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易経 · No.55 · 雷火豊

雷火豊(第55卦)の卦辞、爻辞、変卦、伝統的解釈をまとめた易経資料。

本卦

六親納甲雷火豊
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄

本卦原文

豊は、亨(とお)る。王これに仮(いた)る。憂うるなかれ、日中に宜(よろ)し。
その帰する所を得る者は必ず大なり。故にこれを受くるに豊(ほう)をもってす。

本卦の現代語訳

豊卦。祭祀を執り行えば、王自ら宗廟に臨む。憂うるなかれ、日中(正午)が宜しい。『象辞』に曰く:本卦の上卦は震であり、震は雷となる。下卦は離であり、離は電となる。電光と雷鳴は天が示す重大な天象であり、これが豊卦の卦象である。君子はこの卦象を観て、電光と雷鳴の明察と威厳を感じ取り、もって訴訟を裁断し、刑罰を執行する。

邵雍の解釈

盛大にして豊満、財を得て利を博す。謀望は遂げられ、必ず喜慶がある。小吉:この卦を得た者は、運勢がまさに強く、謀る事は成る。名利双収。ただし過貪は宜しくなく、足るを知って常に楽しむべきである。喜びが極まって悲しみが生じることや、財を損なうこと、さらには火災を防ぐよう謹むべし。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 気勢はまさに盛んであり、謹んで小心たるべし。
  • 財運: 得る利益は甚だ豊かであるが、訴訟を防ぐ必要がある。
  • 家宅: 東南に向かうが宜しい。天作の合(天の配剤による良縁)なり。
  • 健康: 肝火の上昇あり、安静にするのが良い。

高島吞象の解釈

  • 時運: 運気は旺盛であるが、豊かさに満ちている時こそ衰退の時を忘れてはならない。そうすれば、この豊かさを長く保つことができる。
  • 商業: 財利は豊かであるが、公平さを保ち慎ましく守らなければならない。さもなければ訴訟や巻き添えを被る恐れがある。
  • 功名: 雷電は威名と発達の象(かたち)であり、刑官の職に適している。
  • 戦争: 雷と電がともに至り、兵威が赫々として声勢が遠くまで広がり、攻めれば必ず勝つ。
  • 婚姻: 世間では雷を公、電を母と呼び、これは天の合である。
  • 家宅: 住居の向きは東南が良く、財気は極めて豊かである。
  • 病気: 肝火上昇の症であり、肝を静め火を下げる剤が良く、特に安静にすることが望ましい。
  • 遺失物: いずれも速やかに追究すれば、得ることができる。
  • 旅人: 訴訟やトラブルに巻き込まれるのを防ぐべきである。
  • 妊娠: 奇数月は男児、偶数月は女児が生まれる。

伝統的解卦

この卦は異卦(下離上震)が重なったもので、電光が走り雷が鳴り響き、偉大な成果を収め、絶頂期に達して日中天にあるかのようである。戒め:物事が相反する方向へ発展すること、盛衰は無常であることを深く認識し、警戒を怠ってはならない。

  • 大象: 雷電が交加し、その勢いは壮大であり、また離の太陽が天に動いて大地をあまねく照らす。いずれも盛大な象である。
  • 運勢: 運勢は極めて強く、収穫の時であるが、貪り求めて飽くなきことは避けるべきである。足るを知って常に楽しむべきで、口論や揉め事、損失、さらには火災に注意しなければならない。
  • 事業: 非常に順調な全盛期にあり、各方面で物事が滞りなく進み、大きな成果を収める。しかし、兆し始めた衰退の兆候に必ず注意し、微細なうちに防ぎ、驕り高ぶりを厳に慎むべきである。同時に、非現実的なことを盲目的に追い求めることなく、現在の状況を長く維持することに全力を尽くすべきである。
  • 商売: 市場の動向を正確に把握したことで、商況は自分に極めて有利であり、大胆に発展させることができる。しかし、必ず相場を注視し情報を分析しなければならない。少しの油断で一夜にして破産することもあり得る。万一破産した場合は、直ちに教訓を総括し、誠実な協力者を求めて早期に苦境から脱すべきである。
  • 名声: 努力と奮闘を経てすでに成果を得ている。維持と着実な発展に努めるべきであり、虚名を追い求めてはならない。
  • 婚姻: 成功し、満ち足りた幸福を得ることができる。しかし、もし一方が自己の条件の変化を盾に動揺すれば、不利を招くことになる。
  • 判断: 生まれつき聡明で条件にも恵まれているため、各方面で非常に順調である。しかし、人生無常の真理を深く認識し、すべてにおいて適度を保ち、物極まれば必ず反転することを忘れてはならない。また、自己を閉ざして苦境に陥るべきではなく、決して失望してはならない。

二・爻辞

初九

本卦と変卦

六親納甲雷火豊六親納甲雷山小過
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄父母Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世兄弟Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄官鬼Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄  世
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄兄弟Bing Shen 丙申▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応官鬼Bing Wu 丙午▄▄           ▄▄
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄  ○ →父母Bing Chen 丙辰▄▄           ▄▄  応

爻辞原文

初九
其(そ)の配主(はいしゅ)に遇(あ)う。旬(じゅん)といえども咎(とが)なし。往けば尚(たっと)ぶことあり。

爻辞の現代語訳

初九:旅の途中で一人の女主人に温かく迎えられ、その寡婦と夫婦となる。占うと、人々の非難を受けることはなく、むしろ賛同を得られる。『象辞』に曰く、十日のうちは災いがないが、一旬(十日)を超えれば災いがあるという意味である。

邵雍の解釈

平。この爻を得る者は、貴人に引き立てられて望みが叶う。良くない者は大きな過ちを犯し、必ず災いを受ける。官職にある者は明君に出会い、昇進する。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 貴人の助けがあり、十年の好運に恵まれる。
  • 財運: 貨物が時宜に適っており、十日以内に利益が得られる。
  • 家宅: 安住してよい。婚姻は急ぐのがよい。
  • 健康: 良医にかかれば十日で治るが、長引けば治療できなくなる。

高島吞象の解釈

  • 時運: その助けを得て、十年の好運を得ることができる。
  • 商業: 売り出すのにちょうどよい貨物があり、十日以内に売れば利益が得られるが、十日を過ぎると不利になる。
  • 功名: 「邂逅して相遭う、我が願いに適えり」、その日のうちにも良い知らせがある。
  • 戦争: 両軍が対峙しており、速やかに進軍すべきである。十日を過ぎると敗色が濃厚となる恐れがある。
  • 婚姻: 縁談は互いに釣り合っており、即日まとまる。遅れれば調和しない。
  • 病気: 良医に出会えれば、十日以内に治る。長引けば治療できなくなる。
  • 訴訟: 賢明な役人に出会えればすぐに解決するが、長引けば解決せず、外部からの災いがある恐れがある。
  • 遺失物: 速やかに探すのがよい。
  • 妊娠: 女子が生まれる。

変卦原文

小過は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。小事(しょうじ)に可(か)なるも大事に可ならず。飛鳥(ひちょう)これが音(ね)を遺(のこ)す。上(のぼ)るに宜(よろ)しからず下(くだ)るに宜(よろ)し。大いに吉。
その信ある者は必ずこれを行なう。故にこれを受くるに小過(しょうか)をもってす。

変卦の現代語訳

小過の卦。亨る、これは吉なる貞卜なり。ただし小事に宜しく、大事に宜しからず。飛鳥の空を過ぐるが如く、鳴き声は耳辺に留まる。人々に警告す:高きに登れば必ず険に遭い、下るに行けば則ち吉なり。《象辞》に曰く:本卦の下卦は艮、艮は山;上卦は震、震は雷。山上に雷あるは小過の卦象なり。君子はこの卦象を観て天雷を畏れ、過失あるを敢えてせず。ゆえに行事は恭謙に過ぎず、喪に居るは哀傷に過ぎず、用度は節倹に過ぎず、ただ適中を得るのみ。

邵雍の解釈

陰順にして陽困しみ、柔軟に事を用いる。謹んで自らを持し、急進するは宜しからず。凶:この卦を得る者は、諸事不利にして小事を行うに宜しく、大事を成すに宜しからず。さらに自身の過失により是非の争訟を招くを防ぐべし。

伝統的解卦

この卦は異卦(下艮上震)が相重なる。艮は山、震は雷、山を過ぎて雷が鳴る、畏れざるべからず。陽を大とし、陰を小とす。卦外の四陰が中二陽を超えているため「小過」と称し、小なるものが過ぎることあり。

二六

本卦と変卦

六親納甲雷火豊六親納甲雷天大壮
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄兄弟Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世子孫Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄父母Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄  世
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄兄弟Jia Chen 甲辰▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応 × →官鬼Jia Yin 甲寅▄▄▄▄▄▄▄
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄妻財Jia Zi 甲子▄▄▄▄▄▄▄  応

爻辞原文

六二
其の蔀(しとみ)を豊(おお)いにす。日中に斗(と)を見る。往けば疑疾(ぎしつ)を得(え)ん。孚(まこと)ありて発若(はつじゃく)たれば、吉なり。

爻辞の現代語訳

六二:小さな敷物を繋ぎ合わせて横になり休む。正午の時刻に、ある者が北斗星が見えると言う。旅の仲間に精神の錯乱した者がいるようだ。彼を刺激すれば、あるいは正気に戻るかもしれない。『象辞』に曰く、心に誠信があれば、一言一行にそれが表れる。これは率直に己の願いを表現したものであるからだ。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、長く困窮した後に財を成す美事がある。訴訟があれば弁明せずとも自ずと明らかになり、病人は快癒する。官職にある者は、忠言が邪説に阻まれがちで、先に失って後から得る。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 正道を堅守すれば、凶を転じて吉となる。
  • 財運: 誠意をもって人に接すれば、雲が開けて月が現れる。
  • 家宅: 明るくするのがよい。初めは疑うが、最後には調和する。
  • 健康: 心痛や塞ぎ込みの症であり、諭し導く必要がある。

高島吞象の解釈

  • 時運: 苦難に遭っても固く貞節を守ることで、自ずと凶を転じて吉とできる。
  • 商業: 見識が不透明で、まるで白昼なのに暗いようであり、用事をこなせず疑心暗鬼を生む。至誠をもって人に接し、人の助けを得て初めて利益を得る。
  • 功名: 初めは凶だが、最後には吉となる。
  • 戦争: 豊かな林や生い茂る草の中に軍を駐留させ、伏兵して動かない。進めば不利になる恐れがある。敵兵の内応を待って一挙に発動すれば、必ず大勝する。吉。
  • 婚姻: 初めは疑うが、最後には調和する。
  • 家宅: この住居は草木が繁茂しすぎて日光が遮られ、窓が暗くなっている。切り開いて明るくすれば吉となる。
  • 病気: 心が晴れず、疑いが積もって病となったものである。穏やかな言葉で諭し導くのがよい。疑念が晴れれば、病体は自ずと癒える。
  • 遺失物: 塵や汚れに覆われている。雑草を払い除ければ見つかるだろう。あるいは升や斗といった器の間にある。
  • 妊娠: 女子が生まれる。

変卦原文

大壮は、貞(ただ)しきに利あり。
遯とは退(しりぞ)くなり。物もって遯に終るべからず。故にこれを受くるに大壮(たいそう)をもってす。

変卦の現代語訳

大壮卦。吉の占い。《象辞》に言う:本卦の上卦は震(雷)、下卦は乾(天)であり、天の上で雷が鳴り響くのが大壮の卦象である。君子はこの卦象を観て、激しい雷を畏れ、礼法が厳格であることに倣い、威を畏れて恐れを知り、ただ礼のみを遵守する。

邵雍の解釈

光明正大、強盛壮大。容認と和気を心がけ、衝動を忌むべきである。小吉:この卦を得る者は、運勢が強盛すぎるため、心を平穏にし、慎重に行動すべきである。さもなくば必ず過失が生じる。

伝統的解卦

この卦は異卦(下乾上震)が重なったものである。震は雷、乾は天を表す。乾は剛で震は動く。天に雷が鳴り響き、雲と雷が激しく回転し、その勢いは極めて盛んで、陽気が満ちて万物が成長する。剛壮で力強いため「壮」と言い、大いにして盛んなため「大壮」と名付けられる。四つの陽が盛んであり、積極的で行動的、上も下も正しく、筋道が通っている。

三九

本卦と変卦

六親納甲雷火豊六親納甲震為雷
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄妻財Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄  世
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世官鬼Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄子孫Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄  ○ →妻財Geng Chen 庚辰▄▄           ▄▄  応
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応兄弟Geng Yin 庚寅▄▄           ▄▄
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄父母Geng Zi 庚子▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

九三
其の沛(はい)を豊(おお)いにす。日中に沬(まい)を見る。其の右の肱(ひじ)を折る。咎(とが)なし。

爻辞の現代語訳

九三:敷き草を厚くして横になり休む。正午の時刻に、この者がまた幽霊を見たと言う。彼の右腕を折る。この驚きによって、あるいは彼は静かになるかもしれない。『象辞』に曰く、敷き草を厚くすることは大した役には立たない。右腕を折れば、彼は生涯の障害者となってしまう。

邵雍の解釈

平。この爻を得る者は、計画が通りにくく、あるいは明敏でありながら遮られ、争い事や訴訟が日々起こる。または手足に疾患があり、物事を進めがたい。官職にある者は、退職の兆しがある。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 気運が乱れており、災難を防ぐ必要がある。
  • 財運: 価格の変動が予測しづらく、かなりの損失がある。
  • 家宅: 一時的に身を寄せることしかできない。
  • 健康: 右腕に怪我をする。

高島吞象の解釈

  • 時運: 運勢が乱れており、明らかな白昼であってもまるで黒夜のようである。災禍に防備せよ。幸いにも一時的に身体や命にはまだ異常はない。
  • 戦争: 「沛」はあるいは「旆」とも作り、旗がはためき軍を率いて前進することを言う。風雲の急変を防ぎ、にわかに暗くなり右軍に損失が出るのを防ぐこと。
  • 商業: 物価の不測の乱高下を防ぎ、消耗や損失を被るのを防ぐべし。
  • 功名: 終には用いるべからず。
  • 病気: 右腕(右肱)を損なうを防ぐべし。
  • 家宅: 田園は荒廃し、水草が生い茂り、右側の母屋はすでに傾いている。一時的な住まいにすぎず、終には用いるべからず。
  • 妊娠: 女児が生まれる。

変卦原文

震は、享(とお)る。震の来(きた)るとき虩々(げきげき)たり。笑言唖々(しょうげんあくあく)たり。震は百里を驚かす。匕鬯(ひちょう)を喪(うしな)わず。
器を主(つかさ)どる者は長子にしくはなし。故にこれを受くるに震(しん)をもってす。

変卦の現代語訳

震卦。祭祀に臨む時、雷鳴が轟き渡り、ある者は恐怖で震え上がるが、しばらくすると平然と談笑できるようになる。巨雷が突如として響き、百里四方を震え上がらせても、ある者は平然として酒杓を手に持ち、一滴の酒もこぼさない。《象辞》に曰く:本卦は上卦・下卦ともに震であり、震は雷である。ゆえに巨雷が連動して響くのが震卦の象形である。君子はこれを見て、戒め恐れて自らの身を修め省みる。

邵雍の解釈

重なる雷が響き渡り、奮起して努める。先には難しく後には易しく、先には苦しく後には甘い。小吉:この卦を得る者は、奮起して振るい立てば大いに為すところがあるが、外見は華やかでも内実には困難がある恐れがあるため、言動を慎んで損失を防ぐべきである。

伝統的解卦

この卦は同卦(下震上震)が重なったものである。震は雷であり、二つの震が重なることで響きが大きくなり、沈鬱な気を取り除き、物事を通達させる。平素より安きに居て危うきを思い、畏怖の念を抱いて怠ることなければ、不意の事変に遭遇しても、泰然自若として普段通り談笑していられる。

四九

本卦と変卦

六親納甲雷火豊六親納甲地火明夷
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄父母Gui You 癸酉▄▄           ▄▄
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世兄弟Gui Hai 癸亥▄▄           ▄▄
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄  ○ →官鬼Gui Chou 癸丑▄▄           ▄▄  世
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄  応

爻辞原文

九四
其の蔀(しとみ)を豊(おお)いにす。日中に斗(と)を見る。其の夷主(いしゅ)に遇(あ)えば、吉なり。

爻辞の現代語訳

九四:小さな敷物を繋ぎ合わせて横になり休む。正午であるのに、この人はまだ北斗星が見えると言っており、正気に戻っていないようである。幸いにも昔の主に出会い、その身を委ねることで、ようやく静かで平安を得られた。《象辞》に言う:小さな敷物を繋ぎ合わせて随所で休むとは、居るべき場所が不適当だからであり、九四の陽爻が陰位に居るようなものである。正午に北斗星を見るのは、天が暗く閉ざされているためであろう。昔の主に出会うのは、吉なる行いである。

邵雍の解釈

平。この爻を得る者は、賢明ながらも覆い隠されるが、人の助けを得て吉となる。官にある者は、上司や同僚から猜疑され、地位が不安定になる。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 境遇は思わしくないが、暗きより明きへと向かう。
  • 財運: 暗愚から脱し、買い手を見出す。
  • 家宅: 成敗は人により、良縁に巡り合う。
  • 健康: 眼病は名医を待つべし。

高島吞象の解釈

  • 時運: かつては人に欺かれていたが、今は改め改作することができ、良い境遇を得て吉となる。
  • 戦争: 兵は深谷に入り、進路を知らず、日の光も見えない。幸いにも道案内に出会い、前進することができる。
  • 商業: 以前は商品の本物と偽物が混ざり合って販売しにくかったが、今ようやく買い手に出会い、利益を得ることができる。
  • 功名: この絶好の機会を得て、名はたちまちにして立ち、吉なり。
  • 婚姻: 良縁に巡り合い、吉なり。
  • 家宅: この邸宅は位置が不適当で、薄暗く不明瞭であることに苦しむが、ふさわしい人に出会って一新されれば吉となる。
  • 病気: 病は目の中に翳(かすみ)が生じ、視力を失っているが、名医を得て治癒する。
  • 妊娠: 男児が生まれる。

変卦原文

明夷は、艱貞(かんてい)に利あり。
晋とは進なり。進めば必ず傷(やぶ)るるところあり。故にこれを受くるに明夷(めいい)をもってす。

変卦の現代語訳

明夷の卦。艱難の事を占うに利あり。《象伝》に曰く:本卦の内卦は離で、離は日。外卦は坤で、坤は地。太陽が地中に入るは、明夷の卦象なり。君子はこの卦象を観て、民を治め政を理するに、苛察をもって明とせず、外は愚にして内は慧、物を容れ衆に親しむ。

邵雍の解釈

日は地中に入り、光明傷つけらる。万事滞り、時運を待つべし。凶:この卦を得る者は、時運あたらず、事ごとに労苦あり、正道を堅守し、忍耐自重して時機を待つが宜しい。

伝統的解卦

この卦は異卦(下離上坤)が重なる。離は明、坤は順。離は日、坤は地。日は地に入り、光明損なわれ、前途は不明、環境は困難なり。時に従い光を養い、正道を堅守し、外は愚にして内は慧、韜光養晦(才能を隠し時期を待つ)するが宜しい。

五六

本卦と変卦

六親納甲雷火豊六親納甲沢火革
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄官鬼Ding Wei 丁未▄▄           ▄▄
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世 × →父母Ding You 丁酉▄▄▄▄▄▄▄
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ding Hai 丁亥▄▄▄▄▄▄▄  世
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄  応

爻辞原文

六五
章(しょう)を来(きた)せば、慶誉(けいよ)あって、吉なり。

爻辞の現代語訳

六五:美玉を手に入れ、皆が祝い称える。これは吉兆である。《象辞》に言う:六五の爻辞が示す吉は、慶事があるからである。

邵雍の解釈

吉。この爻を得る者は、良き人に引き立てられ、望み通りになる。学問をする者は佳き成績を収める。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 実至りて名帰し、自然と吉祥なり。
  • 財運: 商売が成功し、名利が共に至る。
  • 家宅: 名門の家柄であり、天作の合なり。
  • 健康: 名医がこれを治療する。

高島吞象の解釈

  • 時運: 盛運が大いに来たり、実至りて名帰す。吉これより大なるはなし。
  • 商業: 貨物の往来で利益を得られないことはなく、さらに名声を得る。
  • 功名: 恩賞を授かり、名利を兼ね備え、大吉なり。
  • 婚姻: 天の配剤による良縁で、家柄も顕れ、嫁入り道具も豊かであり、吉なり。
  • 戦争: 戦わずして成功し、凱歌を奏して帰り、封賞を授かる。吉なり。
  • 家宅: 必ずや名門として表彰される。吉なり。
  • 病気: 名医が自らやって来て、ただちに全快する。
  • 訴訟: 訴訟が解決し、かつ褒賞を得る。
  • 旅人: 即日帰還することができ、かつ慶事がある。
  • 遺失物: 探さずとも自らやって来る。
  • 秋の収穫: 大いなる豊年なり。
  • 財を求める: 求めずとも自ら至る。
  • 妊娠: 男児が生まれる。貴を主る。

変卦原文

革(かく)は、己日(きじつ)にして乃(すなわ)ち孚(まこと)あり。元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。悔亡(ほろ)ぶ。
井道は革(あらた)めざるべからず。故にこれを受くるに革(かく)をもってす。

変卦の現代語訳

革卦。祭祀の日に捕虜を生贄とすれば、願い事は通り、吉なる占いとなる。後悔はない。《象辞》に曰く:本卦の外卦は兌、兌は沢。内卦は離、離は火。内から蒸され外から迫られ、水は涸れ草は枯れる。あたかも沢の中に大火が燃え盛るかのようであり、これが革卦の卦象である。君子はこれを見て、沢水の増減や草木の枯栄の周期的な変化を理解し、暦法を修め、時節を明らかにする。

邵雍の解釈

物事に変動が多く、正道を固守すべき時。天に従い人に順じ、変革を実施する。小吉:この卦を得た者は、万事が変動の中にあり、旧きを去って新しきを立てることで変革の象に応じるのが宜しく、そうすれば吉祥を得る。

伝統的解卦

この卦は異卦(下が離、上が兌)が重なったものである。離は火、兌は沢であり、沢の内には水がある。水が上にありて下を潤し、火が下にありて上昇する。火が盛んなれば水は干上がり、水が多ければ火は消える。二者は相生しつつ相克し、必ず変革が生じる。変革は宇宙の根本法則である。

上六

本卦と変卦

六親納甲雷火豊六親納甲離為火
官鬼Geng Xu 庚戌▄▄           ▄▄  × →兄弟Ji Si 己巳▄▄▄▄▄▄▄  世
父母Geng Shen 庚申▄▄           ▄▄  世子孫Ji Wei 己未▄▄           ▄▄
妻財Geng Wu 庚午▄▄▄▄▄▄▄妻財Ji You 己酉▄▄▄▄▄▄▄
兄弟Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄官鬼Ji Hai 己亥▄▄▄▄▄▄▄  応
官鬼Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄  応子孫Ji Chou 己丑▄▄           ▄▄
子孫Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄父母Ji Mao 己卯▄▄▄▄▄▄▄

爻辞原文

上六
其の屋(おく)を豊(おお)いにす。其の家を蔀(しとみ)す。其の戸(こ)を闚(うかが)うに、闃(げき)として其れ人なし。三歳まで覿(み)ず。凶。

爻辞の現代語訳

上六:家の中はがらんどうで、屋根には粗末なむしろが乱雑にかけられ、門の隙間から覗き見ても一人もいない。どうやらここは長年人が住んでいないようである。これは不祥の兆しである。《象辞》に言う:家を増改築するのは、この人が鳥が青空を飛ぶように志を得て満足し、大いなる財をなしたかのようである。門の隙間から覗き見ても一人もいないのは、財が多すぎて身を害し、不測の災難に遭って逃げ延びたからである。

邵雍の解釈

凶。この爻を得る者は、骨肉相食み、祖を離れて家を成すが、口舌の争いは免れ難い。官職にある高位の者は危機あり。

傅佩栄の解釈

  • 時運: 命あって人なき、想像に堪えず。
  • 財運: 営む人なく、一策もなし。
  • 家宅: 没落の家。婚姻は不吉。
  • 健康: 大限まさに至らんとする。

高島吞象の解釈

  • 時運: 家あって人なし、大凶の象。
  • 戦争: 営塁空しく、敗亡の象。
  • 商業: 貨物は空しく存するも、管理する人なし、凶。
  • 功名: 身すでに保たざるに、名いずくにか有らん?
  • 婚姻: 凶です。
  • 家宅: 田園富むといえども、必ずや破落の戸であり、人煙稀にして、凶。
  • 病気: 命長くあらず、凶。
  • 旅人: 帰聚の期なし。
  • 妊娠: 男児が生まれるが、不育を防ぐべし。

変卦原文

離は、貞(ただ)しきに利あり。亨(とお)る。牝牛を畜(やしな)う、吉なり。
坎とは陥(おちい)るなり。陥れば必ず麗(つ)くところあり。故にこれを受くるに離(り)をもってす。離とは麗くなり。

変卦の現代語訳

離卦。吉なる占問、通泰なり。牝牛を飼えば吉。《象辞》に曰く:今朝も太陽が昇り、明日も太陽が昇り、相継いで休むことがないのが離卦の卦象である。貴族や王公はこの卦象を観て、絶え間ない光明をもって四方を照らし臨むのである。

邵雍の解釈

光明に付麗し、謙虚に緩やかに進む。公正かつ柔和であり、順法を守れば吉。小吉:この卦を得た者は、謙虚かつ慎重に、着実に進めば前途は明るい。急進したり意気地を通したりする者は必ず損失を被る。

伝統的解卦

この卦は同卦(下離上離)が重なったものである。離とは麗(付着する)であり、一つの陰が上下二つの陽に付着している。この卦は火を象徴し、内は空で外は明るい。離は火であり、明である。太陽は繰り返し昇り沈み、運行して休まず、柔順を心とする。


三・卦例

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