易経 · No.36 · 地火明夷
明夷は、艱貞(かんてい)に利あり。 晋とは進なり。進めば必ず傷(やぶ)るるところあり。故にこれを受くるに明夷(めいい)をもってす。
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明夷は、艱貞(かんてい)に利あり。 晋とは進なり。進めば必ず傷(やぶ)るるところあり。故にこれを受くるに明夷(めいい)をもってす。
家人は、女(じょ)の貞(ただ)しきに利あり。 夷とは傷(やぶ)るるなり。外に傷るる者は必ずその家に反(かえ)る。故にこれを受くるに家人(かじん)をもってす。
睽は小事には吉なり。 家道窮まれば必ず乖(そむ)く。故にこれを受くるに睽(けい)をもってす。
蹇は、西南に利あり、東北に利あらず。大人(たいじん)を見るに利あり、貞(ただ)しくして吉。 睽(けい)とは乖(そむ)くなり。乖(そむ)けば必ず難あり。故にこれを受くるに蹇(けん)をもってす。
解は、西南に利あり、往くところなければ其(そ)れ来(きた)り復(かえ)って吉なり。往くところあれば、夙(はや)くして吉なり。 蹇とは難なり。物もって難に終るべからず。故にこれを受くるに解(かい)をもってす。
損は、孚(まこと)あれば、元吉(げんきつ)にして、咎(とが)なし。貞(てい)にすべくして、往くところあるに利あり。曷(なに)をかこれ用いん。二簋(にき)用(もっ)て享(まつ)るべし。 解とは緩(かん)なり。緩(ゆる)くすれば必ず失うところあり。故にこれを受くるに損(そん)をもってす。
益は、往くところあるに利あり。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。 損して已(や)まざれば必ず益(ま)す。故にこれを受くるに益(えき)をもってす。
夬(かい)は、王庭(おうてい)に揚(あ)ぐ。孚(まこと)あって号(さけ)ぶ、厲(あやう)きことあり。告(つ)ぐること邑(ゆう)よりす。戎(じゅう)に即(つ)くに利あらず。往くところあるに利あり。 益して止めなければ、かならず決(決壊)す。ゆえにこれを受けるに夬をもってする。
姤(こう)は、女(じょ)壮(さか)んなり。用(もっ)て女(じょ)を取(めと)るなかれ。 夬(かい)とは決なり。決すれば必ず遇う所あり。故にこれを受くるに姤(こう)をもってす。
萃(すい)は、王有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大人を見るに利あり。亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。大牲(たいせい)を用うるに吉。往くところあるに利あり。 姤(こう)とは遇(ぐう)なり。物相い遇いて後に聚(あつま)る。故にこれを受くるに萃(すい)をもってす。
升(しょう)は、元(おお)いに亨(とお)る。用(もっ)て大人を見る。恤(うれ)うるなかれ。南征して吉。 萃(すい)とは聚なり。聚りて上るものはこれを升(のぼ)ると謂う。故にこれを受くるに升(しょう)をもってす。
困(こん)は、亨(とお)る。貞(ただ)し。大人は吉にして咎なし。言うことあれど信ぜられず。 升りて已(や)まざれば必ず困(くる)しむ。故にこれを受くるに困(こん)をもってす。
井(せい)は、邑(ゆう)を改めて井(せい)を改めず。喪(うしな)うなく得(う)るなし。往くも来るも井々(せいせい)たり。汔(ほと)んど至らんとして、亦(ま)たいまだ井(せい)を繘(つりいと)せず、その瓶(つるべ)を羸(やぶ)る。凶なり。 上に困しむ者は必ず下に反(かえ)る。故にこれを受くるに井(せい)をもってす。
革(かく)は、己日(きじつ)にして乃(すなわ)ち孚(まこと)あり。元(おお)いに亨(とお)る貞(ただ)しきに利あり。悔亡(ほろ)ぶ。 井道は革(あらた)めざるべからず。故にこれを受くるに革(かく)をもってす。
鼎(てい)は、元(おお)いに亨(とお)る。 物を革むるものは鼎(かなえ)にしくはなし。故にこれを受くるに鼎(てい)をもってす。
震は、享(とお)る。震の来(きた)るとき虩々(げきげき)たり。笑言唖々(しょうげんあくあく)たり。震は百里を驚かす。匕鬯(ひちょう)を喪(うしな)わず。 器を主(つかさ)どる者は長子にしくはなし。故にこれを受くるに震(しん)をもってす。
その背に艮(とど)まりて、その身を獲(え)ず。その庭に行きて、その人を見ず。咎なし。 震とは動くなり。物もって動くに終るべからず。これを止(とど)む。故にこれを受くるに艮(ごん)をもってす。
漸は、女(じょ)帰(とつ)ぐに吉。貞(ただ)しきに利あり。 艮(ごん)とは止まるなり。物もって止まるに終るべからず。故にこれを受くるに漸(ぜん)をもってす。
帰妹(きまい)は、征(ゆ)けば凶。利するところなし。 漸とは進むなり。進めば必ず帰する所あり。故にこれを受くるに帰妹(きまい)をもってす。
豊は、亨(とお)る。王これに仮(いた)る。憂うるなかれ、日中に宜(よろ)し。 その帰する所を得る者は必ず大なり。故にこれを受くるに豊(ほう)をもってす。
旅(りょ)は、小(すこ)し亨(とお)る。旅の貞(てい)あれば吉なり。 豊とは大なり。大を窮むる者は必ずその居を失う。故にこれを受くるに旅(りょ)をもってす。
巽(そん)は、小(すこ)し亨(とお)る。往くところあるに利あり。大人(たいじん)を見るに利あり。 旅して容(い)るる所なし。故にこれを受くるに巽(そん)をもってす。
兌(だ)は、亨(とお)る。貞(ただ)しきに利あり。 巽とは入るなり。入りて後にこれを説(よろこ)ぶ。故にこれを受くるに兌(だ)もってす。
渙(かん)は、亨(とお)る。王有廟(ゆうびょう)に仮(いた)る。大川(たいせん)を渉(わた)るに利あり。貞(ただ)しきに利あり。 兌とは説ぶなり。説びて後にこれを散らす。故にこれを受くるに渙(かん)をもってす。