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易経 · No.19 · 地沢臨

地沢臨(第19卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

本卦

六親納甲地沢臨
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

本卦原文

臨は、元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。八月に至りて凶あり。
蠱とは事なり。事ありて後に大なるべし。故にこれを受くるに臨(りん)をもってす。

本卦の現代語訳

臨卦。元亨利貞(大いに通りて正しきに利あり)。八月に至れば凶なることあらん。《象辞》に曰く:本卦の下卦は兌(沢)であり、上卦は坤(地)である。地が沢を見下ろし、沢が地に抱かれているのが臨の卦象である。君子はこの卦象を観て、天下に君臨し、万民を教化し、深い思いやりをもって万民を包容し、その徳行と功業は限りないものとなる。

邵雍の解釈

上が下を臨み、互いに助け合う。安居にあっても危うきを思い、常に慎み戒める。吉:この卦を得る者は、好運が訪れ、諸事意のままになり、人間関係も調和する。ただし、急進しすぎることは避けるべきである。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 活水が流れゆくように、好運がまさに訪れる。
  • 財運: 経営は成功し、利益が期待できる。
  • 家宅: 家業はまさに盛んであり、両家は和合する。
  • 健康: 病気は長引くが、危険には至らない。

高島吞象の解釈

  • 時運: 現在の物事は、まるで一湛の活水が自在に流れるかのようであり、好運は長く続く。
  • 商業: 沢は貨物であり、地は運送の地である。この占を得れば、利益は厚くかつ極めて長く、大吉である。
  • 家宅: この邸宅は必ず水沢の地に近い。家業はまさに盛んであり、財運も子孫も共に栄え、大吉である。
  • 戦争: 陣地は水に近い場所に置くべきである。一時的な勝利を得るだけでなく、万民が帰服する象がある。
  • 病気: 命は保たれるが、病気は必ず長引き、すぐには治りにくい。
  • 訴訟: 解決までに長い時間がかかる恐れがある。
  • 婚姻: 両家は和合し、子孫は末長く栄え、大吉である。
  • 妊娠: 女の子が生まれる。
  • 旅人: しばらくは帰らない。
  • 遺失物: 川岸の場所で探せば、必ず見つかる。

伝統的解卦

この卦は異卦(下兌上坤)が重なったものである。坤は地、兌は沢であり、地は沢より高く、沢は地に容れられる。君主が天下に親臨し、国を治め民を安んじ、上下が融和することを例えている。

  • 大象: 池沢の水が地上の万物を潤し、相輔相成して生々流転する。
  • 運勢: 諸事は円滑に通り、上下が和合し、前途に望みがあるが、急進しすぎるのは良くない。
  • 事業: まさに成功の絶好の機会である。必ず好機を逃さず掴むべきである。しかし、現状に満足してはならない。時運はすぐに移り変わるため、必ず長期的な視野を持ち、経験を総括し、他者と団結して共に新たな分野を切り開くべきである。
  • 商売: 極めて順調に進み収穫を得られるが、常に市場の動向に注意し、兢兢業業として不測の事態を防ぐべきである。特に人間関係を適切に処理することが求められる。
  • 名声: 自身の努力が収穫の時期を迎えている。さらに謙虚になり、自己を厳しく律し、慎重に目標を達成すべきである。予期せぬ事態が起こる可能性もあるため、強い意志で冷静に対処すべきであり、軟弱すぎると機会を失うことになる。
  • 婚姻: 急いで進め、全力を尽くすこと。双方が誠信をもって接すれば、円満かつ調和する。
  • 判断: 頭脳明晰で、他者との交流に長け、主見があり、指導力を備えている。自己の全面的な修養を強化し、誠実な態度で人に接し、良好な威信を築くべきである。特に大局的な視野と長期的な計画を持つことで、事業の発展と前途の光明が保証される。

二・爻辞

初九

本卦と変卦

六親納甲地沢臨六親納甲地水師
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄妻財Wu Wu 戊午▄▄           ▄▄  世
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世官鬼Wu Chen 戊辰▄▄▄▄▄▄▄
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄  ○ →子孫Wu Yin 戊寅▄▄           ▄▄

爻辞原文

初九
咸(かん)じて臨む。貞(てい)にして吉なり。

爻辞の現代語訳

初九:感化の政策をもって民を治める。占えば吉兆を得る。『象辞』に言う:感化の政策をもって民を治めれば、治道は貞正にして、自然と吉利となる。心根が端正で、やり方が正当だからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、幸運が巡ってきて、計画や商売が思い通りになる。官職にある者は衆望を集めて昇進し、学問をする者は試験で優秀な成績を収めることができる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 初めて好運が巡ってくる。正道を守れば大吉である。
  • 財運: 新商品が発売され、自然と利益が得られる。
  • 家宅: 吉事が門に臨む。良き配偶者と結ばれる。
  • 健康: 初期の病気であり、完治が期待できる。

高島吞象の解釈

  • 時運: 現在は新たな運気の始まりであり、正道を守ることができれば、行うことに不利な点はない。
  • 商業: 新商品が出回り始めた時期で、市場価格も適正であるため、十分に商いを行うことができ、思い通りにならないことはない。吉。
  • 家宅: 必ずや忠実で実直、中正な家柄であり、現在ちょうど吉事が舞い込んでいる。大利。
  • 戦争: 初めての出陣であり、大路から進軍するのがよい。吉。
  • 病気: 病気は初期のものであり、正気が満ちているため、すぐに治る見込みがある。
  • 婚姻: 家柄が釣り合い、品行が端正な、良き配偶者である。
  • 訴訟: 一度審理にかければ、すぐに決着がつく。
  • 妊娠: 男児が生まれる。お産に喜びあり。

変卦原文

師は貞(てい)。丈人(じょうじん)なれば、吉、咎(とが)なし。
訟えには必ず衆の起(おこ)るある。故にこれを受くるに師(し)をもってす。

変卦の現代語訳

師卦。総指揮官の軍情を占うに、災いなし。『象辞』に曰く:下卦は坎、坎は水;上卦は坤、坤は地であり、「地中に水有り」の象、これが師卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、江河を容れる大地に法り、大衆を収容し育成する。

邵雍の解釈

労働を憂い衆を集め、変化は窮まりなし。公正無私にして、万難を排す。小凶:この卦を得る者は、困難重々にして心労多く衆を労す。他者を包容し、艱難辛苦に耐えて努力し、一切の困難を取り除くべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坎上坤)が重なる。「師」は軍隊を指す。坎は水、険であり;坤は地、順であり、兵を農に寓するをたとえる。兵は凶にして戦は危うし。用兵は聖人の已むを得ざる行為なるも、情勢に順い、師出づるに名分あるが故に、矛盾を円滑に解決し、凶を転じて吉となす。

二九

本卦と変卦

六親納甲地沢臨六親納甲地雷復
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄  応
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄兄弟Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世 ○ →官鬼Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄妻財Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  世

爻辞原文

九二
咸(かん)じて臨む。吉にして利あらざるなし。

爻辞の現代語訳

九二:温和な政策をもって民を治める。吉にして、吉ならざるはなし。『象辞』に言う:温和な政策をもって民を治めれば、吉にして吉ならざるはなし。民がまだ従順になっていないからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、画策して利益を得るが、時機を見極めるべきである。さもなければ成就せず、玉に瑕となる。官職にある者は公明正大で、地位が清高になる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 貴人の助けがあり、運気はまさに絶好調である。
  • 財運: 重ねて営めば、依然として利益を得られる。
  • 家宅: 福星が高く照らす。婚姻もまた吉である。
  • 健康: 大きな支障はないが、訴訟は未解決のままである。

高島吞象の解釈

  • 時運: 現在は好調であり、さらに貴人の引き立てを得て、大吉である。
  • 商業: 初めが吉であれば、二度目はさらに有利となる。
  • 家宅: 福星が照臨する象があり、終始ともに吉である。
  • 戦争: たゆまず努力すれば、向かうところすべて吉。ただし、配下の将兵の中に命令に従わない者がいて、事を破るのを防ぐこと。
  • 婚姻: すべてに利あり。ただし未年(ひつじどし)の生まれの者に最も良い。
  • 訴訟: 敗れるには至らないが、一時的に従いを得られない。
  • 妊娠: 男児が生まれるが、まだ出産には至っていない。
  • 旅人: 外にいる者の帰期は未定です。

変卦原文

復は、亨(とお)る。出入り疾(やまい)なし。朋(とも)来りて咎(とが)なし。その道を反復す。七日にして来り復す。往くところに利あり。
剥とは剥(は)ぐなり。物もって尽くるに終わるべからず。剥は上に窮まれば下に反(かえ)る。故にこれを受くるに復(ふく)をもってす。

変卦の現代語訳

復の卦。通達して順調。出かけるのも居るのも病なし。利益を得られて災いなし。往来して七日にして戻る。往くところあれば利あり。《象辞》に言う:本卦の内卦は震(雷)であり、外卦は坤(地)である。天寒く地凍り、雷は地中に返り帰る。往きて復(かえ)り、時に従い戻る。これが復の卦の象である。先王はこの卦象を見て雷に法(のっと)り、冬至の日に関所を閉じ、旅人を通さず、君主もまた諸国を巡視しなかった。

邵雍の解釈

循環して往復し、生機が再び萌す。成功は間近にあるが、焦れば即ち敗れる。小吉:この卦を得る者は、時運が好転し、勢いに乗って行動すれば物事は成就するが、急進しすぎてはならない。

伝統的解卦

この卦は異卦(下震上坤)が重なったものである。震は雷・動を表し、坤は地・順を表す。動けば順(したが)い、自然の理に順ずる。動きが順の中にあり、内陽外陰にして、順序に従って動き、進退自如であるため、前進するに利がある。

三六

本卦と変卦

六親納甲地沢臨六親納甲地天泰
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  応
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄  × →兄弟Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄  世
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世官鬼Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄妻財Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

六三
甘んじて臨む。利するところなし。既にこれを憂うれば、咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

六三:圧伏の政策をもって民を治めることは、何の利益もありません。もし憂い悔いることがあれば、災禍は取り除くことができます。『象伝』に言う:圧伏の政策をもって民を治めることは、六三の陰爻が陽位に居て不当であるように、このような君主は任に堪えません。もし憂い悔いることができれば、その災禍は取り除くことができます。

邵雍の解釈

凶。この爻を得る者は、憂愁があり、苦労し疲弊します。官職にある者は小人の讒言による攻撃を受け、志を伸ばすことができません。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 悔い改めることを知れば、後運を期待できます。
  • 財運: 糖業は有利ですが、その他は必ずしもそうではありません。
  • 家宅: 移転や引越しが宜しく、婚姻は不適合です。
  • 健康: 薬が症状に合っていません。苦味や辛味のあるものを服用するとよいでしょう。

高島吞象の解釈

  • 時運: 運気がすでに良くなく、行いも正しくありませんが、幸いにも悔い改めることを知れば、後運に望みがあります。
  • 商業: 店舗の立地がその位置を得ていませんが、糖業の仕入れ・輸送・販売だけは好調です。
  • 家宅: 家運が良くありません。移転するのが吉です。
  • 戦争: 陣営の配置が不適当です。営地を移せば吉となります。
  • 病気: 薬が症状に合っていません。苦辛の剤を処方すれば、咎はありません。
  • 婚姻: 不適合です。
  • 旅人: 外では利益が得られませんが、近いうちに帰ることができます。
  • 遺失物: 得ることができます。
  • 妊娠: 女子が生まれますが、育てるのが難しい恐れがあります。

変卦原文

小(しょう)往き大(だい)来(きた)る。吉にして亨(とお)る。
履んで然る後に安し。故にこれを受くるに泰(たい)をもってす。

変卦の現代語訳

泰卦。小往き大来たる、微より盛に由る、吉利、亨通なり。『象辞』に曰く:天地交わるは泰。君子もって天地位を裁成し、天地の宜を左右し、もって左右民す。

邵雍の解釈

小往き大来たる、通泰吉祥なり。泰極まれば否に転ず、事守るに固きに宜し。吉:この卦を得る者は、否極まりて泰来たり、鴻運当頭にして諸事みな順調なり。ただ楽極まりて悲しみ生じるを防ぐべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下乾上坤)が重なり合ったもので、乾は天であり陽、坤は地であり陰です。陰陽が交感し、上下が通じ合い、天地が交わることで万物が盛んに生成します。逆に交わらなければ凶となります。万事万物は対立し、変化し、盛極まれば衰え、衰極まれば盛んに転じるため、時に応じて変化するものが「泰(通)」となります。

四六

本卦と変卦

六親納甲地沢臨六親納甲雷沢帰妹
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄父母Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄  応
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応兄弟Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄  × →官鬼Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄父母Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄  世
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世妻財Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄官鬼Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

六四
至りて臨む。咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

六四:自ら国を治め民を管理することは、害はありません。『象伝』に言う:自ら国を治め民を管理して害がないのは、六四の陰爻が陰位に居るためです。このような君主は任に堪える君主です。

邵雍の解釈

平。この爻を得る者は、人情が和合し、商売で利益を得ますが、大事を成そうとする者は、慎重に行動し、十分に準備をしてから進取すべきです。官職にある者は同僚の助けを得られます。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 好運がすでに到来しており、吉があって凶はありません。
  • 財運: 売買の時期が良く、どこに行っても有利です。
  • 家宅: 家業はまさに盛んであり、婚姻に適しています。
  • 健康: 危険な状態ですが、なお癒えることができます。

高島吞象の解釈

  • 時運: 好運がすでに至り、不適当なことはなく、吉があって凶はありません。
  • 商業: 現在の仕入れと販売はまさにその時期であり、どこに行っても有利です。
  • 家宅: 住宅の位置が適当で、家業は興隆し、咎はありません。
  • 戦争: その時がすでに至っており、まさに敵に臨んで勝利を収めることができます。
  • 病気: 非常に危険な状態に至りますが、なお咎なしで済みます。
  • 婚姻: お互いに睦まじく、家柄も釣り合っています。
  • 旅人: すぐに至ります。
  • 遺失物: すぐに得られます。

変卦原文

帰妹(きまい)は、征(ゆ)けば凶。利するところなし。
漸とは進むなり。進めば必ず帰する所あり。故にこれを受くるに帰妹(きまい)をもってす。

変卦の現代語訳

帰妹卦。この爻を得るならば、出征は凶険なり。利するところなし。『象辞』に曰く、帰妹の卦は、下卦が兌にして兌は沢、上卦が震にして震は雷なり。これ沢の上に雷が鳴り、雷が鳴って水が動くを以て、男女が心動かし相愛して夫婦となるに喩える。これが帰妹の卦象なり。君子はこの卦象を観て、長期にわたる婚姻生活の中で、婚姻の成敗を体察すべし。

邵雍の解釈

常理に反すれば、その道は窮す。事理を明察し、妄念を断絶すべし。凶:この卦を得る者は、困難の時、なすことが常理に違えば災い不断なり。事理を明察し、身を修め養性し、妄念を絶つべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下兌上震)が重なる。震は動、長男となり、兌は説(悦)、少女となる。少女が長男に従い、愛慕の情を生じ、婚姻の動きあり、女を嫁がせる象あり。故に帰妹と名づく。

五六

本卦と変卦

六親納甲地沢臨六親納甲水沢節
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄兄弟Wu Zi 戊子▄▄           ▄▄
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応 × →官鬼Wu Xu 戊戌▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄父母Wu Shen 戊申▄▄           ▄▄  応
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄官鬼Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世子孫Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄妻財Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄  世

爻辞原文

六五
知あって臨む。大君の宜(ぎ)なり。

爻辞の現代語訳

六五:明知をもって民を治め、君主としての器を得ており、自然と吉です。『象伝』に言う:君主の器を得ているとは、六五の爻が上卦の中位に居り、人が事を行うのに中正の道を得ているようなものだからです。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、万事意のままになります。官職にある者は上司に認められます。

傅佩栄の解釈

  • 時運: まさに好運であり、また人の助けがあります。
  • 財運: 商情を理解しており、当然ながら利益があります。
  • 家宅: 五福が門に臨みます。家庭を整えるのに適しています。
  • 健康: 名医の診察を受ければ、自然と癒えます。

高島吞象の解釈

  • 時運: 現在は運気がその時を得ており、また良き人の助けを得て、事ごとに成就しやすく、吉です。
  • 商業: 往くを知り来たるを知り、商情に通じているため、自然と利益を得ます。吉です。
  • 家宅: 五福臨門の兆しがあります。吉です。
  • 戦争: 軍心を得ることができ、彼を知り己を知れば、百戦して殆うからずです。
  • 病気: 良医を得ることができ、病の原因を詳しく知って治療すれば、自然と癒えます。
  • 婚姻: 家を斉え室を宜しくす。大吉。
  • 遺失物: 拾う人あり、後日自然と知るに至る。
  • 妊娠: 男児誕生、貴人となる。
  • 旅人: なお半途にあり、後日帰るべし。

変卦原文

節(せつ)は亨(とお)る。苦節貞(てい)にすべからず。
渙とは離るるなり。物もって離るるに終るべからず。故にこれを受くるに節(せつ)をもってす。

変卦の現代語訳

节卦(せつか)。願い事は通る。ただし、節制を苦痛とするならば、その吉凶を占うことはできない。『象伝』に言う:本卦の下卦は兌(沢)、上卦は坎(水)である。沢の中に水が満ちているため、堤防を高く築いて防ぐ必要がある。これが節卦の象形である。君子はこの卦象を観て、政綱や制度を確立し、倫理の原則を定めるのである。

邵雍の解釈

操守と節度を保ち、適度なところでとどめること。時勢を推し量り、変化に融通を利かせること。小凶:この卦を得た者は、分相応に自守すべきであり、貪欲であってはならない。諸事において節制が必要であり、度を越してはならない。特に酒色を戒めるべきである。

伝統的解卦

この卦は異卦(下兌・上坎)が重なったものである。兌は沢、坎は水を表す。沢に水があるが、流れる量には限りがあり、多すぎれば沢の外へ溢れ出る。したがって節度が必要であり、ゆえに「節」と名付けられた。節卦と渙卦は相反し、互いに綜卦(裏表の卦)であり、交互に作用し合う。天地に節度があるからこそ常に新しくあり続け、国家に節度があるからこそ安泰であり、個人に節度があるからこそ完璧たり得るのである。

上六

本卦と変卦

六親納甲地沢臨六親納甲山沢損
子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄  × →官鬼Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄  応
妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄  応妻財Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄兄弟Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄
兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄  世
官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄  世官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄
父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

上六
臨むに敦(あつ)し。吉にして咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

上六:敦厚の道をもって民を治む、吉利にして自然と災禍なし。『象辞』に曰く:敦厚の道をもって民を治む、吉利なるは、敦厚誠実の意の内に存すればなり。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、多く利益を得て往くとして利あらざるなし。ただし、気勢盛んに極まりて衰えに変わるを謹み防ぐべし。官に在る者は上司の器重を得て、重用に委ねられん。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 好運すでに止まるも、忠厚なれば咎なし。
  • 財運: 内地にて販売すれば、なお利益あり。
  • 家宅: 忠厚にして粛穆なり。
  • 健康: 元気を培養すれば、自然と健康なり。

高島吞象の解釈

  • 時運: 目下、好運すでに終わる。ただその心に忠厚を存すれば、ゆえに咎なし。
  • 商業: 内地にて販売すれば、吉。
  • 家宅: 世代忠厚にして、内外粛穆、吉なり。
  • 戦争: 兵を増し餉を益し、内地を保護することを要とするに宜し。
  • 病気: 元気を培養すれば、薬せずして喜びあり。
  • 妊娠: 女児誕生。
  • 遺失物: すなわち家内にあり、いまだかつて失わず。
  • 旅人: 即日帰るべし。

変卦原文

損は、孚(まこと)あれば、元吉(げんきつ)にして、咎(とが)なし。貞(てい)にすべくして、往くところあるに利あり。曷(なに)をかこれ用いん。二簋(にき)用(もっ)て享(まつ)るべし。
解とは緩(かん)なり。緩(ゆる)くすれば必ず失うところあり。故にこれを受くるに損(そん)をもってす。

変卦の現代語訳

損卦。この卦を得れば、捕獲するものがあり、大吉にして有利であり、災いなく、心にかなう占いとなる。また、行くところ利益がある。人が二つの器の食べ物(簋)を送って寄こすので、口福を享受できる。『象辞』に言う:本卦の上卦は艮、艮は山;下卦は兌、兌は沢であり、山の下に沢があるのが損の卦象である。君子はこの卦象を観て、沢の水が山の麓を浸食するのを戒めとし、自らの憤怒を抑え、貪欲をふさぐ。

邵雍の解釈

下を損して上を益し、盈を損して虚を益す。先難後易、入るを量りて出ずるを制す。小吉:この卦を得る者は、己を損して人を利す。始めは滞りがあるものの、尽くしたことは必ず報われ、災い転じて福となす象である。

伝統的解卦

この卦は二つの単卦(下兌・上艮)が重なったものである。艮は山、兌は沢。山の下に沢があり、大沢が山の根元を浸食する。損と益は表裏一体であり、損の中に益があり、益の中に損がある。この二者の関係には慎重に対処しなければならない。下を損して上を益するやり方は、国を治める上で度を超せば国の根基を損なう。損ずべきは損ずべきだが、必ず力量を量り、適度にとどめる。少しく損じて益するのが最も良い。


三・卦例

このサイトの易経占いツールで卦を立て、この卦を実例の中で確認できます。梅花心易小六壬も利用できます。

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