、すべて正運である。
- 財運: 小往き大来たる、利益が期待できる。
- 家宅: 蓄えが成り、子女を気にかける。
- 健康: 大人は無事であるが、子供には不利である。
高島吞象の解釈
- 時運: 目下、正運に交わっており、財や名声を求めることはすべて意のままになる。
- 商業: 小往き大来たる、必ず利益を得る。
- 戦争: 敵将を生け捕りにし、必ず大勝利を得る。
- 家宅: 家道は豊かになるが、年少の者たちが災いに遭うのを防ぐべきである。
- 病気: 大人は無事であるが、小人は不利になる恐れがある。
- 妊娠: 生まれても育たない恐れがある。
- 遺失物: 得られる。
- 婚姻: 高貴な家柄との婚姻を結ぶ。
変卦原文
革(かく)は、己日(きじつ)にして乃(すなわ)ち孚(まこと)あり。元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。悔亡(ほろ)ぶ。
井道は革(あらた)めざるべからず。故にこれを受くるに革(かく)をもってす。
変卦の現代語訳
革卦。祭祀の日に捕虜を生贄とすれば、願い事は通り、吉なる占いとなる。後悔はない。《象辞》に曰く:本卦の外卦は兌、兌は沢。内卦は離、離は火。内から蒸され外から迫られ、水は涸れ草は枯れる。あたかも沢の中に大火が燃え盛るかのようであり、これが革卦の卦象である。君子はこれを見て、沢水の増減や草木の枯栄の周期的な変化を理解し、暦法を修め、時節を明らかにする。
邵雍の解釈
物事に変動が多く、正道を固守すべき時。天に従い人に順じ、変革を実施する。小吉:この卦を得た者は、万事が変動の中にあり、旧きを去って新しきを立てることで変革の象に応じるのが宜しく、そうすれば吉祥を得る。
伝統的解卦
この卦は異卦(下が離、上が兌)が重なったものである。離は火、兌は沢であり、沢の内には水がある。水が上にありて下を潤し、火が下にありて上昇する。火が盛んなれば水は干上がり、水が多ければ火は消える。二者は相生しつつ相克し、必ず変革が生じる。変革は宇宙の根本法則である。
四九
本卦と変卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 | 六親 | 納甲 | 水雷屯 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 | 兄弟 | Wu Zi 戊子 | ▄▄ ▄▄ |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 官鬼 | Wu Xu 戊戌 | ▄▄▄▄▄▄▄ 応 |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ ○ → | 父母 | Wu Shen 戊申 | ▄▄ ▄▄ |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 | 官鬼 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ | 子孫 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ 世 |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 兄弟 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
爻辞原文
九四
随って獲(う)るあり。貞(てい)なれども凶。孚(まこと)あって道に在り、以て明らかなれば、何の咎(とが)あらん。
爻辞の現代語訳
九四:名利を追い求め、多くを貪って得ようとするため、占って凶兆を得る。捕虜を護送して道を行くとき、規律を厳しくすれば災いはない。《象伝》に言う:名利を追い求め多くを貪る、このような者が凶険に遭うのは当然である。誠実を守り正道を厳守することは、事功を明察した結果である。
邵雍の解釈
平。この爻を得た者は、賢人の引き立てを受けて凶が吉に転じる。官職にある者は要職に身を置き、努力して進めば事を成し遂げ、名利を得ることができる。
傅佩栄の解釈
- 時運: 吉凶が入り混じるが、来年は吉祥である。
- 財運: 利益は得られるものの、不測の事態に注意せよ。
- 家宅: 家を建てる(または購入する)のは良くない。
- 健康: 先には凶、後には吉となる。
高島吞象の解釈
- 時運: 目下は吉凶が相半ばし、奇数月は有利、偶数月は不利であるが、来年は吉となる。
- 商業: 利益を得た後、予期せぬ災いがあるのを防がねばならず、状況を明らかにしてから行動すべきである。
- 家宅: 新築であれ、新規購入であれ、すべて不吉である。
- 戦争: 小勝の後、大敗を防ぐべし。
- 病気: 先は凶、後は吉。
- 訴訟: 始めは詳しく調べて凶、上に訴えれば咎なし。
- 遺失物: 一時的に見つけがたく、後を待てば見つかる。
変卦原文
屯は元(おお)いに亨る。貞(ただ)しきに利あり。用(もっ)て往くところあるなかれ。侯(きみ)を建つるに利あり。
天地の間に盈(み)つる者はただ万物なり。故にこれを受くるに屯(ちゅん)をもってす。屯とは盈つるなり。屯とは物の始めて生ずるなり。
変卦の現代語訳
屯の卦。大吉大利、吉なる占。出かけるのには不利。国を建てて侯を封じるには有利。《象辞》に言う:屯の上卦は坎、坎は雲であり、下卦は震、震は雷である。雲が上を行き、雷が下に動くのが、屯卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、雲雷を法とし、雲の恩沢と雷の威厳をもって国事を治める。
邵雍の解釈
万物の始生であり、初めは困難である。先労後逸、苦しみが尽きて甘みが来る。凶:この卦を得る者は、困境に身を置き、守るに宜しく進むに宜しからず。大いに苦労して努力し、困難を排除して初めて通達する。初めは難しく後に解ける象がある。
伝統的解卦
この卦は異卦(下震上坎)が重なったもので、震は雷で「動」をたとえ、坎は雨で「険」をたとえる。雷雨が交加し、険象が次々と生じ、環境は悪劣である。「屯」は本来、植物が大地に芽吹くことを指す。万物の始生は、困難と険阻に満ちているが、時に順い運に応じれば、必ずや生き生きと栄える。
五九
本卦と変卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 | 六親 | 納甲 | 震為雷 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 | 妻財 | Geng Xu 庚戌 | ▄▄ ▄▄ 世 |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ ○ → | 官鬼 | Geng Shen 庚申 | ▄▄ ▄▄ |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 子孫 | Geng Wu 庚午 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 | 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 応 |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ | 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
爻辞原文
九五
嘉(か)に孚(まこと)あり。吉なり。
爻辞の現代語訳
九五:多くの善人を捕虜とし、吉。─『象伝』に言う:中正の道を固く守れば、万事吉となる。九五の爻が上卦の中位に位置し、人が中正の道を守る姿に似ているからである。
邵雍の解釈
吉。この爻を得る者は、計略が思い通りに進み、慶事が多い。官職にある者は昇進し、または多くの喜ばしい事がある。
傅佩栄の解釈
- 時運: まさに盛運にあり、諸事皆吉。
- 財運: 貨物は上品で、利益が多い。
- 家宅: 積善の家であり、婚姻は喜ばしい。
- 健康: 心配する必要はない。
高島吞象の解釈
- 時運: 目下は盛運に処し、万事吉を得る。
- 商業: 貨物が上質であるため、百倍の利益を得る。
- 家宅: 必ずや積善の家であり、人々がこぞって信従し、一郷の望みとなる。
- 戦争: 軍衆が心を一つにすれば、必ず勝利を収め、吉。
- 婚姻: 百年好合、大吉。
- 訴訟: 和解する。
- 病気: 吉です。
- 妊娠: 男児誕生。
変卦原文
震は、享(とお)る。震の来(きた)るとき虩々(げきげき)たり。笑言唖々(しょうげんあくあく)たり。震は百里を驚かす。匕鬯(ひちょう)を喪(うしな)わず。
器を主(つかさ)どる者は長子にしくはなし。故にこれを受くるに震(しん)をもってす。
変卦の現代語訳
震卦。祭祀に臨む時、雷鳴が轟き渡り、ある者は恐怖で震え上がるが、しばらくすると平然と談笑できるようになる。巨雷が突如として響き、百里四方を震え上がらせても、ある者は平然として酒杓を手に持ち、一滴の酒もこぼさない。《象辞》に曰く:本卦は上卦・下卦ともに震であり、震は雷である。ゆえに巨雷が連動して響くのが震卦の象形である。君子はこれを見て、戒め恐れて自らの身を修め省みる。
邵雍の解釈
重なる雷が響き渡り、奮起して努める。先には難しく後には易しく、先には苦しく後には甘い。小吉:この卦を得る者は、奮起して振るい立てば大いに為すところがあるが、外見は華やかでも内実には困難がある恐れがあるため、言動を慎んで損失を防ぐべきである。
伝統的解卦
この卦は同卦(下震上震)が重なったものである。震は雷であり、二つの震が重なることで響きが大きくなり、沈鬱な気を取り除き、物事を通達させる。平素より安きに居て危うきを思い、畏怖の念を抱いて怠ることなければ、不意の事変に遭遇しても、泰然自若として普段通り談笑していられる。
上六
本卦と変卦
| 六親 | 納甲 | 沢雷随 | 六親 | 納甲 | 天雷无妄 |
|---|---|---|---|---|---|
| 妻財 | Ding Wei 丁未 | ▄▄ ▄▄ 応 × → | 妻財 | Ren Xu 壬戌 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 官鬼 | Ding You 丁酉 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 官鬼 | Ren Shen 壬申 | ▄▄▄▄▄▄▄ |
| 父母 | Ding Hai 丁亥 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 子孫 | Ren Wu 壬午 | ▄▄▄▄▄▄▄ 世 |
| 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ 世 | 妻財 | Geng Chen 庚辰 | ▄▄ ▄▄ |
| 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ | 兄弟 | Geng Yin 庚寅 | ▄▄ ▄▄ |
| 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ | 父母 | Geng Zi 庚子 | ▄▄▄▄▄▄▄ 応 |
爻辞原文
上六
これを拘(とら)え係(くく)る。乃(すなわ)ち従ってこれを維(つな)ぐ。王用(もっ)て西山(せいざん)に亨(きょう)す。
爻辞の現代語訳
上六:捕虜を拘禁し、かたく縛り上げる。周の文王は彼らを生贄として西山で神霊を祀った。─『象伝』に言う:縛られ拘禁されるのは、上六が一卦の終極に位置し、人が窮困の境地に陥るようであるからだ。
邵雍の解釈
凶。この爻を得る者は、苦難が多く、思い通りにいかない。重病の者は生命の恐れがある。官職にある者は小人の讒言を防ぐべし。
傅佩栄の解釈
- 時運: 困難が重なり、思い通りになりがたい。
- 財運: 堅実に構えるが、伸展しがたい。
- 家宅: 家人は恨み嘆くが、婚姻には縁がある。
- 健康: 誠心をもって祈るべし。魂が帰る可能性がある。
高島吞象の解釈
- 時運: 目下はやりくりが困難で、あまり思い通りにいかない。
- 商業: 堅実で安定しており取り組めるが、事ごとに伸展するわけではない。
- 家宅: 防範や拘束が厳しすぎて、家人が怨み苦しむおそれがある。
- 病気: これに祈れば吉。
- 婚姻: 赤縄が腕を繋ぐ縁がある。
- 訴訟: 手枷足枷に縛られ囚われる患いがある。
- 遺失物: 自分が包み隠したものであり、失ったわけではない。
- 妊娠: 女児誕生。
変卦原文
无妄は、元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。それ正にあらざれば眚(わざわい)あり。往くところあるに利あらず。
復(かえ)れば妄(みだ)りならず。故にこれを受くるに无妄(むぼう)をもってす。
変卦の現代語訳
无妄卦。大いに通りて正しきに利あり。その正しきに非ざれば災いあり、往くところあるに利あらず。《象辞》に曰く、本卦は上卦が乾(天)、下卦が震(雷)であり、天の下で春雷が轟き、万物が萌発し、生気あふれるのが无妄の卦象である。先王はこの卦象を観て、時令に順応し、万物を保育した。
邵雍の解釈
欺かず妄だりにせず、真実至誠。自然に順ずれば、福禄は深く豊かになる。小吉:この卦を得る者は、自然の流れに身を任せ、正道を固守すれば、諸事すべて宜し。ただし、行いが正しくない者は、必ず災いを受ける。
伝統的解卦
この卦は異卦(下震上乾)が重なったものである。乾は天、剛、健を象徴し、震は雷、剛、動を象徴する。動いて健やか、剛陽が盛んであり、人心が振興して必ず得るものがある。しかし、純正さに従うべきであり、妄動してはならない。无妄なれば必ず得るところがあり、必ず福をもたらすことができる。
三・卦例
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