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易経 · No.27 · 山雷頤

山雷頤(第27卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

本卦

六親納甲山雷頤
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応

本卦原文

頤(い)は、貞(ただ)しければ吉。頤を観る。自ら口実を求む。
物畜えられて然る後に養うべし。故にこれを受くるに頤(い)をもってす。

本卦の現代語訳

頤卦。占って吉兆を得る。養生(頤養)の道を探求するには、自食其力(自力で生計を立てること)にある。『象辞』に曰く:本卦は上卦が艮(山)、下卦が震(雷)であり、雷が山中より出でて万物が萌発する、これが頤卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、生命を育むことの難しさを思い、言動を慎んで災いを避け、飲食を節制して修身養性につとめる。

邵雍の解釈

養正養育、謹言節食。実務を観察し、自知審慎す。小凶:この卦を得た者は、言動および飲食において、すべて慎まなければならない。正道を堅守し、言動を慎み、陰謀を企てる者は災いを招く。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 生機顕達、謹言慎行。
  • 財運: 内外昇降、必ずしも流通せず。
  • 家宅: 防火に注意せよ。賢婦は夫に従う。
  • 健康: 上寒下熱、五日にして癒える。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 上止下動。下位の者が妄動して混乱を招くこと、あるいは機密漏洩、酒に酔っての論争に防備すべし。最も慎むべきである。
  • 功名: 山の下に雷あり。雷が鳴り響けば山もまた鳴る。声名騰達の象なり。
  • 商売: 『頤』の象は内が動き外が止まる。貨物が内地で動き昇り、外地で低落する象を主とする。また、貨物を外へ売り出しても一時的に販売できない恐れがある。その貨物は概ね食品に類する。
  • 家宅: 『艮』の山は止まろうとし、『震』の雷は動こうとする。山が上にあり、雷が下にあるため、地盤の震動を恐れる。火災を防ぐべきである。
  • 病気: 上止下動。山は土に属し、雷は火に属す。上焦が寒閉し、下焦が熱瀉する象を主とする。必ず五爻を待つべし。『象』に「順以て上に従う」とあり、上下が通順して初めて吉となる。一爻を一日とし、五日に至れば癒える。
  • 旅人: 内卦が動き外卦が止まる。すでに身を起こしたものの、外の用事によって阻止されている。上九に「大川を渡るに利あり」とあり、水路から来ることがわかる。近ければ六七日、遠ければ六七ヶ月で帰る。
  • 妊娠: 男児出産。
  • 遺失物: 山の下に雷あり。その物は重い物に押さえつけられて止まっており、一時的には見つからないが、のちに得られる。
  • 訴訟: 言葉や飲食の些細なこだわりから争いを起こすことを主とする。下が動こうとして上がこれを止めるため、必ず上官が出てきて阻止し、訴訟は最後まで行かない。
  • 婚姻: 頤は養うことなり。婦人は中饋(ちゅうき・家事飲食)を主り、養うの義あり。外が夫で内が妻、内が動いて外が止まる。婦が夫に従う象にして、吉なり。

伝統的解卦

この卦は異卦(下震上艮)が重なったものである。震は雷、艮は山。山が上にあり雷が下にあって、外実内虚である。春の暖かさに万物が養育され、時に従い賢人を養い民を育てる。陽実陰虚であり、実なる者は人を養い、虚なる者は人に養われる。自食其力(自力で生きる)の象。

  • 大象: 形は口腔の象に似ており、飲食の道を取る。言葉を慎み、日常生活を重んじるべきである。
  • 運勢: 物事に対処するにあたって周到な考慮を欠く。陰謀を心に抱くのは良くない。正道を堅守して善を行えば吉。
  • 事業: すべての事は個人の追求と自己の奮闘によるべきであり、他人に依存してはならない。まして不当な手段で財物を求めてはならない。正道に従い、自食其力し、言動を慎み機敏に行動すれば、必ずや良い機会に恵まれる。この時、辛苦の奮闘を経て成功に至ることができる。
  • 商売: 成功を急いではならない。初期はかろうじて生活を維持できる程度にとどまる。慎重に、順序を追って進め、誠実をもって人に接し、他人と真摯に協力し、時に適う判断を下し、絶えず新たな開拓の方向を模索すること。必要なときには適度な冒険も許される。
  • 名声: 自身の知識を豊かにすることを目的に、足るを知り安貧し、刻苦努力すれば、成功の希望は極めて大きい。
  • 婚姻: 成功を急いではならない。要諦は自身の修養を強めることにある。一度選んだら全力で追求すべきであり、決して二心を持ってはならない。
  • 判断: 道徳的修養に注意し、できる限り他人を助け、他人の急難を救うことを喜び、得るべきでない財物を貪ってはならない。それによって他人の尊重を受け、また絶えず外部からの援助を得ることができ、個人の事業は非常に順調に進み、成功する可能性が極めて高い。特に油断は大敵であり、「成就が大きければ阻害も大きい」という道理を肝に銘じるべきである。

二・爻辞

初九

本卦と変卦

六親納甲山雷頤六親納甲山地剥
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄妻財Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄子孫Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄  世
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世父母Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄妻財Yi Mao 乙卯▄▄           ▄▄
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄官鬼Yi Si 乙巳▄▄           ▄▄  応
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応 ○ →父母Yi Wei 乙未▄▄           ▄▄

爻辞原文

初九
爾(なんじ)の霊亀(れいき)を舎(す)てて、我を観て頤(い)を朶(た)る。凶。

爻辞の現代語訳

初九:自ら大量の財宝を蓄えていながら、なお他人の財物を羨み嫉むのは、必ず凶険な事態を招く。『象伝』に言う:他人の財物を羨み嫉むのは、高尚な行為ではない。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、財利を争うことで災いが生じる。大抵の場合、心根が善良で正道を固守する者は憂いなし。官職にある者は賄賂を受け取り、廉潔さを失う恐れがある。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 自己を捨てて他人を観るのみで、いたずらに虚名を慕うだけである。
  • 財運: 経営が順調にいかず、他人が利益を得ることになる。
  • 家宅: 心神喪失状態になりやすく、婚姻は調和しない。
  • 健康: 飲食によって病を得る。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 古の軍の行動には必ず占いによって吉凶を定めた。爻辞に「爾の霊亀を舎てて、我が頤を開くを観る」とあるのは、神明を恐れず、いたずらに財物を貪ることであるため、ゆえに「凶」と言う。
  • 商業: 初爻は一陽の始まりであり、変ずれば《剥》となる。《剥》とは解き剥がすことである。『象伝』に「往くところあるに不利」とあり、商売で利益を得るのは難しい恐れがある。爻辞の「爾」「我」とは主客を指し、「朵頤」とは口を動かして物を食べることである。「霊亀」を捨てて「朵頤」を観るのは、利益があっても他人に食い尽くされる恐れがあるため、ゆえに凶である。
  • 功名: 「霊亀」とは内面であり、「朵頤」とは外面である。内を捨てて外を求め、己を捨てて人を観るのは、いたずらに虚名を慕うだけであり、必ずや実学がなく、功名は成り難い。
  • 家宅: 家の中で精神(六神)が落ち着かず、外鬼が災いをもたらし、食物を求めて動く恐れがある。凶。
  • 病気: 病気は飲食の不摂生によるものである。神仏に祈りを捧げれば快癒する。
  • 婚姻: 「爾」と「我」とは、男女の両家を指す。「爾を舎てて」「我を観る」は、両家が調和しないことを顕著に示しており、その原因は結納品などの争いにあり、必ずや成就しない。成ったとしても必ず凶である。
  • 訴訟: 必ずや口舌の争いから禍端が開かれる。「我を舎てて」「爾を観る」と言うのは、双方がそれぞれの見解に固執し、一時的に理に服することができないことを示す。凶。

変卦原文

剥は、往くところあるに利あらず。
賁とは飾るなり。飾りを致して然る後に亨(とお)れば尽く。故にこれを受くるに剥(はく)をもってす。

変卦の現代語訳

剥の卦。往くところあれば不利なり。『象辞』に曰く:本卦は上卦が艮(山)、下卦が坤(地)であり、山が地の上にあって風雨に侵食される、これが剥の卦の象(かたち)である。君子はこの卦象を観て、山石の剥落や岩角の崩壊を戒めとし、それによって民心を厚く結びつけ、人民を安居楽業させる。

邵雍の解釈

剥削蝕爛、災情の憂いあり。進取は成し難く、時に順じて止まるべし。凶:この卦を得る者は、時運が振るわず、損失が多く、前進に阻害あり。時に順じて止まり、本分を守って自重するのがよい。

伝統的解卦

この卦は異卦(下坤上艮)が重なったものである。五つの陰が下にあり、一つの陽が上にある。陰が盛んで陽が孤立している。高山が地に附いている。二者ともに剥落の象であるため、「剥の卦」とする。この卦は陰が盛んで陽が衰えており、小人が勢力を得て君子が困窮し、事業が崩壊することを例えている。

二六

本卦と変卦

六親納甲山雷頤六親納甲山沢損
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄官鬼Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄  応
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄妻財Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世兄弟Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄兄弟Ding Chou 丁丑▄▄           ▄▄  世
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄  × →官鬼Ding Mao 丁卯▄▄▄▄▄▄▄
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応父母Ding Si 丁巳▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

六二
顚(さかしま)に頤(やしな)わる、経(つね)に払(もと)れり。丘に于(おい)て頤(やしな)わる、往けば凶。

爻辞の現代語訳

六二:口を養うために、山腹を開墾して耕作しなければならない。生計のために他人を掠奪するのは、凶険なことである。『象伝』に言う:六二の爻辞に掠奪すれば凶とあるのは、その行為が道義に反するからである。

邵雍の解釈

凶。この爻を得た者は、浮き沈みが激しく、是非が一定しない。凶であれば病が死に至る。官職にある者は左遷を防ぐ必要がある。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 僥倖によって成就することもあるが、結局は凶である。
  • 財運: 常理に反しており、損失を免れ難い。
  • 家宅: 正道を得ていない。婦道として議論の余地がある。
  • 健康: 頭がふらつき目がかすむ。注意して養生せよ。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 軍を進める要諦は、第一に規律が厳明で、歩調が整っていることである。爻に「頤を顛し、経に拂る」とあるのは、規律に背き、歩調が乱れることである。これ以上の凶はない。
  • 商業: 二爻が変ずれば《損》となる。《損》とは損失であり、商業にとって不利である。爻辞に「顛」と言い、「拂」と言うのは、売買の出入りが常理に合わないことを明言しており、ゆえに「征けば凶」と言う。
  • 功名: 「頤を顛し、経に拂る」とは、常道に従わず、僥倖によって成功を求めることである。得たとしても結局は凶である。
  • 婚姻: 六二は陰柔で下に居り、上に仕えずに反って下を養う。これを顛倒し拂乱して正道を得ていないと言い、婦道として問うに値しない。ゆえに『象伝』に「行い類を失うなり」と言い、凶であることが分かる。

変卦原文

損は、孚(まこと)あれば、元吉(げんきつ)にして、咎(とが)なし。貞(てい)にすべくして、往くところあるに利あり。曷(なに)をかこれ用いん。二簋(にき)用(もっ)て享(まつ)るべし。
解とは緩(かん)なり。緩(ゆる)くすれば必ず失うところあり。故にこれを受くるに損(そん)をもってす。

変卦の現代語訳

損卦。この卦を得れば、捕獲するものがあり、大吉にして有利であり、災いなく、心にかなう占いとなる。また、行くところ利益がある。人が二つの器の食べ物(簋)を送って寄こすので、口福を享受できる。『象辞』に言う:本卦の上卦は艮、艮は山;下卦は兌、兌は沢であり、山の下に沢があるのが損の卦象である。君子はこの卦象を観て、沢の水が山の麓を浸食するのを戒めとし、自らの憤怒を抑え、貪欲をふさぐ。

邵雍の解釈

下を損して上を益し、盈を損して虚を益す。先難後易、入るを量りて出ずるを制す。小吉:この卦を得る者は、己を損して人を利す。始めは滞りがあるものの、尽くしたことは必ず報われ、災い転じて福となす象である。

伝統的解卦

この卦は二つの単卦(下兌・上艮)が重なったものである。艮は山、兌は沢。山の下に沢があり、大沢が山の根元を浸食する。損と益は表裏一体であり、損の中に益があり、益の中に損がある。この二者の関係には慎重に対処しなければならない。下を損して上を益するやり方は、国を治める上で度を超せば国の根基を損なう。損ずべきは損ずべきだが、必ず力量を量り、適度にとどめる。少しく損じて益するのが最も良い。

三六

本卦と変卦

六親納甲山雷頤六親納甲山火賁
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄官鬼Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄妻財Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世兄弟Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  応
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄  × →妻財Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄兄弟Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応官鬼Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄  世

爻辞原文

六三
頤(やしな)うに払(もと)る。貞(てい)なれども凶。十年用うるなかれ。利するところなし。

爻辞の現代語訳

六三:養生の正道に背き、邪道によって生計を立てる。占えば凶兆である。十年間は不運が続き、永く利するところがない。『象伝』に言う:十年間不運であるとは、その行為が道義に大きく悖るからである。

邵雍の解釈

凶。この爻を得る者は、運勢が低迷し、荒唐無稽な事態に陥り、生死の離別に至るほどの痛手を被ることさえある。官にある者は、名誉を失い節操を汚す患いがある。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 行き詰まり、門を閉ざして反省すべき時である。
  • 財運: 久しく事を成し遂げ難く、利益を得る見込みがない。
  • 家宅: 家宅が安泰ではない。婚姻には十年の歳月を要する。
  • 健康: 痼疾(慢性病)は治り難い。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 師は貞(正)をもって吉とし、貞に違えば不吉となる。頤は養うことである。兵を養って用を成すに備えるべきであり、養う道に違えば、兵は用を成さない。『象』に「道大いに悖るなり」とあるのは、上に逆らい乱を好むことであり、その敗亡は必至であるため、凶となる。
  • 商業: 商売の要諦は利益を得ることにあるが、「利するところなし」と言い、商いの大小や買い付けの遠近を問わず、利益を得ることはできない。極まるところの「十年用うるなかれ」とは、久しく事の成らない様子であり、ゆえに凶である。
  • 功名: 功名を得る道は、世に出て用いられ、万民を利することにあり、これこそが道をもって天下を養うということである。もし『頤』の正道に背き、極まって「十年用うるなかれ」となれば、生涯用いられることなく終わるため、「利するところなし」と言う。
  • 家宅: この邸宅は久しく無人であったと思われ、物の怪が出没して食を求め、家宅が安泰でなく、住むには不利である。
  • 婚姻: 婦道の貞操が乱れることを主とし、その婚姻も十年を経てようやく成る。
  • 妊娠: 男児が生まれる。

変卦原文

賁は、亨(とお)る。小(すこ)しく往くところあるに利あり。
嗑とは合(ごう)なり。物もって苟(いや)しくも合うのみなるべからず。故にこれを受くるに賁(ひ)をもってす。

変卦の現代語訳

賁卦。通ず。往くところあるは小利あり。《象辞》に曰く:本卦は上卦が艮(山)、下卦が離(火)であり、山の下に火がある。火が群山を焼き照らす、これが賁卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、猛火が山を焼き、玉石ともに砕け、草木がことごとく尽きることを思い、これを戒めとし、もって諸般の政務を明察し、威猛をもって獄を断ずることをあえてしない。

邵雍の解釈

文飾を施して明らかにするが、外は実にして内は虚なり。憂いを隠し持つ時であり、実力を量って行動せよ。小凶:この卦を得る者は、表面は華やかであるが、内実は空虚で、虚が多く実が少ない。自己を充実させ、着実に物事を行い、身の程をわきまえて行動するのがよい。

伝統的解卦

この卦は二つの卦(下卦が離、上卦が艮)が重なり合って構成されている。離は火、明を示し、艮は山、止まるを示す。文明にして節度がある。賁卦は「文(飾り)」と「質(本質)」の関係を論じており、質を主として文で調節する。賁は文飾、修飾を意味する。

四六

本卦と変卦

六親納甲山雷頤六親納甲火雷噬嗑
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄子孫Ji Si 己巳▄▄▄▄▄▄▄
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄妻財Ji Wei 己未▄▄           ▄▄  世
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世 × →官鬼Ji You 己酉▄▄▄▄▄▄▄
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄  応
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

六四
顚(さかしま)に頤(やしな)わるるも吉なり。虎視眈々たり。その欲逐々(ちくちく)たり。咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

六四:求めるものは口を糊する(生計を立てる)程度にとどめ、人を害する心を抱かなければ吉。虎が獲物をねらうように鋭く観察し、人への防備の心は怠ってはならない。そうすれば天寿を全うし、悠然と自得して、災禍を免れる。『象辞』に言う:求めるものが口を糊する程度で足りるから吉なのであり、それは君上が広く恩恵を施し、民を養うに十分だからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、善人の助けを得て、謀りごとが思い通りに進む。官にある者は、祖先の恩恵を受け、寵愛を一身に浴びる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 英気を養い実力を蓄えれば、功名を期することができる。
  • 財運: 市場の動向を見極めれば、売買で利益を得られる。
  • 家宅: なお正道と言える。
  • 健康: 欲を少なくすれば安泰である。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 勇敢な兵士を虎臣または虎賁と呼び、いずれも力強いことを言う。しかし、その精鋭を十分に養ってから用いるべきであり、ただ武勇を恃んで軽々しく進むべきではない。ゆえに「顛頤、吉」と言う。
  • 商業: 「顛」は、一時的に物価が下落する兆しを懸念させる。「虎視眈々、その欲逐々」とは、商人が利を謀る様子に例えられ、安値を見極めて商品を仕入れることができるため、吉にして咎なしとされる。
  • 功名: 功名の兆しとして、古来より龍や虎に例えられることが多く、ゆえに吉である。「視ることを耽々」「欲すること逐々」とは、いずれも大志を抱いて栄達を謀る意志を表す。
  • 家宅: この邸宅は、右側の山(白虎)が高くそびえ、目を怒らせて食らおうとする形を成しているが、幸いにも四爻が陰の位に陰で居り、位が正しいため、咎はない。
  • 妊娠: 男児が生まれる。

変卦原文

噬嗑は、亨(とお)る。獄(ごく)を用うるに利あり。
観るべくして後に合うところあり。故にこれを受くるに噬嗑(ぜいごう)をもってす。

変卦の現代語訳

噬嗑の卦。通達す。訴訟や刑獄に有利である。『象辞』に曰く:本卦の下卦は震(雷)で、上卦は離(電)であり、雷電が交わるのが噬嗑の卦象である。先王はこの卦象を観て、威風堂々たる雷と幽暗を照らす電に法り、厳明な政治を行い、刑罰を明らかにし、法律を正した。

邵雍の解釈

硬い骨を噛み砕くような強硬な態度。障害が多く、積極的に解決を求める必要がある。凶:この卦を得た者は、物事が思い通りにいかず、紛争が避けられず、諸事阻害される。平穏を保つには、規律を堅く守り、利益に誘惑されないことである。

伝統的解卦

この卦は異卦(下震上離)が重なり合っています。離は陰卦、震は陽卦です。陰陽が交わり、硬いものを噛み砕くことから、恩威並施(恩情と威厳を共に行う)、寛厳結合(寛大さと厳格さを組み合わせる)、剛柔相済(剛強さと柔軟さが互いに補い合う)をたとえています。噬嗑(ぜいごう)は上下の顎が噛み合い、咀嚼することを意味します。

五六

本卦と変卦

六親納甲山雷頤六親納甲風雷益
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄兄弟Xin Mao 辛卯▄▄▄▄▄▄▄  応
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄  × →子孫Xin Si 辛巳▄▄▄▄▄▄▄
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世妻財Xin Wei 辛未▄▄           ▄▄
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄  世
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

六五
経(つね)に払(もと)れり。貞(てい)に居れば吉なり。大川(たいせん)を渉(わた)るべからず。

爻辞の現代語訳

六五:荒地を開墾し、平穏に日々を過ごせば、占って吉兆を得る。この爻を得た場合、水に入って河を渡るような危険なことは避けるべきである。『象辞』に言う:平穏に正道を守ることで吉となるのは、その人が分をわきまえ道に従い、君上に従順だからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、頼るべき後ろ盾を得て事を成せるが、舟で険難な水路を渡るようなことは避けるべきである。官にある者は、他者の引き立てによって功を成し、地位を保つことができる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 固く守るのがよく、急進すれば成就し難い。
  • 財運: 行商(移動する商売)は不利だが、坐商(店を構える商売)なら良い。
  • 家宅: 山暮らしが比較的適しており、一人の夫に付き従えば吉である。
  • 健康: 静かに療養すべきであり、疲労を重ねると治り難い。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 用兵の道には常経(原則)と権変(臨機応変)があり、臨機応変に対応できるならば、必ずしも原則に固執する必要はない。ゆえに「経に拂(もと)る」も咎なしとされる。「貞に居れば吉」とは、固く守るのがよく、進攻すべきではないということである。「大川を渡るべからず」とは、河川を渡る際に伏兵の恐れがあること、または舟での移動に風波の難があることを懸念するものであり、すべて慎重であるべきである。
  • 商業: 店を構えて商売をするには利があるが、行商には不利であり、商品を国外へ運ぶのはさらに憂慮される。
  • 功名: 試験に臨んでも、合格や名を成すことは難しい。
  • 家宅: 上体が『艮』に属するため、山暮らしであれば吉であるが、川や水に近い場所にある邸宅であれば不利である。
  • 婚姻: 正式な手続きを経ない婚姻の恐れがあるが、操を守って終生添い遂げるならば、これもまた吉となる。
  • 妊娠: 男児が生まれる。
  • 病気: 病は五爻にあり、長引けば四、五ヶ月、短ければ五、六日。養生の誤りが原因である。静かに療養すれば吉であるが、風雨にさらされたり遠路を行けば、治療は極めて困難となる。

変卦原文

益は、往くところあるに利あり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。
損して已(や)まざれば必ず益(ま)す。故にこれを受くるに益(えき)をもってす。

変卦の現代語訳

益卦。これを得るは、往くところあるに利あり、大川を渡るに利あり。《象辞》に曰く:本卦は上卦が巽にして巽は風、下卦が震にして震は雷。風雷激荡するは益の卦象なり。君子はこの卦象を観て、風雷の威力に畏れおののき、もって善を見ればすなわちこれに従い、過ちあればすなわちこれを改む。

邵雍の解釈

上を損して下を益し、奮発して為すあり。進取して名を成し、商賈は利を得る。小吉:この卦を得る者は、まさに好運に当たり、奮発して進図し、人の助けを得て名利を獲得す。

伝統的解卦

この卦は異卦(下震上巽)が重なる。巽は風、震は雷。風雷激荡し、その勢いはますます強く、雷はますます響き、風と雷は相助けて互いに長じ、交々相助益す。この卦は損卦と相反する。これは上を損して下を益するものであり、後者は下を損して上を益するものである。二卦は損益の原則を解き明かしている。

上九

本卦と変卦

六親納甲山雷頤六親納甲地雷復
兄弟Bing Yin 丙寅▄▄▄▄▄▄▄  ○ →子孫Gui You 癸酉▄▄           ▄▄
父母Bing Zi 丙子▄▄           ▄▄妻財Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
妻財Bing Xu 丙戌▄▄           ▄▄  世兄弟Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄  応
妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄兄弟Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄
兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄官鬼Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄
父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  応妻財Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄  世

爻辞原文

上九
由(よ)って頤(やしな)わる。厲(あやう)くして吉。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。

爻辞の現代語訳

上九:生活の正道に従えば、始めは困難であるが最後は吉となる。この爻を得れば、大川を渡る(困難を乗り越える)に利あり。《象辞》に曰く:生活の正道に従えば、始めは困難であるが最後は吉となるのは、善人には最終的に善い報いがあるからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得れば、計画や事業は成就し、何事も順調に進む。官職にある者は爵禄が重なり、学問を志す者は佳き成績を収める。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 慎重に努力すれば、成功を収めることができる。
  • 財運: 苦労して経営してこそ、収穫が得られる。
  • 家宅: 一家揃って無事息災である。
  • 健康: 危険はあるが、大障りはない。

高島吞象の解釈

  • 戦争: 諺に「兵を養うこと千日、用は一朝にあり」と言うように、戦場で力を発揮できるのは、平時の教養によるものである。ゆえに「由頤(養うことに拠る)」と言う。兵事は危険なことであり、幾多の危険と困難を経て初めて勝ち戦の功を得るため、「厲(あやう)けれども吉」と言う。「大川を渡るに利あり」とは、将兵が心を一つにして険難に臨み、危機を避けないことであり、周の軍勢が盟津に会し、諸葛孔明が瀘水を渡ったのがこれにあたる。
  • 商業: 商売はもっぱら利益を図るものであり、利益を得てこそ身を養い家を養うに足る。しかし、商人は安住して利益を得ることはできず、必ずや険路を経て、あるいは遠く重洋を渡って初めて利益を得るため、「厲(あやう)けれども吉」と言う。
  • 功名: 功名への道は、小より大へ、卑より尊へと進むが、必ず憂い勤め慎み励むことで、功を成し名を遂げることができる。《象》に「大いに慶びあるなり」とあるのは、これを得て喜びがあることを言っている。
  • 病気: 危険はあるが救われるため、「厲(あやう)けれども吉」と言う。
  • 妊娠: 男児が生まれる。ゆえに《象》に「大いに慶びあるなり」と言う。

変卦原文

復は、亨(とお)る。出入り疾(やまい)なし。朋(とも)来りて咎(とが)なし。その道を反復す。七日にして来り復す。往くところに利あり。
剥とは剥(は)ぐなり。物もって尽くるに終わるべからず。剥は上に窮まれば下に反(かえ)る。故にこれを受くるに復(ふく)をもってす。

変卦の現代語訳

復の卦。通達して順調。出かけるのも居るのも病なし。利益を得られて災いなし。往来して七日にして戻る。往くところあれば利あり。《象辞》に言う:本卦の内卦は震(雷)であり、外卦は坤(地)である。天寒く地凍り、雷は地中に返り帰る。往きて復(かえ)り、時に従い戻る。これが復の卦の象である。先王はこの卦象を見て雷に法(のっと)り、冬至の日に関所を閉じ、旅人を通さず、君主もまた諸国を巡視しなかった。

邵雍の解釈

循環して往復し、生機が再び萌す。成功は間近にあるが、焦れば即ち敗れる。小吉:この卦を得る者は、時運が好転し、勢いに乗って行動すれば物事は成就するが、急進しすぎてはならない。

伝統的解卦

この卦は異卦(下震上坤)が重なったものである。震は雷・動を表し、坤は地・順を表す。動けば順(したが)い、自然の理に順ずる。動きが順の中にあり、内陽外陰にして、順序に従って動き、進退自如であるため、前進するに利がある。


三・卦例

このサイトの易経占いツールで卦を立て、この卦を実例の中で確認できます。梅花心易小六壬も利用できます。

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